・序章
初めまして。自己紹介文にも述べた通り私は発達障害持ち30過ぎのアルコール依存症だ。
何故自分がそうなったのか、発達障害のうえ更に酒で萎縮しているであろう、足りない脳みそを使って述懐、自己分析してみたいと思う。先に言い訳しておくが文才が無い上に作文も碌に書いた事がないので稚拙な文章であることはご了承頂きたい。
・少年時代
子供の頃から集中力がない、人の言ってることが一度で理解できない、常におどおどして考えがまとまらず会話が下手で相手をイラつかせる。典型的な発達障碍児だった。(尤も当時は発達障害など認知すらされていなかったが)当然、友達も少ない。
本来何らかの努力で自己改善すべきだったが、性根が怠惰である私は現実逃避の手段を娯楽に求めた。ゲームや漫画、ネット麻雀、深夜ラジオ、成人誌、モデルガン収集など色々と興じてみたが前述した集中力のなさから直ぐに飽きてしまいどれも中途半端に終わった。
酒のせいか中学生~高校生時代の記憶はもうほとんどない。勉強は受験に落ちない程度、ないしはテストで赤点を取らない程度にしかしておらず、部活動などにも在籍していたが、それは校則で全生徒なにがしかの部活に所属しなければいけないという体になっていたので籍だけ入れておいただけである。
あとは先ほど述べたような、ためにならない趣味に膨大な時間を浪費する。本来、普通の学生であれば勉強や部活動あるいはためになる趣味(例えば軽音楽や絵描きなど)に打ち込み、時には恋愛の一つや二つ経験し青春を謳歌すべき年頃であったろうが、私のしていたことといえば成人誌でマスを書くだけだった。
大学も名前を書けば受かるようなFラン文系夜間部に入学した。大学で特に何をやりたいという訳ではなく、モラトリアム期間が欲しかっただけである。それと後述するが働くのが怖かったから。
・酒の味を覚える
大学生となってからもこれまでの生活を改めることなく勉強は単位を落とさない程度しかやらず、何かサークル活動や将来に向けて資格取得を頑張る訳でもなかった。相変わらず友達は少なく、人間関係は必要最低限にとどめた。とは言え大学生ともなると所謂大学デビューを果たす生徒が数多く、人付き合いや色恋など無縁だと自覚してきたが、友達はわずか2~3人、恋愛経験ゼロの状況にやや危機感を覚える。しかし、生来の話下手な私はどうやって多くの友人を作るか、女子と付き合えるのか皆目見当がつかなかった。
その矢先に「酒」の味を覚えることとなった。入学一年目の春、どこのサークルも部員勧誘という名目で新入生を花見に誘うことが多く、私もタダで飲み食いができ、あわよくば女子生徒と仲良くなれるという甘言につられ、とあるサークルの花見に参加した。そこで酒が出された。最初は緊張して言葉も碌にでてこなかった私だが、ビール一本空にした後では状況は一変した。素面のときよりも頭が冴えたような感覚になり、それでいて緊張感が消え、舌もよく回り上手く話せる。あれほど嫌いだった人付き合いが全く苦にならない。厳禁だが、授業中にこっそり飲酒したこともあるが心なしか素面の時よりも頭が回り、より集中できるような感じがした。
「酔い」がもたらす万能感には何とも言えないものがあった。
しかし酔いが抜けてしまうと酷い不安と倦怠感を覚えた。
一杯の酒さえ有れば舌が回るのだが、素面だとコミュ障で何の取柄もない男に逆戻り。(尤も呑んだところで、女子とは多少会話が出来るようになっただけで恋愛には至らなかったが。)
上手く話せなくなることや、前述した少年時代に逆戻りするのが怖くなり結句、大学生活の4年間、キャンパス内ではほぼ酒が入っているという有様であった。
一時期さすがに酒が体を受け付けなくなり禁酒していた時期もあったが案の定おどおどした情けない男に戻ってしまった。
尺が少々長くなるので、その後は何部かに分けて記載することにする。