Cross Over Is Like #07
2022年9月 好きなクロスオーバー作品をご紹介 愛及屋烏
牟田刑事官VS牛尾刑事VS事件記者冴子
Continuation from last page. 07-1 https://no-value.jp/novel/28283/
終着駅シリーズ
『終着駅シリーズ』は、1990年から2021年まで、テレビ朝日系で放送されていた刑事ドラマシリーズ。
主人公の牛尾刑事は、第1作から第4作までは露口茂で、第5作から片岡鶴太郎が演じている。監督は第1作から一貫して池広一夫が務めている。
原作は森村誠一著の推理小説シリーズである『牛尾刑事・事件簿』シリーズ。
放送枠は土曜ワイド劇場、土曜プライム、日曜ワイド、日曜プライム。第36作以降は不定期に特番として、放送されていた。
だが、テレビ朝日が2022年をもって不定期で放送されていた2時間サスペンス自体が打ち切りが決定したため第37作で終了となった。
主人公・牛尾正直が原作に初めて登場したのは1987年1月刊行の「駅」。
2018年は「牛尾刑事誕生30周年」。テレビドラマ版では1990年の「終列車」から始まり、「終着駅の牛尾刑事VS事件記者・冴子」シリーズと合わせると2019年の「荒野の証明」が登場50回記念作となった。
原作者の森村誠一によれば、牛尾は森村がホテルマンとして働いていた時に知り合った実在の元刑事がモデルになっているという。牛尾が所属する所轄署は「警視庁 新宿西警察署」だが、最初期は「警視庁 西新宿警察署」だった。
鴛鴦夫婦なモーさん
牛尾は基本、足を使い地道に捜査と証拠を積み重ねるタイプの実直な刑事。
だが、事件自体が「どうしてそうなった?」という複雑な様相を呈す事も多く、そんな時は荒唐無稽とも取れる『仮説』をひらめき、言わば本筋の捜査方針から外れて単独で仮説の検証を行う。
他署の刑事や民間人と協力関係を結ぶ事も多く、一期一会の人との出会いを大事にするタイプの良識人であり交友関係は広い。 親しい友人や同僚からは「モーさん」と呼ばれる。
一時の偶然の出会いが後の事件の呼び水になる事もある。
行きつけの喫茶店の常連が総出で牛尾の捜査に協力した事もあった。 ※『砂漠の喫茶店』 知り合いの職種や年代は幅は広く、例えばジョージと呼ばれる顔見知りのオカマのホームレスも居て、頻繁に出演する。
毎晩、妻の澄枝を相手に晩酌しながら事件を考察するのがお約束で、妻との会話の中で事件へのヒントを見出す事も多い。
その澄枝は、岡江久美子が演じていたが、2020年4月23日に新型コロナウイルスへの感染によって逝去してしまった。
ドラマ第9作の「駅」では牛尾家に下宿していた澄枝の姪が、信州に研究旅行に行ったまま失踪。彼女の身を案じ、毎日のように駅に向かう姿は間違いなく名演だった。しかしながら、訃報が入り、結局は夫の仕事の領分になってしまった。
本シリーズは後任の役者を一切立てない方針を取り、実質の最終作である第37作では既に故人の設定になっており、過去の出演シーンを回想として流す措置を取った。
第37作のエンディング間近に牛尾のナレーションにて半年前に死去したことが語られたが、死因については劇中では語られなかった。
後述
十津川警部であれば、局による配役の違いや主要キャストの世代交代があった為にシリーズ自体が終わる事は無かったが、牟田刑事官は主役が、牛尾刑事は文字通りの女房役が逝去してしまった。
番組の枠自体も無くなり、復活はまず不可能だろう。 だからこそ、スカパー等で再放送されやすい面白さの『質』を備えている作品で良かったとも思うのだ。
END.