2022年10月 楽しかった海外ドラマをご紹介 愛及屋烏
『CSI:NY』(S1.2004~S9.2013)
Continuation from last page. 09-2
おススメの名エピソード
S6 #10 『デスハウス』
緊迫した男の声で「殺される!」と通報が入る。 指示されたペントハウスに駆けつけた捜査官たちは、そこでミイラ化した男の死体を発見する。
しかし、通報してきた男の姿は見当たらない。 死体の人物は何十年も前に死んでいたようだが、他には誰もおらず、死人が通報した事になる。
別の部屋の天窓が割れており、侵入した形跡が見つかる。 死体を見付けた人物が匿名で通報し、退散したのだろうか。 何も盗まれておらず、盗み以外の目的があったのかも知れない。
死体には複数の刺し傷が見つかる。 入れ歯はアルミ製で、現在は使われていない1920年代のものだ。 家の所有者ハーディングは30年前に埋葬されている。
頭蓋骨から顔を復元し、犠牲者は投資家ジョーンズと判明。 ハーディングはジョーンズに敗訴しており、それが殺害の動機だろう。
現場にあった指紋から、侵入したのは不動産業者ローソンと判明するが、やはり窃盗被害がない事が気になる。ステラはハーディングが生前にペントハウスを空き家にするように信託を設定して誰も近寄らせなかったと調べ上げる。
しかし今週「永久権禁止」となりオークションにかけられることになっていた。差し押さえ物件などを誰よりも先に物色するローソンがやはり侵入者で通報者と思われる。
しかしローソンの行方はわからない。ダニーは帯電シートから靴跡を採取し、その方向から誰も出て行っていないと報告する。
通報は嘘をついているように思えない、ローソンはまだペントハウスにいるのかもしれない。フラックが踏み込んだ際に鍵がかかっていた事から、外へは出ていない事になる。
通報は、本当に助けを求めたものだったようだ。
再びペントハウスに戻ってローソンの行方を探すことになり、マックは後から部屋が現れたことから隠し通路や部屋があると考えている。
すると突然――斧のような刃物が天井から現れて、ステラを襲った。
ステラに怪我はなく、すぐに刃物は元あった天井に収まったがマックはステラが先ほどまで踏んでいた床に置きものをおいてみる。やはり再び刃物が現れた。
ステラは感圧式の床を踏んで罠を起動させてしまったのだ。刃物には血痕が付着し、その形状からジョーンズを殺した凶器に間違いない。
床のパネルがパズルになっており、完成させると殺されるようになっていたのだ。
発明家ハーディングは大金をかけて家を改装していた。 改装後の見取り図は見つからず、どこに何があるかはわからない。
家具を動かすと隠し部屋が現れ、倒れているローソンが見つかる。 ローソンは生きながら焼かれたようだ。
彼は家具を動かさずに入った事になり、別の部屋から入って出られなくなったらしい。この部屋には、入った者を焼き殺す仕掛けがあるのだ。
死体の指紋はローソンと一致する。
電話の受話器を戻すとホークスが部屋に閉じ込められてしまうが、マックが助け出す。現場で見付かった指紋の一部はローソンと一致せず、もう1人の侵入者がいるらしい。
ローソンは自宅に電話しており、恋人ポーラが助けに来たのかも知れない。 下の階から水漏れの苦情が入る。次の仕掛けは水攻めのようだ。 漏れた水は酸素濃度が低い古いもので、自前のタンクがあるようだ。
真上の部屋を調べ、壁の裏にポーラがいると判明。どうやって入ったかはわからない。壁に穴を開けている間に溺れてしまうと、仕掛けを探す事に。
部屋にはシャンデリアがあるが、スイッチがない。タンスを階段にして高い場所にある窓を開くと、光が差し込んでシャンデリアに書かれた文字が壁に写る。
時計に仕掛けがあるとわかり、ねじを巻く。
すると壁の絵画の部分が開き、壁裏のポーラが水ごと吐き出されるのだった。
後述(感想)
刑事ドラマ色の強いNY編の中でも脱出ゲームチックなエピソード。
普段とは毛色が違う。秘宝を求める、冒険アドベンチャー感すらある。
下手な凶悪犯の登場する話より、よっぽど死にそうになる。殺意の高い家。
仕掛人の手を離れた無機質な殺人トラップは、解法こそあれど無慈悲に生贄の命を奪う。本来の標的は早々に殺害されており、80年前の発明家の殺意の遺産に知恵比べを挑む。
最後の仕掛けが解かれた瞬間にエンドロールになる潔さが好き。
END.