始めに
今回のコラムは小児科、小児外科とNICU「新生児集中治療室」の事をお伝えします。
看護師の方、今目指してる方、進路に悩まれている方にもお読みいただけると嬉しいです。
小児科
小児科は、赤ちゃんから18才までの子どもが来る病院の事を言います。小児科に行くといろいろな子どもたちがいます。大声で泣いてる子。熱で苦しむ子も、全身アトピーな人もいます。 他にもいろいろな症状があります。大きな病気になると入院になる場合もあります。
色んな病気で戦っている子どもがいます。 治療をしている子、手術をして管をして寝たきりの子もいます。苦しいなかで病気と戦っているなんてすごいですね。
小児外科
皆さんは小児外科という科があることを知っていますか。
小児科、新生児科が子どもの内科であるのに対し小児外科は子どもの外科です。子どものからだは発育の途上にあり、発育に伴って、機能も変化していきます。こどもの整理、疾患と病態、治療に専門知識をもった外科医が、小児外科です。
小児外科では新生児から15才までの小児の主に手術を必要とする病気を担当します。
対象疾患は、小児の一般外科、呼吸器疾患、消化器疾患、泌尿器疾患と多岐にわたりますが、大まかにまとめると次の三つになります。
1、小児一般外科:鼠径ヘルニア急虫垂炎などの日常的な外科疾患の治療。
2、新生児外科疾患:先天性食道閉鎖症や横隔膜ヘルニア、鎖肛など、生まれつき消化管や呼吸器に異常がある新生児の治療。
3、小児固形腫瘍:神経芽腫や肝芽腫、卵巣腫瘍など、小児の主に胸や腹部に出来る悪性腫瘍の治療。
そこで次に子どもの心臓病について紹介します。
生まれたとき、心臓に何らかの異常がある人は100人に1人いると言われています。自然に治ってしまうほど軽い人も入れば、何回か手術をしなければならない人、心臓に負担をかけないように運動を制限してる人、残念ながら完全な治療が出来ない人、様々な人がいます。
生まれた後に心臓病を罹る人もいます。ずっと薬を飲み続けたり、運動制限で済む軽症の人も入れば、外科手術やペースメーカーという心臓の働きを助ける器械を装着する重症な人もいます。心臓移植が唯一の治療という重症の人もいます。
心臓病の人は症状が出なければ普通の人と見た目は変わりません。しかし、症状が出ないよう、運動や日常生活に制限をかけて、自分で病気と調節しながら社会の中で懸命に生きています。特に心臓病を持つ子どもは、他の子どもと同じように遊ぶ事や登校する事ができないこともあり、心に痛みを感じながら生活をしています。子どもの心臓病は大きく分けて三つタイプがあります。
①生まれつき心臓の形と機能に異常がある「先天性疾患」
②主に乳幼児に発熱と発疹発疹で始まり、心臓の冠動脈に病変を残す「川崎病」
③学校健診で見つかる「不整脈」や「心筋症」
先に述べたように、およそ100人に1人は、生まれたときに心臓に何らかの病気を持っています。生まれたときから心臓にある病気を先天性疾患と読んでいます。
原因は多くの因子が複雑に影響を起こしており、特定できないことがほとんどです。遺伝的な要因もありますが、90%以上が種々の環境因子が組み合わせされた結果によるといわれています。多くの場合、原因は不明と考えてよいでしょう。
この30年ほど、100人に1人という確率は変化しておらず、生活環境や社会の様相の変化とは関係がなく、生命の誕生過程で起こるわずかな変化が臓器の発育と形成に異常を及ぼすと考えています。
しかし、この100人に1人という数学は、元気に生まれてきた赤ちゃんの数です。彼らは生きる力があった生まれてきたのです。(つまり出生できず亡くなる胎児もいるということです)
先天性疾患は大きく分けて、心臓に穴が開いていて大量の血液が心臓と肺の間を外回りするために心臓や肺に負担がかかる場合(非チアノーゼ性心疾患)と、②酸素の少ない赤黒い静脈瘤の血液が心臓の穴を通して大動脈から全身を流すために唇や手足が黄色になる場合(非チアノーゼ性心疾患)になります。
非チアノーゼでは、赤ちゃんの呼吸が速く苦しそうになり、汗をたくさんかき、ミルクがあまり飲めず、体重が増えない、などの心不全の症状が出てきます。風邪を引くと呼吸状態がさらに悪くなります。
チアノーゼ性心疾患では、体重の増加は比較的によいのですが、泣いたり、息んだり、熱を出したりすると全身が紫色になり、 危険な状態になる事があります。
先天性心疾患には、治療が軽いもの、自然に治癒するものから、すぐに手術が必要なものや難治性の重症なものまで、さまざまな病態があります。
最近、先天性心疾患を胎児のうちに超音波検査(エコー)でも発見出来るようになりました。早ければ20週(5ヶ月)ほどで小さく心臓が見えることから発見されます。多くは、7~8ヶ月になり、胎児の心臓がある程度成長したところで、その大きさや構造をエコーで診察します。これですべてが発見出来るわけではありませんが(70~90%は確認できます)、胎児のうちに心臓の異常が発見出来れば生まれる前から産後の対策を練ることができ、早期に適切な治療ができることから、かなり重症の疾患でも、治療・救命できるよになりました。
また、心房中隔欠損症などは、小さい頃は症状がなく、成長して心臓が大きくなり、運動をして活動量が増えたりしたときは症状がでて、発見される場合もあります。学童健診で初め
心房中隔欠損症が見つかる事も多く、60〜70歳すぎてからようやく症状が出る人や気づかないまま天寿を全うする人もいます。
診断が病状が把握のために、問診・診察の他、胸部X線、心電図・心エコー・心臓カテーテル検査・CT検査・MRI検査・血液検査、などが行われます。
現在、子どもの心臓病手術の危険率はおよそ3~4%と言われています。重症だと約30%、軽ければ1%以下の死亡率です。世界で初めて心臓手術が行われたのが1950年代ですから、まだ50年ほどの歴史しかありません。当初はよい器具や薬もありませんでしたが、ここ25年ほどでよい手術器具や強心薬が開発され、また、手術の技術も向上して、飛躍的に成功率が上がりました。特に単心室、肺動脈弁閉鎖、三尖弁閉鎖、左室低形成など十分に機能する心室が一つしかない重症な先天性心疾患に対し「フォンタン型手術」(図)広く普及して、その救命率が大きく向上しています。
早期に発見することができて、適切な時期に適切な治療を行えば、多くが救命することができます。複雑で重症の心疾患な場合は、段階的な手術が必要で、また100%
QOLを得ることは難しく、手術後も日常生活に制限が必要になる場合もあります。
なお、心臓手術は再手術ほど危険率が高くなります。一度メスを入れた場合は癒着が出来て、出血も多く手術が難しくなるからです。ですから、心臓手術を数回行っている人は、心臓移植の適応にならない場合もあります。
今、単なる救命医療から生涯にわたりQOLが維持できる治療へと、手術の目標がさらに改善されることを期待されています。
第一部感想
第一部は、小児外科のことやこどものいろいろな病気を調べました。私自身は以前から知っていた病気が大きな病気だった事や、心臓手術の事を調べていくうちに私自身も勉強になりました。今、看護師を目指している方にお読みいただけると嬉しいです。
次の第二部も楽しみしていてください。