COIL #04-6

Cross Over Is Like #04

2022年8月     好きなクロスオーバー作品をご紹介         愛及屋烏

の軌跡 & の軌跡Ⅰ・Ⅱ

Continuation from last page. 04-5

の軌跡 あらすじ

クロスベル自治州。
エレボニア帝国とカルバード共和国に挟まれ、大陸有数の貿易・金融都市として発展してきたこの自治州は、とある狂信的な宗教団が引き起こした事件によって危機を迎えた。

マフィアの抗争すら巻き込んだその事件は、謎の薬物「グノーシス」で警備隊が操られたことにより絶望的な状況に陥ったが、警察に設立された「特務支援課」などの活躍で無事解決され、平和を取り戻した。

特務支援課が保護した少女『キーア』を『巫女』と呼び、その身柄を狙った教団の狙いこそ阻止したものの彼女の来歴には謎が残った。

教団やマフィアと関係していた帝国派・共和国派議員たちも一掃され、
新たな市長を迎えたクロスベルの未来は明るいかと思われたが、
激動の時代を迎えたゼムリア大陸において、それは一時の安息に過ぎなかった。

高まりつつある帝国・共和国からの干渉と圧力。
大陸全土を巻き込みかねないような”動乱”の兆し。
最強の猟兵《赤い星座》と、東方系シンジケート《黒月(ヘイユエ)》、
そして謎の結社《身喰らう蛇(ウロボロス)》。

全ての導火線がクロスベルに集まる中、太古の時代へと遡る真実と、
解き明かされなかった数々の謎の真相が、明かされようとしていた。

各国首脳を招いて行われる、西ゼムリア通商会議。                                 初日こそ、経済面での有意義な会議が行われた。                                  しかし、教団事件におけるクロスベルの安全保障能力の不備を指摘する二大国。 

そんな中、議場たるオルキスタワーを襲撃する帝国・共和国のテロ組織。                                    通商会議でのテロ組織を壊滅させたのは事前に伏せられた両国の手勢だった。            敢えて自国内の反抗勢力を国際会議の場に誘引し、クロスベルには対応する能力がないと示す、両国は歩調を合わせてクロスベル自治州へ圧力を掛けた。

しかし、クロイス市長は首脳たちの目前でクロスベル自治州の独立構想を宣言。

二大国も取り合わないような絵空事かに思われた独立構想。            その背を皮肉にも押したのは、通商会議にて帝国と契約をしていた《赤い星座》による鉱山町の占拠とクロスベル市への襲撃という危機だった。

多くの被害によって市民感情が反帝国へと流れる中、その意思を問う住民投票が行われ、クロスベルの想いは独立へと向かう。

本来、政治的な決定力を持たない筈のそれを背景にした独立国の建国、クロイス市長の大統領就任。そしてIBC(クロスベル国際銀行)による、両国への資産の凍結。それによる両国からの武力による報復は確実と思われた。

そんな中、一人、支援課から姿を消したキーア。

一連の事件の背後にあった黒幕の『狙い』に迫る特務支援課の前に立ちふさがるのは突然、遊撃士協会に辞表を出し、国防長官へと就任したクロスベルの守護神たる『風の剣聖』アリオス・マクレインだった。

奮戦するも膝をつく支援課4人の前で、帝国・共和国の侵攻が告げられる。

クロスベルの虚ろなる“幻”をもって帝国の“焔”を呼び起こす

クロスベル近郊に存在する遺跡群に設置された古代遺物(アーティファクト)たる三つの『鐘〈ベル〉』。

結社の人員によって、起動されたそれは共鳴し、導力ネット網を利用し、七曜脈の力を束ね、運命の地で交差〈クロス〉した。

その力の行き先は、たった一人の少女・キーアだった。

かつて、クロスベルの地にあり、すでに失われた『幻の至宝《虚なる神》(デミウルゴス)』を人工的に再現する『零の至宝』の巫女として覚醒するキーア。

彼女から至宝の力を受け、結社から提供された巨大人型兵器『神機』の蒼と紫の二機が帝国・共和国の侵攻軍を圧倒的な力で殲滅する。

帝国側・ガレリア要塞はクロスベルを射程に収める列車砲を放つも、巫女による市全体を覆う結界の前に防がれ、二射目の前に白の神機の空間操作により、要塞ごと削り取られた。

