2022年5月 楽しかった海外ドラマをご紹介 愛及屋烏
『クローザー(The Closer)』(S1.2005~S7.2012)
Continuation from last page. 08-2
おススメの名エピソード
シーズン1第4話「姿なき復讐者」/ Show Yourself
マッカーサー・パークでギャング“ES14”のメンバー3人が頭に一発の銃弾を受けて死亡。
対立するギャング団との縄張り争いの抗争と見られていたが、事件現場から狙撃スコープを持って逆に周囲のビルの屋上を観察する謎の黒人男性が。
ブレンダが現場で遭遇した男は元海兵隊大佐ウォルター。
彼は狙撃ポイントをブレンダに教え、更に犯人はプロの狙撃兵であり、教え子だと告げる。
だが、名前は分からないと言う。――失踪した息子なのだと。
捜査協力の為、情報の取り引きを求めるウォルターだが、ブレンダは警戒して保留に。
使われた銃も判明し、ギャングたちにはその扱いが無理と分かるが狙撃手による事件とマスコミへ発表してしまうと、住民への不安を煽ることになる。
犯人の暴走を防ぐ為もあり、事件はひとまずギャングの抗争と発表する。
ウォルター大佐と情報交換を行う事を決めるが、彼の裏取りも行う。
ブレンダは、ウォルター大佐を呼び出す。 彼女も彼のことをしっかり調べていたが、大佐もブレンダの経歴は調べていた。
CIAに7年、ワシントン警察に4年、アトランタ市警察に3年半、そして父親は元陸軍大尉。
大佐の息子の妻ドナは、かつてギャング団の抗争に巻き込まれ流れ弾で死亡していた。
当初は警察の捜査を待っていた息子だったが、ギャングの抗争に関しては警察でも半ば放置されていた。業を煮やした息子は、その復讐のため順番にメンバーを狙っているのだという。
無事に生きて逮捕させたいから協力すると、ギャングメンバーの住まいや名前のリストをブレンダに要求。リストを渡したあと、彼の尾行をプロベンザらにさせていたのだが、撒かれてしまう。
ギャングのメンバーの一人を事情聴取中、新たに狙撃事件が起きたと連絡が入る。狙撃手にターゲットのリストを渡してしまったのではないかと焦るブレンダ。
らしくないミスにポープはブレンダに「君は軍人に弱すぎる。父親と重ねている」と告げる。
犯行後の現場に大佐の姿を発見したブレンダは彼を拘束し取り調べる。
ギャング達は真犯人の存在を知らず報復合戦が始まり、無関係な一般市民にも被害が出ていた。
監視カメラの映像や、新聞記事の写真の関連から、捜査に協力させ、次の標的を大佐に予想させ、その警備と現場で待ち構えることにするが…。
大佐が何か動きを見せるだろうと予測したブレンダは、恋人のフリッツを呼び出し、彼の車に隠れながら大佐の尾行を行う。
大佐が指示した現場へ向かった捜査陣達は空振り。標的だと彼が示した人物は服役中だった。
本命はブレンダが取り調べした妹が入院している構成員。病院から出てくる瞬間が狙いなのだ。
大佐を追ってビルの階段を昇るブレンダ。
狙撃ポイントにいたのは、やはり――大佐の息子だった。
狙撃銃を捨てさせたブレンダ。手を上げさせ、拘束しようとするも彼は銃を隠し持っていた。
響き渡る銃声――撃たれたのは、息子だ。
ブレンダを助け、自身の息子を狙撃し、殺す事でしか終わりに出来なかった。
いくら探しても大佐の姿を見つける事は出来ない。
ブレンダは懇願するように夜空に叫ぶ。助けになりたい、と。 「Show Yourself!」と。
後述(感想)
ここまでは取調室に入ると女王様状態で、部下の造反、同僚や上司の非協力もなんのその、LA市警にブレンダ最強伝説を轟かせつつあった彼女だが「らしくない」弱みを見せてしまう。
まぁ、端的に言えばファザコンなのだが。
そんな訳で初黒星のエピソードをチョイス。
ウォルター大佐の息子か、もしくは本人が狙撃犯なのか。 ラストシーンまで、ずっと判別できない状態で話が進んでいくのは、上手くできてる。
ラストでウォルターを呼び続けるブレンダが、父親を見失った迷子の少女のようで切ない。
END.