『昭和のかがやき』へようこそ!
今回のテーマは「昭和の駄菓子屋」です。 昭和後期(1970〜80年代)、子供たちにとって学校が終わった後の目的地といえば、街の路地裏にぽつんと佇む「駄菓子屋」でした。
お小遣いの数十円を手のひらに握りしめ、目を輝かせながら足繁く通った、あの頃の子供たちの「小さな社交場」を振り返ってみましょう!
1. ガラス瓶に詰まった10円の宝物! 駄菓子の選抜会議
ガラガラと引き戸を開けると、狭い店内にはカラフルな駄菓子が隙間なく並んでいました。
大きな透明のガラス瓶(地球瓶)に入ったおせんべいや串刺しのイカ、1本10円のうまい棒、チロルチョコ、きなこ棒、粉末ジュース、そして酢いか。ガラスケースを覗き込み、「今日は30円あるから、10円のやつを2個と、5円のクジを2回……」と、頭の中で真剣に計算(選抜会議)をくり広げたものです。
当たれば「もう1本!」ともらえるクジ付きお菓子は、子供たちにとって最初の大勝負。紙をめくって「あたり」の文字が見えた瞬間の興奮は、何物にも代えがたい喜びでした。
2. 駄菓子屋の奥に鎮座する「10円ゲーム機」と「ガチャガチャ」
駄菓子屋の店頭や奥のスペースは、ちょっとしたゲームセンターのようでもありました。
10円玉を弾いてゴールを目指す「新幹線ゲーム」や「国盗り合戦」といった木製のレトロゲーム機。10円玉が落ちていく軌道に一喜一憂し、うまくゴールに入って当たり券が出てきたときの達成感は格別でした。
また、お店の前に置かれた「ガチャガチャ」のハンドルを回す感触や、スーパーカー消しゴム、ブタメン、カップに入った謎のピンク色の珍味(さくらんぼ餅など)……。五感のすべてを刺激する誘惑が、狭い空間にギュッと詰まっていたのです。
3. ちょっと怖い(?)けれど温かい「おばあちゃん」
駄菓子屋には、いつも看板娘(?)である「おばあちゃん(またはおじいちゃん)」がチョコンと座っていました。
算盤をパチパチと弾いて「はい、全部で65円ね」「おまけでクジもう1回引きな」と声をかけてくれたり、行儀の悪い子には「こら! お菓子を散らかすんじゃない!」とちゃんと叱ってくれたり。
両親や先生以外の「街の大人の目」がそこにはあり、子供たちは駄菓子屋での買い物を通じて、お釣りの計算や挨拶、年上の子・年下の子との接し方といった社会の基本を自然と学んでいました。
おわりに
今の時代、駄菓子は大型ショッピングモールやコンビニでもキレイに包装されて手軽に買えるようになりました。
でも、昭和の駄菓子屋にあったのは「限られたお小遣いの中で、自分で考えて選び抜くワクワク感と、街の温もり」でした。
放課後、友達と待ち合わせて10円のお菓子を分け合い、夕焼けの下で「また明日ね!」と手を振って帰る。駄菓子屋は単にお菓子を買う場所ではなく、子供たちが自分たちの足で社会へと踏み出す、小さくも誇らしい冒険の舞台だったのです。
