2022年11月 楽しかった海外ドラマをご紹介 愛及屋烏
『コールドケース 迷宮事件簿』(S1.2005~S7.2012)
Continuation from last page. 10-2
おススメの名エピソード
シーズン3 #20「死刑囚」/シーズン2 #4 「執行 Death Penalty」(日本版※)
1994年6月4日、妻がアルコール中毒の為の施設に入り、新居に引越しをしてきたマイクとケイトのラング父娘。
刑務所から出所したばかりの元囚人、アンドレ・ティッブスを雇う引っ越し業者を使う、マイク。元囚人であってもやり直すチャンスを与えたいとするマイク。それはママにも
該当するのではないか?とケイトは反発し家に帰りたいとつぶやく。
その晩にケイトが台所で暴行された後に殺害される。
容疑者として、第一発見者で警察に通報したアンドレは捕まってしまう。
それから12年が経過した2006年、殺人課ではクーラーが故障し暑い日々を過ごしていた。
当時捜査に加わったジェフリーズの元に刑務所のアンドレから電話が有ったという。
3日後に処刑が執行されるアンドレから無実を証明してほしいと頼まれた。
そんな中、17分署の悪徳警官・ジョーイ・ノーマンが拳銃自殺した事件が報道される。彼は主に不正三件に関わっていた容疑をもたれたまま自殺した。
当時、アンドレの事件を担当したのもノーマンだった。
ウィルとミラーはアンドレに会いに行く。するとアンドレもノーマンの自殺の件を知っており、自分を逮捕したのはノーマンで自分が無実であることを訴える。
ポケットに有った手紙をノーマンが盗んだのだとし、俺の話を信じる様にウィルに訴えるが、自白以前に状況証拠は全てアンドレが犯人であることを指している事を告げる。
調べた結果手紙はなく、当時殺害されたケイトの家の近くで逃げ去るアンドレを捕まえたのがノーマンだった。
アンドレの靴に付着していたのが、被害者の血痕であり、ケイトの父・マイクも逃げ去るアンドレを目撃したとする証言によって、容疑が確定したのである。
アンドレはあの日マイクを怒らせたので嘘をついているのだろうという。
あの日、自分は詫び状を持ってケイトの家を訪ねたという。
アンドレは引っ越し作業中にマイクが大事な鏡を運ぶのを手伝うという親切心を断り、揉めている間に鏡を割り、経営者のウェイン・ネルソンからクビを宣告されていた。
夜中の一時にケイトの家に行くのは尋常ではないとするウィル。
アンドレはクビになった後、飲み屋に行ったが、閉店まで飲まずに居られるか自分を試しただけで、勇気を振り絞って手紙を書いたのだと語る。
面子の為に再捜査を妨害する検事補、一時の怒りで偽りの証言をした父親。
母親と引き離され、孤独を感じるケイトとアンドレの交流。
ケイトが死の間際に言い残した「フェイス」の意味。
無情にも執行されるアンドレの死刑。
そして、明らかになる真犯人。
※日本版では被害者は男子の兄弟となっているが、大筋の話は共通している。
猿岩石「白い雲のように」
中谷美紀 with 坂本龍一「砂の果実」
斉藤和義「歌うたいのバラッド」
B’z「Calling」
日本版の挿入楽曲は以上の4つ。
後述(感想)
死刑執行前の冤罪事件、という状況自体はサスペンスドラマにおいて珍しいモノではない。
だが、死刑に間に合わないという展開の無情さは実にコールドケース的だと評価したい。
そして、ジェフリーズが死刑執行に立ち会う際、アンドレの言葉を聞いて慄然とする姿。
アンドレは同じ黒人で、ちょっとした運命の展開が違っていたら人生は入れ替わりになっていただろう、とジェフリーズに話しています。
違う、と思いながらもアンドレが言う根拠に対してそうかも、と思わせてしまう、ドラマの魅せ方が生んだ説得力が良い。
END.