Cross Over Is Like #05
2022年8月 好きなクロスオーバー作品をご紹介 愛及屋烏
名探偵コナン&金田一少年の事件簿
めぐりあう2人の名探偵
前述
①商業的テコ入れ
各ストーリーのキャラクターの共演によって、話題を呼び、不人気なシリーズに人気キャラクターを登場させて売上げを増やす、多くの巻数を必要とする複雑で雄大なストーリーを短い期間で展開できる、マンネリ防止等のメリットがある。
②オールスター物
巻数が最初から決定された新しいタイトルを作って、そこに既成のシリーズキャラクターを多数投入する「オールスター物」、あるシリーズに他のシリーズのキャラクターが登場するが、ストーリーの受け渡しがないカメオ出演や特別出演も、しばしばクロスオーバーと呼ばれる。
③世界観内共演
また、異なる主人公の物語同士が、同一世界、同一時間軸にあることを、作中で匂わされたりまた明示された場合、これもクロスオーバーと呼ぶことがある。
基本、マガジン・サンデー間の①だが推理物という同ジャンルの②でもあるし、この作品によって③が提示されたとも言える。
自叙
マガジン×サンデーの合作企画は多かったが、両誌の看板漫画であり、同じ推理漫画ジャンルという共通点を持つ人気作の単独コラボは初めてだった。
めぐりあう二人の死神と揶揄される、被害者数と事件規模はファンの語り草。 大まかな事件の傾向としては、動機が金田一寄りでトリックがコナン寄り。
子供向けに作られているので推理の難易度は低い。 それに対し、爆弾解除系イライラ棒のミニゲームは鬼の様に難しいが。
めぐりあう2人の名探偵
「名探偵コナン&金田一少年の事件簿 めぐりあう2人の名探偵」とは、バンダイナムコゲームスより2009年2月4日発売のニンテンドーDSの推理ADVゲーム。
「週刊少年サンデー」と「週刊少年マガジン」の創刊50周年企画の一環として制作された。
シナリオは後に「ダンガンロンパ」シリーズを手がける小高和剛氏が担当した。
主人公はもちろん名探偵であるコナンと金田一の2人であり、各章ごとに視点が切り替わり各々で事件を解決していくことになる。
怪しい場所を調べ証拠や証言を集めていき「キーワードミックス」によって事件の核心にせまっていくというもの。
要所要所にミニゲームが挟まれることもあり一部以外の難易度はそれなり。
最終章のみ、どちらの主人公を使うか選択する形式になっており、どちらを選んだかによって終盤の展開が異なる。 その部分の事件・トリックが別物(被害者自体は同じ)になり、ラストでそれぞれ因縁のある犯人を相手に解決編、というだけだが。
ちなみに金田一ルートだとコナンの正体は金田一にバレる。
特筆すべきは事件に巻き込まれた方々……つまり被害者の数は総勢なんと14名(名前が判明しているだけでも)。
死神という名の探偵と探偵が出会い、これだけの被害が出てしまったにも関わらず、殺害方法等の関係でCEROはAだったりする。逆にそこが金田一寄りだった場合、Aで済まないのは想像に難くないが。
ゲーム内の二作品は平等に扱われているだけでなくそれぞれのキャラにも見せ場があり違和感なくクロスオーバーしてる所やストーリーの評価は高い。
「旅に出てたと思ったら、急に連絡して来た」という美雪・剣持との序盤の会話から、金田一はコミックスのⅠ期終了後の失踪中のエピソードであると分かる。
(知り合いから五百円カンパを集め、美雪にキスをした後、自転車で旅に出た時。)
地獄の傀儡子・高遠から伝えられた『事件が起き得る場所』を巡る旅の途中に帰ったと思えば被害者二桁越えの事件に遭遇した事になるが――シャレにならない。
あらすじ
かつて炭鉱の島として栄えた「夕闇島」
炭鉱から金塊が発掘され、それが切っ掛けで島はレジャー開発や観光地としてにぎわっていき発展ていった。しかし最近では突然人が消えてしまう「神隠し」が起きており、数日後に神隠しから戻ってきた者は「もう一つの夕闇島」を見たと言う。
コナンサイドでは阿笠博士が友人からチケットを譲り受け、皆で観光に行こうと言う事になったが当初は乗り気でなかったコナンも島で神隠しが起こると言う噂を聞きその謎を解き明かすため「夕闇島」へ向かうことにした。
金田一サイドでは中学時代の同級生であった「鳥羽美佐」から手紙が届き、その手紙には「夕闇島で恐ろしいことが起こる」とあった。彼女から真意を尋ねる為にも共に送られてきたチケットで警部と幼馴染連れ、夕闇島へ向かう。
奇しくも同じフェリーに乗り合わせた江戸川コナンと金田一一。
船内ですれ違い、一瞬の邂逅を果たした二人。
コナンは金田一の眼差しに探偵の観察眼を感じ、 金田一はコナンに小学生らしからぬものを覚えていた。
「神隠し」「25年前の惨劇」「連続爆弾事件」「もう一つの夕闇島」
二人の探偵はこの夕闇島の謎を解き明かすことが出来るだろうか。
後述
有名タイトルなので両作品の概要の紹介、このゲーム自体がクロスオーバー作品なので改めてエピソードを紹介はしない。
だが、特に面白い箇所を紹介すると「金田一、少年探偵団に振り回される」というクロスらしい話と「明智警視、普通に爆弾解体するコナンの優秀さに幼少期の自分を重ねる」という遠回しのナルシスト的な自画自賛馬鹿エピソード。 最後に「コナン、眠らせる探偵役に美雪を選ぶ」という、冷静に考えると普段からヤバいことやってるんだな、と思い知る話。
ルパンVSコナンの際に象でも眠る麻酔と発覚したのだが、比較的被害の少ない、園子は兎も角、小五郎のオッちゃんには障害が残りそうなモノだ。 逆に麻酔から直ぐに目を覚ます銭形警部が可笑しい、という話ではあるが。
END.