最近、文房具が「熱い」って知ってる?
あちこちで「文具博覧会」というイベントが開かれると、どこも動員数がすごい。毎年「日本文具大賞」なんてのも発表される。文房具だけの雑誌なんかも出ている。最近は海外から日本に来た観光客の目的地に文房具屋さんがある人も多く、おみやげに日本の文房具をいっぱい買っていく。海外の人たちにも良さがわかられているなんて熱い!もう、日本の文房具は日本食と肩を並べようとしている。(※個人の意見です)
いつも使っていたボールペンが急に調子が悪くなって、翌朝コンビニでテキトーに買っているあなた!せっかく文房具売り場に行ったのに、推しのアイドルのカラーのペンだけ買っているあなたも!思い出せば、学生の頃は新学期にcanpas(コクヨ)のノートは何色にするか、消しゴムはMONO(トンボ鉛筆)か「まとまるくん」(ヒノデワシ)どっちにするか、ペンケースも新しいものに変えるかと、真剣に長時間選んでいたはず。
私は前記「書くこと」を遂行するときに必需品である「文房具」にも同時に昔から興味があり、文房具の検定「文房具知識能力検定」があると知ったときは「私のための資格だ!合格しなければならない!」と、これは使命かと思うぐらい熱くなり、一生懸命に勉強し、無事今年合格した。今、無駄に頭いっぱいの知識が無駄にならないように、どこかで役に立たないかと一人でウキウキしている。
★「文房具知識能力検定」(通称・文具検定)
主催団体:(有)文房具屋さんドットコム
年に1回(4月上旬)、オンライン(PC・スマートフォン)で実施。
年齢、学歴などは関係なく誰でも受験できる。
受験料¥0 ※希望者には有料(税込¥3,300)で合格時に合格証発行。
合格基準は80点以上/100点(40問以上/50問) 制限時間30分
文具の総合メーカーはじめ筆記具、黒板、筆など様々な専門メーカーなどの問題が4択形式で出題。
興味がある人はチャレンジしてみては。
「手紙を書くこと」も好きだ。ある理由で今現在、文通だけの知人がいる。昔会ったことがあると言えばあるという状態で、今の顔は知らない。その人の名前と住所だけ知っている。年に何回かの手紙で、共通の話題で時間差で盛り上がる。ちょっとした疑問を書いて送ると、向こうに届くときにはもう答えが出ているジレンマなんてしょっちゅうだ。
年賀状だけになった人もたくさんいる。いまだに私はその年の干支がかすむぐらいの熱い気持ちを手書きで書いている。ジブリ好きな人にはジブリの切り抜きを張ったり、お笑い好きな人にはそのとき流行っている話題を…。それが「私は相変わらずやっています」という1年に1度の大事な近況報告だと思っている。相手からのちょっとした近況や「元気ですか?」という一言が書いてあるとすごく嬉しい!書かなきゃ伝わらないこともある。私には年賀状じまいなんてまだ遠い話だ。出す相手がいる間は続く。
あなたにも「久しぶりに手紙を書いてみようかな?」と思わせるアイテムを「文具知識能力検定」合格者の自称・文房具ソムリエールの(←言ってみたかった!)私が一部だけど紹介します!
①「ガラスペン」
ガラスペンとは、その名の通りガラスでできたペン先をインクに浸して文字を書く「つけペン」の一種。見た目から海外生まれと思うけれど、意外や意外、日本発祥の筆記具だった!(明治35年、風鈴職人の佐々木定次郎によって考案されたのが始まりといわれている)最近は本屋さんとかで売ってたりTVで取り上げたりしてるので、興味がないという人でもどこかで見たことだけはあるという人もいるはず…文字を書かなくても、いつも使っている机の上に出しておくだけでオシャレ!という理由で買うひともいるとか。
②「シーリングスタンプ」
中世ヨーロッパが起源の、手紙や封筒に封印をするために用いられる文房具のこと。熱で溶かした蝋(ワックス)の上からハンドル(持ち手)の先にあるヘッド(模様が刻まれた部分)を押し当てスタンプになり、大事な手紙が未開封であることの証明にもなる。映画「ハリーポッター」でもハリーが持ってた手紙にも押してあったなぁ。今は手芸店や100円ショップでキットも売っているけど「シーリングスタンプ風シール」なんてのもあるから、これなら初心者も気軽に使える。
③「マスキングテープ」
今や文具女子の定番となったマスキングテープ(文具女子は「マステ」と略して呼ぶ)には、装飾用(文房具)と養生用(家の建築とかに使う)がある。装飾用(文房具)は本屋さんや100円ショップでもデザインも豊富。私はマスキングテープを手紙の封だけじゃなく、懸賞ハガキに使って目立たせたりもした。テープは基本、和紙でできているので、簡単に好きな長さに切って使えるから自分の手帳や日記の余白とかに使ってもかわいい!これも今はシールタイプもあり、プレゼントのラッピングや小さいメッセージカードをとめるときにも使いやすい。
昨今、文房具はコロナ禍でまた関心を集め、テレワーク用の画期的な文房具が発売されたり、フリマアプリの普及で、売りたい商品の写真を撮るときに便利な文房具が出たり、ペンの本体のプラスチックが海洋プラごみなどからできているボールペン(三菱鉛筆・ジェットストリーム)や、廃棄された漁具を使ったペンケース(コクヨ)とかが出たり、環境に配慮し、店頭に売っている新しいペンが入っているケースをプラスチックから紙製にした現代のモノが出たと思ったら、昔から使われている万年筆やガラス瓶に入っているインクなんかも見直されていて、今また売り場が拡大したり、専門店ができたりしている。
(ちなみに「書くこと」の扉の写真の万年筆とインクは父が生前使っていたモノを拝借した。お父さん勝手にごめん!でも、私が撮ったとは思えないほどイイ感じに写ってると思わない?)
形を変えても、昔ほど使わなくなったと言っても、いつの時代も私たちに欠かせない文房具。私も、人とのつながりを保ちつつ、文房具みたいにアップデートし続けていかなきゃな。
私にとっての文房具はいつの間にか、使いたいときに使う道具だけじゃなくて、私の生活を豊かにしてくれる、大事なアイテムたちだった。
今回の記事を書くにあたって憧れのガラスペンを思い切って購入したり(そんなに悩む金額じゃなかったけど…)いつもより文房具売り場を丁寧に見たり、何度も売り場に足を運んだり、なんだか充実していた。笑っちゃうぐらいにいっぱいいっぱいのときに勉強して「文具知識能力検定」を受験して受かったときもそうだ。達成感が確かにあった。私でもできるんだ。
さぁ、また、今日もお気に入りのペンであのひとに手紙を書くという自分の大切な時間だ。