『昭和のかがやき』へようこそ!
今回のテーマは「昭和のごっこ遊び」です。 既製品のおもちゃや画面の中のゲームが少なかった昭和後期(1970〜80年代)、子供たちの最大の武器は「圧倒的な想像力」でした。
空き地や路地裏、公園のジャングルジムを舞台に、配役を決めて全力で成り切った、あの頃のあたたかくも熱い遊びの風景を振り返ってみましょう!
1. 棒きれ一本でヒーローに! 「ヒーローごっこ・チャンバラ」
放課後の空き地や公園で毎日くり広げられていたのが、TVのヒーロー番組やアニメになりきる「ヒーローごっこ」や「チャンバラ」でした。
『仮面ライダー』や『レンジャーシリーズ』、『ウルトラマン』がテレビで放送された翌日は、学校の校庭や路地裏が即席の戦場に早変わり。落ちている木の枝を「名剣」に見立てたり、お父さんのベルトを「変身ベルト」の代わりにしたりと、アイデアひとつで何にでもなれました。
変身ポーズを完璧に決め、必殺技の名前を大声で叫びながら敵(悪の組織役)に飛びかかっていく。技が当たった・当たっていないで「当たったよ!」「いや、バリア張ったから効いてない!」と本気で口喧嘩になるのも、昭和の放課後のお約束でした。
2. 葉っぱがお金で砂がお米! 「おままごと」と「お医者さんごっこ」
女の子たちを中心に、近所の小さな子供たちも巻き込んで大人気だったのが「おままごと」や「お医者さんごっこ」です。
公園の片隅や玄関先がそのまま「マイホーム」や「病院」になりました。丸いツバキの葉っぱをお金に見立て、空き缶に砂と水を入れて「カレーライス」を作り、タンポポの花を添えて「ごちそう」のできあがり。
「お父さん役」「お母さん役」「赤ちゃん役」、果ては「ペットの犬役」まで配役を決め、大人の会話や仕草をちょっと背伸びして真似してみる。プラスチックの聴診器や注射器のおもちゃを使った「お医者さんごっこ」では、お医者さん役の命令に患者役がおとなしく従うなど、小さな社会的ルールを遊びの中で学んでいました。
3. ジャングルジムが宇宙船に! 「探検ごっこ・秘密基地ごっこ」
近所のちょっとした茂みや建設途中の空き地、公園の遊具は、子供たちにとって未知の惑星やジャングルでした。
ジャングルジムのてっぺんは「宇宙船の司令室」、土管の中は「地下基地」といった具合に、いつもの景色が自分たちだけの特別な世界に一変します。段ボールや木くずを拾ってきて作った小さな「秘密基地」に仲間と集まり、「探検隊長」や「通信士」といった役割を決めて懐中電灯を照らす。
大人の目が届かない自分たちだけのルールで動く世界は、最高のドキドキ感と胸の高鳴りを与えてくれました。
おわりに
今の時代は、精巧なフィギュアやゲーム、YouTubeなどで、あらかじめ作られた完成度の高い世界観を楽しむことができます。
でも、昭和のごっこ遊びには「何もない場所から、仲間と知恵を出し合って世界を創り出す自由さ」がありました。
木の枝も、泥んこも、葉っぱも、子供たちの頭の中ではすべて本物の宝物。 相手の気持ちを察しながら役を譲り合い、泥だらけになって日暮れまで遊んだあのごっこ遊びの時間は、私たちの創造力と人との繋がりを育んでくれた、かけがえのない体験だったのではないでしょうか。
