TSS #06-3

THRILL SHOCK SUSPENSE #06

2023年3月    変わらない評価を受ける名作推理ADVを紹介    愛及屋烏

THE 推理シリーズ

SIMPLE1500シリーズ Vol.59 THE 推理 IT探偵:18の事件簿

SIMPLE2000シリーズ Vol.17 THE 推理 新たなる20の事件簿

SIMPLE2000シリーズ Vol.67 THE 推理 そして誰もいなくなった

SIMPLE2500シリーズポータブル Vol.3 THE どこでも推理 IT探偵:全68の事件簿

SIMPLE DSシリーズ Vol.47 THE推理 新章2009

Continuation from last page. 06-2 https://no-value.jp/column/37370/

プレイのしやすいPSP移植版

THE どこでも推理 ~IT探偵:全68の事件簿~

過去3作全話が収録された上に新作10話も収録。

ジャンルが推理に変更されているが、内容に変更はない。

少しだけ現場に足を運ぶ話もあるが、ようやくアドベンチャーというレベルでは無い、という事に気付いたと思われる。

1作目はレーティングがCERO:B(12歳以上対象)だったのに対し、1作目を再録している本作のレーティングがCERO:A(全年齢対象)になっているが、内容に変更はない。

新作分はすべて日本ではなくT国での話。

元々声のついていなかった第一作についてもキャラクターボイスが導入され、3作品すべての足並みが揃った。前3作の58話+新作10話で計68話と大ボリュームである。

1話10分程度とはいえここまで多くなると結構な量である。

ちなみに新作部分には主要登場人物である賢作の過去の話(と第一作の事件の裏話)も含まれており、本当の意味でシリーズに一区切りがつく。

『1』~『3』作全てと新作10話を揃えた、The推理シリーズの決定版といえる作品。

据え置き機では出来ないがPSPかPSVITAを持っているなら、こちらを購入するのがおすすめである。

続編・関連作

SIMPLE DSシリーズ Vol.47 THE推理~新章2009〜

2009年3月5日発売。ニンテンドーDS用ソフト。全20話。

舞台は南東京市に戻っている。T国からの帰国後の設定なのか、そもそも無かった事になっているのかは不明。ボイスは一部の台詞が使い回しで「あさめし~」等のみある。

DSに合わせて事件現場を画面をスクロールする必要があり、若干のストレスになる。

傾向として今作では登山等の山関係の事件が多い。

SIMPLE2000シリーズ Vol.43 THE 裁判 ~新米司法官 桃田司の10の裁判ファイル~

THE推理のボスがチラッと登場するスピンオフ。

逆転裁判の流行りを受けて作られたのだが、多少の評価点を除き、クソゲーの範疇である。

裁判の題材が多岐に渡り、逆裁より先に陪審員のシステムを採用していたり、ほぼフルボイスな事は褒められるのだが。

シナリオが雑だったり、裁判周りのゲームシステムの粗が目立つ。

これをプレイするぐらいなら、別のシリーズをやった方が、となる。

名エピソード・一言紹介

推理1 第6話 見分けがつかない

遺産相続に絡んだ、擬人による「なりすまし」の話。

遠地にいる人物が、擬人かどうかを質問だけで判別しないといけない。                                         擬人の存在はゲームの基幹設定なので世界観の把握にもなる。

推理1 第7話 瞳の中

アイドルのマネージャーが殺害され、その容疑者は関係を持っていた担当のアイドル。

愉快犯的なネットの悪戯集団が登場し、彼らが事件に大きく関わる事になる。

推理1 第8話 百人一首心中

賢作が事務所の一員になった時のエピソード。

事件自体も良質だが、PSP版の追加エピソードにて、ガラリと印象の変わる話。

推理2 第13話 最後のひと味

実質、美味しんぼな隅野持ち込みのグルメエピソード。ラーメン屋の息子が暖簾分けに際し、冷やし中華をメニューに加えようとするが、店主の母親が大反対。

母親も過去に冷やし中華をメニューに入れていた、と反論するも母親は「当時、店で出していた冷やし中華を再現する事が出来たら認める」と条件を出して、という話。

最終的に辿り着いたレシピは実に美味しそうである。

推理3 第4話 溺れた魚

マジックショー中に起きた殺人事件。膨張を利用した仕掛けのタイミングが秀逸で事件発生時の現場を調べてもトリックの痕跡が発見されないようになっている。

この事件で容疑者になってしまった依頼人がどう見ても、Fateの凛。

後述

各話が短いのでお手軽にプレイ可能で気に入った特定の話だけを再プレイ、というのも出来る。

独特の世界観は楽しいが、劇中の「擬人」が現代では、ほぼ技術的に確立されているのが時間の流れを感じる。

本格的な推理となるとTHE鑑識官の方が歯応えがあるのでそちらは次回。

END.

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愛及屋烏

ゲーム好き、小説好き、アニメ好き、三役揃いの物書きの端くれ。 ピンチに陥っても、それはそれで気楽にやるタイプ。 ●好きな言葉:続編・クロスオーバー・オールスター・アンサーソング・データ引継ぎ ●好きなゲーム:DQ・軌跡&イース・スパロボ・ゼルダ・神宮寺・逆裁・ラチェクラ ●好きなサブカル:ロボ全般・特撮全般・少、青年誌系 ●好きなドラマ:科捜研・相棒・CSI・キャッスル・十津川警部・赤い霊柩車 ●利用ソシャゲ:へプバン・ギアスロススト・Dr.STバトクラ・シンフォギアXD・スパロボDD・うたわれLF・ギター少女・勇者の飯 ●経歴:宮城出身、30代、なろう出版経験有 ●現在:脳梗塞療養にともないリハビリ&失業中

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