見切り品の「せり」に思う事

名取の「せり」

日本一「せり」の産地、宮城県名取市。

今では「セリ鍋」としても有名です。

名取市のせり栽培の歴史は古く、1620年に野生のせりの栽培をしていたとする

文献があり、1770年にはせり栽培の普及が始まったとされています。

ほぼ周期で栽培されていますが、9月~3月出荷の「根せり」と4月~6月出荷の

「葉せり」に分類しています。

名取市では、根っこの部分まで丸ごと食べる「セリ鍋」が名物として

定着しています。

名取産のせりの特徴は、茎の太さ、根っこの太さで、葉っぱ、茎、根っこは

それぞれ違う味と食感が楽しめます。

久しぶりにせりを食べたいと思い、

たまたまスーパーの見切り品コーナーにあったせりを見かけたので、

試しに買ってみました。

その後、スマホで写真を撮り、水彩画にしてみました。

水彩画だと、「せり」なんだか雑草なんだか…

見切り品の「せり」

見切り品だけあって鮮度いまいち、見た目もいまいちだったのですが、

鍋にしたら、シャキシャキ感とせり独自の風は健在で、根っこも

食べれて、美味しく頂きました。

見切り品だからと言って見た目でパスするのではなく、

買わなければ廃棄処分になる事を考えると、

その時、「もったいない」気持ちが働き、衝動的に買ってしまったのです。

今、食品ロスが話題になっていますが、日本の場合、年間の食品ロスの量は

約600万トンだそうです。

飲食店やスーパーの売れ残り、賞味期限切れの物、家庭で捨てられる食品など

「もったいない」と思うのは私だけではないと思います。

見た目がよくない=美味しくないという勝手な思い込み。

まだまだ日本には多い事に驚きました。

食料自給率約36%の日本で、大量の食品が毎日捨てられている現実。

スーパー等で売られている食品も、中国産や他の外国産の物も大分増え、

今では珍しくは無くなりました。

フードバンクなどの取り組みがTVで紹介されたりしていますが、

まだまだ「食品ロス問題」は当分の間、解消しないのでしょう。

今、想うこと

話はちょっと外れますが、ついつい私たちは人や物事を見た目で判断している

と思いませんか?

無意識のうちに偏見や誤解を持ってしまい、自分中心の感情や考え方に陥って

いないでしょうか?

私は先日、ある公園で炊き出しで並ぶ人々を見かけ、ついつい偏見と誤解を

持って見てしまい、後で後悔しました。

列に並んでいた人達は主にホームレスや生活困窮者の人々でした。

仙台市内の公園だけあって、約50人位の人々が集まっていました。

最初の印象だけで、その人たちを判断してしまった事が、過ちでした。

いかに自分が偏見や誤解する事に慣れてしまっているかを知るきっかけにもなる

出来事でした。

子供の貧困や女性の貧困、格差等も問題になっていますが、

その一方で富裕層の人々はますます富を増やして、

格差は今後も広がる一方の様な気がします。

資本主義社会である限り、貧富の格差は無くなりませんが、

心、精神までもが貧困にならぬ様、

日々生きていきたいと思った次第です。

人は不思議なもので、たとえすべてを持っているとしても、

問題を抱えたり、自分で人生を絶ってしまったりするのは何故でしょうか?

それは、物や人から得たものでは、人は絶対満足する事はなく、

より飢え渇いてしまうからだと思います。

お金や健康な身体があっても、

元々、人は満足できる存在ではないと思います。

皆さんはどう思いますか?

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リリぞう

こんにちは。リリぞうです。趣味は現在自転車、卓球、ウォーキングといったところです。人との出会いや、普段感じたことや想いを、コラムや写真で表現していきたいと思います。             

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