さて皆さまは川沿いを通った際に川の中に大きな魚影を目撃したことが多々あると思います。その魚影の主は主に鯉(コイ)であることが多いです。今回はそんなどこにでもいるといっても過言ではないくらいに生息している生態系の破壊者である鯉について語ろうと思います。またその鯉についてちょっとした事件にも触れようと思うので是非最後までご覧いただけると幸いです。
まず鯉の生態について軽く触れますが、鯉はなんでも食べることで有名で自分より小さな魚やザリガニはもちろん水草や貝類までも彼らの捕食対象です。なぜこのような大食漢である理由は体の中に胃袋がないため常に何かを食べていないと死んでしまうからです。
また、鯉は非常に環境に対して適応する能力が高く水質が汚れているような環境でも平然と生きることができるほか、むしろある程度水が汚い場所のほうが好ましいとも言われています。
この何でも食べるうえに汚れた水の中にも適応しあらゆる生命体を食べつくしてしまうこの怪物は、世界的に見ても驚異的な魚として認知され世界の侵略的外来種ワースト100にランクインする程です。
また、私たちが目にする鯉は日本の固有種ではなく主に中国から輸入された鯉との交雑種であり純粋な日本の固有種は琵琶湖近辺にしか生息していないといわれています。なぜこうなってしまったのか、その理由は平安時代以前から大陸から外来種の鯉を観賞用や食料とするために輸入していたものが野生化してしまったのが大きな要因といえるでしょう。
最後に、私が大きな憤りと悲しみを覚えたニュースとその危険性についてお伝えしましょう。以前何気なくテレビを見ていた時に地元の川をきらびやかにしようと、なんと錦鯉を無許可で川に数十匹も放流したという頭を抱えるような事件がありました。憤りを覚えた理由は上述した鯉の生態もさることながら、たとえ同じ環境に住む生物といえど別の環境から連れてこられた生物は大なり小なり遺伝子が違っており生物の多様性を崩壊させる原因とされます。そうなってしまっては、もはや生き物の多様性は失われ環境は崩壊するでしょう。このような事実がまったく認知されていないことは私はとても悲しいと痛感しました。
以上のことから鯉が生態系の破壊者と呼ばれる所以を語ってきましたが、それと同時に生物や環境の多様性を破滅させることもある事件についても語りました。今後とも様々な生き物を通じてちょっとした小話をさせていただこうと思います。以上アンドルでした。