Cross Over Is Like #01
2022年6月 好きなクロスオーバー作品をご紹介 愛及屋烏
Q.E.D. 証明終了 × C.M.B. 森羅博物館の事件目録
Continuation from last page. 01-2
クロスオーバーエピソード①
『Q.E.D』第28巻「ファラオの首飾り」 ×『C.M.B.』第6巻「カノポスの壺」
Q.E.D side
友人にエジプトに呼ばれ、友人が発掘した王墓と思しき墓の調査を引き受けた想。
その墓の周りでは発掘に関わった人間が次々と重傷を負う“ツタンカーメンの呪い”さながらの出来事が起きていた。墓の真偽と呪いの正体とは?
C.M.B side
エジプト・カイロの考古学博物館で、殺人事件が発生。
被害者は銃殺された後、臓器を奪われていた。母親との想い出の品も壊され怒り悲しむ森羅が、この猟奇殺人犯を捕まえようと動く。
解説
巻数で見ると実感が薄いが、エピソード数としてはC.M.B側は十話目である。
各巻に二話ずつなので、当然こうなる。しかし、これだと最初から計算された、テコ入れ感がある。
連載開始時点で主人公同士が親戚なのは『あおり文』にハッキリとあったので、このコラボは既定路線だったのだろうとは思う。楽しいけども。
それぞれの事件でエジプトに来ていた二人が合流して互いの事件に対して専門分野から助言をする、という形の共演。
ヒロイン同士の立樹と可奈は、互いに「恋人同士ですか?」と訊き合い、同じ様に慌てて質問を否定している。
結局、出会ってすぐに意気投合し「(変人な相方の相手は)お互い大変よね」と慰め合った。
その後、C.M.B側のエピソードで2人で盗賊団を片っ端から夜空の星とし、砂漠の砂に這わせている。推理漫画のヒロインの中でも確実に最強な二人。
クロスオーバーエピソード②
『Q.E.D』第41巻「バルキアの特使」 ×『C.M.B.』第19巻「大統領逮捕事件」
Q.E.D side
東欧の小国・バルキア共和国において3万人もの虐殺を主導した前大統領・スワミがベルギーで逮捕される。自分達で裁きを下したいバルキアだが、人道の罪を盾にベルギーは応じない。想はバルキア出身の友人の依頼を受け、裁判権を得るべくバルキア側の代理人となるが、対するベルギー側の代理人は榊森羅だった。
予想外の難敵に対し、想は大統領解任状を携えたまま失踪中の特使の行方を追う。
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C.M.B side
バルキア共和国で大量虐殺を主導した大統領・スワミがベルギーで逮捕された。
しかし、バルキアの現大統領が逮捕は違法と主張してスワミの身柄の引き渡しを要求、問題の解決は国際司法裁判所の裁判に委ねられた。
スワミがバルキアに戻る事で再び悲劇が繰り返されてしまうことを止めるため森羅はベルギー側の補佐となるが、バルキア側の補佐として立ちはだかったのは燈馬想だった。
後述(感想)
こちらは一般的なクロスオーバーEPと異なり、単純に共演する話が描かれるのでは無く、同一の事件に対する、それぞれの視点と行動が他紙連載で別個に描かれている。
つまり、両者が一堂に会する場面でも方向や角度が違う。また自作品側の主人公視点なので相手側の発言の真意が口頭で説明されたりはしない。
主観に近い描写なので視覚的に相手の印象が違ったりもする。
最近の下手な特撮のVSシリーズより立場的に対決している(あれは最終的には、共闘するし)。
法廷での論戦は、別紙面で見た時の互いの強敵感が凄い。
それこそ、特撮だったなら視聴者の投票で勝ち負けが決まる奴の様な気がする。
一粒で二度美味しい的なクロスオーバーは実に好みだった。
END.