至宝の力を背景にした歪なる独立。それが他国に与えた影響は大きかった。

帝国では鉄血宰相の暗殺、そして内乱。                                      共和国では経済恐慌と民族テロ。

一方、剣聖に敗れ、警備隊から再編された国防軍によって、囚われの身となった特務支援課メンバー。

偽りの楽土を越えて、彼らは『本当のクロスベルの正義』を示せるのか。

の軌跡Ⅱ あらすじ

侵攻軍の潰滅とガレリア要塞の消失。                                               それを受けての政府から帝国全土への演説。

そこで、クロスベルへの報復を先導する鉄血宰相。

改革派と貴族派、総力を結集してのクロスベル侵攻を求める、その瞬間――

その一発の銃声が、帝国の運命を変えた。

鉄血宰相、ギリアス・オズボーンの狙撃に端を発する、
カイエン公爵の束ねる《貴族連合》による帝都ヘイムダルの占領――

そして出現する巨大飛行戦艦《パンタグリュエル》と、
《機甲兵》と呼ばれる機械仕掛けの人型兵器の大部隊によって
エレボニア帝国内の勢力図は完全に変わり、全土を巻き込む内戦が始まった。

圧倒的な物量と新兵器でエレボニア各地を次々と制圧していく貴族連合軍。
高い練度の兵士と機甲師団で食い下がる帝国正規軍。

巨大帝国エレボニアで始まった内戦は、
予想よりも遥かに激甚となり、いつ終わるとも知れぬ予感に
人々は戦慄き、無力さに打ちひしがれるのだった。

そんな中――
トールズ士官学院、特科クラス《Ⅶ組》に所属する
リィン・シュバルツァーは、荒涼とした山岳地帯で目覚める。

傍らには人語を喋る黒猫、そして灰色の巨大な“騎士”がおり・・・

《Ⅶ組》の級友たち――共に数多の試練を潜り抜けた、
掛け替えのない仲間たちの姿はどこにも見当たらなかった。

――意識が途切れる前に聞いた、
仲間たちの別れの言葉と、自分自身の慟哭と絶叫・・・

迫りくる蒼い影と、絶望的な戦いの始まった地上の光景が、
リィンの脳裏に残酷なほど鮮やかに浮かび上がる。

「・・・みんなは無事なのか・・・」

「とにかく学院に戻らないと――!」

黒猫の静止を振りきり、灰色の巨大な影を無視するように
覚束ない足取りで山岳地帯を下り始めるリィン。

それが―――
   激動の日々と、全ての終わりの始まりだった。

クロスオーバーエピソード

外伝 クロスベル占領

内戦はリィン達《Ⅶ組》と多くの協力者によって終結を迎えたが、帝国の運命はオズボーン達の手に委ねられてしまう。

貴族連合の参謀総長でありながら、その実『鉄血の子供達』の筆頭として貴族派の勢力を削ぐために暗躍していたルーファス・アルバレア。

死んだとされていたにも関わらず、平然と姿を現したギリアス・オズボーン。

そして、内戦終結から2ヵ月後──
舞台は、予想を上回る早さで帝国軍に無血占領されたクロスベル自治州。                       隣国カルバート共和国は帝国の領土拡大を阻止する為、クロスベルへ戦力を投入してきた。

この時、リィンもまた《灰色の騎士》としてクロスベル防衛に参加していたのだった。そんな激動の中、新総督府オルキスタワーにて新たな“支配者”による演説が行われた。

オズボーン宰相からの任命で、初代クロスベル総督としてルーファス・アルバレアが就任。帝国領クロスベル州となる事を高らかに宣言するのだった。                               故郷から奪われる自由……この強大な“壁”を乗り越える為、密かに足掻き続ける者達がいた。

クロスベル警察の捜査官──ロイド・バニングス。                             そして劇団のアーティストであり伝説の凶手《銀(イン)》──リーシャ・マオ。

2人は、クロスベルの機密情報を帝国軍から死守すべく地下へ潜入する。

市内の地下に潜入したロイド達は、《導力ネット》中枢で情報を抜き取ると《初期化ユニット》を設置した。

あとは完了を待つばかり。そう安堵した瞬間、背後から声がかかる。                     黒髪の青年と黒衣の少女が、出口を塞ぐように立っていた。

彼らは《要請オーダー》によってロイド達の行動を阻止しに来たのだった。                            初期化完了までの時間を稼ぐ為、一歩も引かずに凌ぐロイド達。                          対する相手の消耗は少ない様子だった。

