THRILL SHOCK SUSPENSE #13

2024年3月　　変わらない評価を受ける名作推理ADVを紹介　　愛及屋烏

PS 金田一少年の事件簿 悲報島 新たなる惨劇

PS 金田一少年の事件簿 地獄遊園殺人事件

SS 金田一少年の事件簿 星見島 悲しみの復讐鬼

PS 金田一少年の事件簿 青龍伝説殺人事件

前述

推理ADVという一大ジャンル。

日本では1983年の『ポートピア連続殺人事件』から幾星霜。

名作と呼ばれるゲームはFCやPS1のソフトであろうとも未だに上位を譲らない。

そんな中でも実際にプレイしてみて、おススメしたい作品を紹介したい。

自叙

金田一少年の事件簿のゲームの中でもSSの異色作とPS三部作＋αを紹介。

THE推理のトムキャット制作のDSソフトもあるが、残念ながらクソゲー評価なので今回は置いておく。

実はそのクソゲーの攻略wikiを本気で制作した経験もあるのだが。

金田一少年の事件簿 悲報島 新たなる惨劇

概要

週刊少年マガジンの人気推理漫画『金田一少年の事件簿』のプレイステーションでのゲーム化作品。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　シリーズ初ゲーム化に加え、登場人物が初めてアニメで描かれた作品でもある。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　なので、映画のオペラ座館の様に声優がアニメ版と異なる。

パッケージ側面のタイトルは『金田一少年の事件簿』となっているが、それ以外(パッケージ表面やCD帯の表面、PS Storeのページ名など)では全てサブタイトルが併記されている為、本コラムでもそちらに準ずる。

本作品は原作のエピソード『悲報島殺人事件』の後日談となっており、その舞台となった「悲報島」にて金田一が新たな事件に立ち向かう。

ある理由から島を手放した元々のオーナーが島を買い戻した、という状況。ただし、原作を知る必要は殆どなく、未読のプレイヤーでも楽しむ事は可能である。

説明書には原作エピソードのあらましも書かれているが、『悲報島殺人事件』のネタバレは避けられており、本作を遊んでから原作の謎解きに挑む事も可能。

『金田一少年の事件簿』のメディアミックス作品は殆どの作品に天樹征丸がシナリオを提供しているが、本作は原案のみの参加でシナリオには関わっていない。

脚本を手がけたのは沢村光彦氏と桧木田正史氏。特に沢村氏は本作がデビュー作となり、のちに『.hackシリーズ』などのライターを務めている。

あらすじ・１

悲報島の惨劇から月日が経ったある日の事、金田一達は再び島へと招かれる。

島は以前のオーナー・葉月光定の手に買い戻され、更なる財宝を巡る「宝探しツアー」の為のリゾート開発が進められていた。

開発会社の木暮によれば、“魔の目”の数倍もの財宝が眠る“魔の口”の存在がするらしい。

かつて、財宝を見つけ出した金田一達の手を借りて、財宝の在り処に目星を付けたいとの事である。

しかし島には不穏な空気も漂っていた。観光開発を巡って対立する家族、光定の周囲を取り巻く女性関係、そして光定の屋敷には血塗られた呪い唄が書かれていた…。

「朱き手まりの 弾みし晩 あめの刻みを 鳥告げん

山童来たりて こうべ垂れ 皆で見あげん 古城のえにし…」

「奔流の果てへ　煉獄の底より 華吹雪とともに

ひとがたよ舞へ 命尽きし後も　止むことなかれ」

「みなもの唄へ　耳澄まし 亡者の棺と　戯れぬ

朽ち果てし骸　貫くは 呪いそ印したる　くろがねの鉾」

その晩、呪い唄の『朱き手毬』の文言通りに「山童の使者」による、新たな惨劇が幕を上げる─！

ゲームシステム

物語は全4日間。悲報島の巨大な屋敷を舞台に、連続殺人事件が繰り広げられる。

プレイヤーの目的は真犯人「山童の使者」を見つけ出し、惨劇に終止符を打つ事である。

事件と並行して、暗号を解いて島に眠る財宝を探す要素も存在する。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　エンディングを見るにはこちらもクリア必須。

事件が発生すると、金田一が自身の推理を披露する推理パートが開始する。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ここで選択肢を間違えるか、正しくフラグを建てていなければ即ゲームオーバーとなる。

ゲーム中は「探偵ポイント」なるものが測定されている。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　これは、どれだけイベントを回収できたかどうか？を示すクリア達成度で、点数に応じてエンディングが分岐する。100点満点。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　必要以上に現場を調べたり、聞き込みを繰り返すと減点される模様。

探偵ポイントはゲームオーバー時や、エンディングを見た場合のみ閲覧可能。

調査パートでは3D空間を探索し、他の人物から証言などを集めていく。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　移動は3Dダンジョンのように1マスずつ動く形式。

デーデン、というBGMも相まって、下手をするとバイオハザード等より怖い。

場所によってはポインタを表示させる事ができ、現場にあるものを調べることが可能。

最低限の情報を調べ終わってから、金田一の部屋に戻ると、任意で物語を次のパートに進められる。続編の様に制限時間や時間経過の要素は無い。

セーブデータ数は8つ。

メモリーカードのブロック数が増える事は無いので、躊躇せずすべてのセーブ枠を活用して遊ぶことが推奨される。本作は致命的な「取り返しのつかない要素」を多数含むため、リカバリーのためには再開地点を多めに確保した方が良い。

事件概要

１.朱き手毬　木暮条一郎殺害事件

女中の老婆・ヨネから悲報島の財宝にまつわる話を聞いていた最中、鳴る筈がない時計塔の鐘が屋敷内に鳴り響く。

金田一は時計塔が見える玄関へ様子を見に行くと時計塔の方から何か球状の物が落ちて来ていた…。

落ちてきた何かが玄関天井のガラスを破り金田一の目の前に落ちてくる。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　その落ちてきた物は人間の生首……木暮条一郎の生首だったのだ。

２.人形の舞　葉月光定殺害事件

夜十時に間欠泉へ来てほしと書かれた葉月マユラからの手紙を発見する金田一。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　夜十時に間欠泉へ行くとマユラが来るが、マユラは逆に金田一に手紙で呼ばれたと言い、金田一宛の手紙の事も知らないという。

間欠泉が吹き出す時間になった為、硫黄の匂いが立ち込めてくる。

金田一とマユラはその場を離れようとした時、間欠泉が吹き上がりそれと共に人が上空に吹き上げられた　間欠泉で吹き上げられた人物は葉月邸の主・葉月光定だった…。

３.骸の鉾　偽マサキ（佐藤治）殺害事件

小百合と真奈美が言い争っている現場を目撃した金田一と美雪。

その争いの結果、真奈美が足を滑らせ、崖から転落してしまう、救護して医師の三村にひとまず真奈美を預け、金田一達は小百合から事情を聞こうとする。

そんな時、マユラが「入り江で見た事がない方が死んでいる」と邸に駆け込んで来た。向かった入り江にはボートがあり、その中で見知らぬ男が三番目の歌の様に刃物を胸に突き立て、死んでいた。

4.美神降臨　三村翔子・葉月マユラ殺人未遂事件

第三の事件を自殺に見せかけた殺人と看破した金田一。

そして、金田一達が悲報島に来て４日目の朝、３番までだった山童の使者の歌が４番まで増えていた。

また今夜誰かが襲われる…？

夜の食事後、露天風呂の方から悲鳴が聞こえ駆けつけると、そこには露天風呂に浮かぶ三村翔子、入口の脇で倒れている葉月マユラ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そして、それを発見した栗原真奈美の姿があった。

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