SUCCESS NET NOVEL #01
2023年4月 なろう等のネット小説で諸々成功した作品 愛及屋烏
ナイツ&マジック
前述
ネット小説全盛期は過ぎた感はあるが、戸口は広がり、
作品人口は拡大を続け、玉石混合の魔境である。
単純に出版小説としての成功、コミカライズ、アニメ化と成功のポイントは
多岐に渡るが、その中でも特に全局面的に成功した作品を紹介したい。
自叙
ネット小説連載初期から読んでるロボットものの作品を紹介したい。
ナイツ&マジックは、コミックスの出来は圧倒的でアニメも1クールで割と駆け足気味だが、スパロボ参戦まで成し遂げた傑作である。
ロボ系の小説書きの夢を全部叶えている、ネット小説ドリーム的な作品。
概要
『ナイツ&マジック』とは、天酒之瓢による小説作品。 コミカライズ、及びTVアニメ化もされている。
小説家になろうにて2010年より連載が開始された作品。 2023年現在も最新話の執筆が継続され続けている。現状不定期更新。 小説家になろうでのタイトルは、アルファベット表記の「Knight’s & Magic」。
文庫作品としては2013年より、一部の設定(主人公のエルの前世が関西設定等)を変更して、ヒーロー文庫から刊行される。 通常、ライトノベルの表紙は美少女キャラ(+主人公)が基本だが、主人公のエルが連続で表紙を飾り、それを崩した作品。 (エルの見た目はほぼ美少女だし、ある意味でエルにとってのヒロインはロボットだからガッツリ表紙に出てる、とする説もある)
ファンからの略称は「ナイツマ」。
コミカライズ版は2016年4月より、ヤングガンガンにて連載されていた。 全17巻。コミカライズ担当の加藤氏が原作に理解があり、絵が上手くてメカデザインも出来て、本人も熱烈なロボットアニメ好きという、まさに理想的なコミカライズ作品。
TVアニメ版は2017年7月より、全13話にて放送された。ヒーロー文庫初のアニメ化作品でもある。 アニメはヒーロー文庫の出版元である主婦の友社の100周年記念作品としての側面も持つ。
しかし、13話までという制約の中で大西域戦争終結までを映像化したため、展開がかなり駆け足になっている。その為、省略されたエピソードや人物も多く、補完には原作か漫画を読むことを推奨。
ロボットアニメのオマージュも多く、NT空間やらダイジェストロリウェイ、○○が僕を呼ぶ!など、気付くとニヤリとできる物も多い。
書籍化がなされた作品ではあるが、小説家になろう内における書籍化に伴う閲覧制約は受けておらず、2022年現在も全話閲覧可能となっている。
書籍化に伴って、作品を削除する羽目になった自分としては羨ましい話である。
あらすじ
会社の同僚から最終防衛ラインと呼ばれるレベルの凄腕のプログラマーであり、筋金入りのロボット好きである倉田翼。
ある日、倉田は激務後のプラモ買いの帰り、交通事故にて命を落としてしまう。
「ああ…今日買ったプラモも、家に積んであるプラモも、今後発売予定のプラモも、もう作れないのか。…なんという無念!」
しかし、彼はその生前の記憶、つまり天才的な技術と趣味への情熱を持ったまま、別世界で「エルネスティ・エチェバルリア」として生まれ変わった。
ロボットもプラモデルも無い異世界への転生に絶望し、目の死んだ無気力な幼児生活を送っていたエルだったが、その世界には『幻晶騎士(シルエットナイト)』と呼ばれる、対魔獣用の魔法仕掛けのロボットが存在していた。
憧れの存在と出会ったエルは、騎操士(ナイトランナー)となる事を目指し、前世の知識を活用しつつ、魔法の鍛錬に励む日々。鍛錬中に出会った、双子のキッドとアディを弟子として巻き込みながら、成長の日々。 祖父が学園長を務める、ライヒアラ機操士学園に双子共々入学する頃には、圧倒的な魔法の技量を身に着けたエルだったが、既存の幻晶騎士に乗るには、母親似の自分はどうも身長が足りない。
「そうです!僕が変われないなら、他を変えればいいんです!」
「だから、創ればいいんです!」
いっそ、操縦席から自分用の専用機を用意するしか無いのではないか?とアディの言葉で決意したエルは、自分だけの専用の幻晶騎士を造り上げるという夢に向かって、暴走に近い勢いで周囲を巻き込んで突き進むのであった。
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