出会い
私がウォーキングを始めたきっかけは、約10年前に行った夏の蔵王登山がきっかけです。
それまでは特に趣味といったものはありませんでした。ましてや登山など全く興味がありませんでしたが、暇つぶしのつもりで友人の誘いで行ったのが初めてでした。
軽く考えていたこともあり、軽装で楽勝気分で臨みましたが、実際は体力的にも精神的にもかなりしんどかったことを覚えています。
途中で高校時代での部活動で行った神社の階段の登り降りのトレーニングが蘇ってきました。正直、行ったことを後悔しました。
しかし、後の祭りです。何とか頂上に到達して昼食となりました。その時食べた菓子パン「あずきマーガリン」の味は格別でした。気分も今までに感じたことのない達成感と爽快感があり、疲れながらも満足感がありました。
変化
さて、その1回の登山がきっかけとなり、ウオーキングを始めたのですが、自分の生活を振り返るきっかけにもなりました。
なぜなら、それまでは3.11の震災後で何をする気にもなれず堕落した生活を送っていたからです。
当時仮設住宅に住んでいたのですが、これといってすることも無く、する気にもなれず、結局は元々の酒好きが講じて酒浸りの生活を送っていたからです。
当然健康的にも精神的にもいい事は無く、ほとんどうつ状態でした。今で言う「引きこもり」です。
そうなると簡単に生活状況を変えることは容易なことではありません。次第に生活状況は悪化を辿り、自分ではどうすることもできなくなり、ある日自宅で倒れ、頭を打って意識を失い病院に救急搬送されてしまいました。
幸い脳に異常はなかったのですが、アルコール依存症の診断を受け、専門の病院に入院する事になりました。当時は自分がアルコール依存症だとは全く思っておらず、これが病気だという事も知りませんでした。
なので、入院してもこの病気を否認し続け、退院したらまた飲もうと思っていたほどです。入院中の治療と言っても他の病気と違い、手術をしたり特別な治療は無く、病院のプログラムをこなしながらの入院生活を約3ヵ月間経験しました。
入院中は色々なプログラムがあり、その中でトレッキングがありました。ショートコースは約5kmでロングコースは約15kmです。これも入院中のプログラムの一つでした。
この経験も、その後ウオーキングを始めるきっかけとなりました。後から思ったのですが、断酒もウオーキングも同じで、一日一日の断酒の積み重ね、歩くのも一歩一歩の積み重ねなのだと気付きました。
それと、同じ問題を抱えている当事者同士で語り合う断酒会へ参加しているうちに精神的にも楽になり、徐々に体力も回復してきたので、退院後すぐに登山は無理なので、とりあえずウオーキングを続けていこうかと思うようになりました。
終わりに
現在、とりあえずのウォーキングは約10年続いています。その日の気分で行くコースや時間を決めて、写真を撮りながら歩いています。