やがて陰の気を放ち始めた青年。尋常ではない力を感じて身構えた時──

《初期化ユニット》の作業完了を伝えるアラームが鳴り響いた。                               黒髪の青年は、プランを変更したように動き始めた。

青年の呼び声に応え、巨大な機体が出現する。慣れた様子で乗りこむと、圧倒的な太刀の一閃で中枢の端末を破壊してしまった。

次元の違う強さのその機体は、今なお退路を塞いでいる。ところが……

今回は“痛みわけ”ということにしておきましょう

選択の余地の無いロイド達は、唇を噛みしめ端末室に背を向ける。                      ロイドは去り際に立ち止まると、黒髪の青年へ尋ねた。

俺はロイド・バニングス──クロスベル警察の捜査官だ。』                   『君の名前は?

《トールズ士官学院》VII組所属、いや──』                                『クロスベル総督府臨時武官、リィン・シュバルツァー。

……走り去る2人を見届け、リィンは依頼主のレクター特務大尉へ要請の失敗を報告した。ロイド達を知っている風のレクターは、咎める事も無く了承。

未来を信じて突き進むロイド達の姿に羨ましさを感じつつ、リィンはクロスベルを去るのだった。

後述(感想)

碧の軌跡クリア後、帝国に占領された事が告げられ、数年後に解放が成った事がイラストと共に端的に語られるが、その経緯や詳細は不明だった。               そこで鉄血宰相の生存も描写されているので、閃Ⅰラストでの狙撃された時でも『いやいやどーせ生きてるんだろ』とシリーズプレイヤー的には周知だった。

なので、閃Ⅱの復活劇自体も既定路線だったのだが、そこで複数の真実が発覚し、プレイヤーを混乱と絶望に突き落とした。

そして、卒業式風味の死別系のED曲――おのれ、ファルコム、また「気になる終わり方戦法」やりやがった――と思いきや、始まる外伝とエピローグ。

かつてのホームへの侵略に今まで使っていた主人公が加担させられている現状。

クロスベルが、あのキャラが3D化してる!と喜んではみるが帝国に完全に占領され、特務支援課の分署ビルも監視され、封鎖されているのだ。

が、始まる『閃の軌跡』のゲーム仕様の『碧の軌跡』メンバーを使った探索。     その衣装、3D化するとキワどくね?とか煩悩を刺激されながらも楽しんでいると立ちふさがる今作主人公。

すっかり前作主人公のロイドに気持ちが戻った所で、この仕打ち、エグイ。

仲間と共に現状に抗う、ロイド。

仲間と引き剝がされ、政府の要請に従う、リィン。

状況の対比も絶妙で、この邂逅が続くシリーズでの熱いドラマに繋がった。

特務支援課メンバーのランドルフが帝国軍のクロスベル方面隊に組み込まれた後、新設されるトールズ分校の教官として出向になり、リィンと同僚に。

ロイドの警察学校の後輩であるユウナ・クロフォードがトールズの生徒となり、リィンの担当クラス新Ⅶ組の生徒となった。

彼女は大戦へ向かう世界の中、気高い成長を遂げ、クロスベルと帝国のより良い未来を願い、新旧Ⅶ組に限らない――英雄達の新たなる『重心』となった。

閃Ⅳのオールスターっぷりは見事で、主人公達の邂逅シーンと敵の迎撃シーンでのリィンとロイドが共同で指揮を執るシーンはファン感涙モノだった。

閃シリーズ完結となる閃Ⅳでの最終戦は、ちょっと総力戦過ぎる総力戦を体験できる。

END.

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愛及屋烏

ゲーム好き、小説好き、アニメ好き、三役揃いの物書きの端くれ。 ピンチに陥っても、それはそれで気楽にやるタイプ。 ●好きな言葉:続編・クロスオーバー・オールスター・アンサーソング・データ引継ぎ ●好きなゲーム:DQ・軌跡&イース・スパロボ・ゼルダ・神宮寺・逆裁・ラチェクラ ●好きなサブカル:ロボ全般・特撮全般・少、青年誌系 ●好きなドラマ:科捜研・相棒・CSI・キャッスル・十津川警部・赤い霊柩車 ●利用ソシャゲ:へプバン・ギアスロススト・Dr.STバトクラ・シンフォギアXD・スパロボDD・うたわれLF・ギター少女・勇者の飯 ●経歴:宮城出身、30代、なろう出版経験有 ●現在:脳梗塞療養にともないリハビリ&失業中

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