Cross Over Is Like #03
2022年7月 好きなクロスオーバー作品をご紹介 愛及屋烏
超電磁大戦ビクトリーファイブ & ゴッドバード
前述
①商業的テコ入れ
各ストーリーのキャラクターの共演によって、話題を呼び、不人気なシリーズに人気キャラクターを登場させて売上げを増やす、多くの巻数を必要とする複雑で雄大なストーリーを短い期間で展開できる、マンネリ防止等のメリットがある。
②オールスター物
巻数が最初から決定された新しいタイトルを作って、そこに既成のシリーズキャラクターを多数投入する「オールスター物」、あるシリーズに他のシリーズのキャラクターが登場するが、ストーリーの受け渡しがないカメオ出演や特別出演も、しばしばクロスオーバーと呼ばれる。
③世界観内共演
また、異なる主人公の物語同士が、同一世界、同一時間軸にあることを、作中で匂わされたりまた明示された場合、これもクロスオーバーと呼ぶことがある。
今回は②と部分的に③。本来のアニメの設定からは若干の調整がある。 作品自体がクロスオーバー物なので、COエピソード自体は今回は省略する。
自叙
故・長浜忠夫が監督した作品、通称:長浜ロマンロボシリーズが漫画で集結。
ゲームのスーパーロボット大戦シリーズが好きな自分としては、制作サイド(長谷川裕一氏)からの餌と言うか燃料投下は実にありがたい。
往年のスーパーロボットの続編かつ、クロスオーバー作品として楽しめる。 リメイク・リデザインではなく、昭和のロボに新武装(強化形態)が今になって追加されるというのは、実に珍しい。
監督・長浜忠夫
前提として『ひょっこりひょうたん島』『オバケのQ太郎』『パーマン』『巨人の星』の監督だと言えば、誰なのか分かるだろうか。
東京ムービーのアニメ制作を担当していたAプロダクションへ入社。 『巨人の星』で一世を風靡したほか、コメディからロボットものまで幅広い作品を手がけた。
『侍ジャイアンツ』を最後に1975年に同社を退社、アニメ業界に見切りをつけ、日本記録映像社を設立し、1年ほどCM製作などを行なった。
『勇者ライディーン』でアニメ界に復帰し、サンライズとの関係を築く。
続く東映制作の『超電磁ロボ コン・バトラーV』『超電磁マシーン ボルテスV』『闘将ダイモス』は「長浜ロマンロボシリーズ」と呼ばれ、『巨人の星』と並ぶ代表作となっている。
『未来ロボ ダルタニアス』も延長線上にある作品だが『ベルサイユのばら』への参加の為に途中降板し、古巣の東京ムービーに復帰するも、演出の方針の対立が原因で、そちらも途中降板した。
フランスとの合作『宇宙伝説ユリシーズ31』の製作中に劇症肝炎の発症により急逝、これが遺作となった。
長浜ロマンロボシリーズ
主人公(とその仲間達)が合体ロボットや変形ロボットに乗り、地球を侵略する異星人と戦うという筋立てのスーパーロボット系アニメ。
全ての作品において、敵の首領役を市川治が、ヒロイン役を上田みゆきが演じている。戦闘シーンで繰り出される必殺技や、殺陣師の指導を参考にしたアクション演出が見せ場である。
「ロマンロボ」と称される由縁は、総監督の長浜が導入した大河ドラマ的な演出にあった。
長浜は従来のロボットアニメにみられる勧善懲悪パターンから脱し、異星人側の地球を侵略する理由を描いて主客(善悪)の相対化を行った。
視聴対象である小学校低学年には難解な面もあったが、敵味方のキャラクターが織りなす愛憎・血縁・宿命など深みのある人間ドラマは、既にロボットアニメを卒業していた世代を引きつけた。
その結果アニメブームを牽引するヤングアダルト層のファンを開拓することになった。お約束を守りつつも高いドラマ性を作品に織り込んだ事から、「ガンダムの出現を準備した男」とも言われている。
またシリーズの特色として、侵略軍の司令官である美形の男性キャラクターの存在も挙げられる。長浜が富野由悠季に代わり後半から担当した『勇者ライディーン』のプリンス・シャーキン、
『超電磁ロボ コン・バトラーV』→大将軍ガルーダ
『超電磁マシーン ボルテスV』 →プリンス・ハイネル
『闘将ダイモス』 →リヒテル提督
と続く系統のキャラクターは何れも高貴な身分に生まれ、種族の誇りをかけて地球人と戦い、数奇な運命に翻弄されながら散っていく。
その悲劇性と金山明博ら(ただし『超電磁ロボ コン・バトラーV』のみ安彦良和が坦当)のキャラデザインにより、女性アニメファンの支持を集め、市川治の人気も高まった(『未来ロボ ダルタニアス』のクロッペンは中年ではあるが彼も市川が演じている)。
漫画家・長谷川裕一
長谷川裕一は日本の漫画家である。
1961年、千葉県佐原市に生まれる。プロデビューは1983年「魔夏の戦士」。
プロになったのは20代前半だが、それ以前から自主制作アニメや同人等で創作活動は行っていた。作品としてはSF・ファンタジー・ヒーロー・ロボット等を盛り込んだ作品が多く、その他アニメのコミカライズや往年のロボットアニメの漫画による続編を描くことも多い。
オタクがそのまま創作する側になったような人物で、オタクとしては特撮やロボットアニメ、SFやファンタジーに精通している。
漫画家の岡昌平からは「宮崎駿、藤子・F・不二雄に次いで日本で3番目にスケベな漫画家」と評された。また、岡田斗司夫は「日本で2番目にオタクの心が分かっている漫画家」と評した。
小学館の依頼で『ドラえもん』の道具の内部図解をアルバイトで担当し、今ではそれがそのまま公式設定とされている。
執筆速度が早く、月刊誌の連載を二本抱えつつ月一のペースで描き下ろしコミックスを発行するというハイペースな仕事をこなしたこともある。
反面絵に癖があり(線が粗めで「古い絵柄」と言われることもある)、人によっては絵だけで拒否されることも。
また、何故か女性の登場人物を脱がしたがる。本人曰くいつの間にか脱げているそうな。流石は、スケベ度三番目の男。とはいえ、その絵のせいであまりエロく感じない人も多いのでは。
SF大会の常連だったり、今は亡きテレビ番組「TVチャンピオン」の特撮関係の企画に挑戦者として参加し、見事に特撮怪獣チャンピオンになっている。
いや、何してるんだ、先生(笑)。
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