Cross Over Is Like #02
2022年6月 好きなクロスオーバー作品をご紹介 愛及屋烏
死がふたりを分かつまで × JESUS 砂塵航路
前述
①商業的テコ入れ
各ストーリーのキャラクターの共演によって、話題を呼び、不人気なシリーズに人気キャラクターを登場させて売上げを増やす、多くの巻数を必要とする複雑で雄大なストーリーを短い期間で展開できる、マンネリ防止等のメリットがある。
②オールスター物
巻数が最初から決定された新しいタイトルを作って、そこに既成のシリーズキャラクターを多数投入する「オールスター物」、あるシリーズに他のシリーズのキャラクターが登場するが、ストーリーの受け渡しがないカメオ出演や特別出演も、しばしばクロスオーバーと呼ばれる。
③同一世界観内共演
異なる主人公の物語同士が、同一世界、同一時間軸にあることを、作中で匂わされたりまた明示された場合、これもクロスオーバーと呼ぶことがある。
今回はある意味、①②③の全ての要項を満たすクロスオーバーの権化。
自叙
クロスオーバーしている漫画、という事となると脚本家『七月鏡一』が原作を務めた作品がクロスする「JESUS 砂塵航路」があるのだが、『たかしげ宙』作品と更にクロスオーバーする「死がふた」は既に多重玉突き事故の様相である。
四作品クロスオーバーなのだが、図式的にはトーナメント表に近い。
単発で十二分に面白いのに更に面白い別の漫画をぶち込む、満漢全席を食わせた上でフルコース料理を出してくる鬼の所業じゃなかろうか。
週刊少年サンデーで連載された、皆川亮二の漫画作品「D-LIVE!!」には脚本制作の協力者がいたのだが、それが、七月鏡一、たかしげ宙、横溝邦彦らである。
その中でも今回は、たかしげ宙の『死がふたりを分かつまで』と七月鏡一の『JESUS 砂塵航路』とのクロスオーバー展開を紹介したい。
以前、日本でも作家同士で協力してアメコミみたいに作品同士がクロスオーバーする世界観を作ろうという、ヒーロークロスラインという企画があった。
HXL企画自体は、途中で掲載誌が廃刊になり、終わってしまった。
この作品はHXL企画のリベンジ的に誕生した作品でもあり、たかしげ宙と七月鏡一の2人の原作者によるクロスオーバー世界を舞台にしている。
企画のきっかけは、HXLに参加して得たノウハウ等を活用できないかと、たかしげから七月に持ちかけたことだったという
たかしげ宙:死がふたりを分かつまで(+ALCBANEのキャラがパラレル登場)
七月鏡一 :闇(暁)のイージス+ジーザス JESUS=JESUS 砂塵航路(二作のクロス続編的作品)
この二人による意欲的なクロスオーバーであり、ある意味で悪戯とのこと。
to be next page. 02-2