LATER SEQUELS SERIES #09
2023年10月 後年になって続編orリメイクが作られたシリーズ 愛及屋烏
蒼穹のファフナー(2004年・第一期)
蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT(2005年・前日譚)
蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH(2010年・劇場版)
蒼穹のファフナー EXODUS(2015年・第二期)
蒼穹のファフナー THE BEYOND(2019年・第三期 OVA)
蒼穹のファフナー BEHIND THE LINE(2023年 スピンオフ OVA)
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ファフナー・ノートゥング・モデル
竜宮島(アルヴィス)が開発した、エーギル、ティターンに続く三世代目のファフナーモデル。
世界中が開発に挑むも叶わなかった幻の機体で、ミール周辺の技術を持つアルヴィスのメカニックらによって再設計、開発された。開発者は、近藤綾乃、羽佐間容子、皆城公蔵ら。
「ノートゥング」は、ワーグナーの楽劇「ニーベルングの指輪」に登場する霊剣ノートゥングより由来する。
近藤綾乃の発案により、ティターンでは内蔵型であったジークフリード・システムを撤廃した事によってパイロットの負荷を軽減、外部に統括型のシステムを据える事で、クロッシング機能による指揮系統を維持したまま全長35mと機体の小型化に成功した。
胸部には瀬戸内海ミールの欠片であるコアを搭載するブロックが設けられている。これによって高い対同化・読心能力を発揮する。
しかしながら読心対策として通信機能が乏しく、基本的にはアルヴィス内部のCDC(戦闘指揮所)としか無線通信ができない。ノートゥング・モデルはジークフリード・システムを介することで交信が可能となるが、コア非搭載型の人類軍ファフナーとは有線ケーブルによる接続によってしか通信ができない。
コア搭載機であり、ジークフリード・システムが採用されているため、パイロットはフェストゥム因子を保有する事が必須となっている。また、搭乗すると眼(光彩)が赤色に変わる。
ノートゥング・モデルには「変性意識」と呼ばれる独自のシステムが採用されている。
搭乗時は普段とは異なる思考の変化が多くの場合発生する。本性が露わになる訳ではないとはいえ、中には別の人格とすら思えるような思考が出る事も。
事前のシミュレーションによって変性意識を把握することによって、パイロットは適切な機体タイプや武装を選択する事が出来る。
コクピットは機体の腰部、人体における子宮に位置する(小説版ではコクピット・ブロックが銀の卵、ファフナーへの搭乗が受胎に例えられた)。
一体化のため、コクピット・ブロックの「ニーベルングの指輪」と接続する際に搭乗者は上腕、脇腹、大腿部に激しい痛みが伴う(シナジェティック・スーツの着用で軽減は可能)。
前モデルでオプション扱いだった海中行動能力を標準で備える。
搭乗し続けるとパイロットの体内のフェストゥム因子が活性化(因子を付与されている場合に限る)し、同化現象が進行して最悪の場合は心が消え、体が結晶と化し砕け散っていなくなる。
ファフナー・ザルヴァートル・モデル マークザイン
日野洋治がミツヒロ・バートランドと共に5年の歳月をかけて、新国連のモルトヴァ基地で造り上げたファフナー。
世界と人類を救済する、ザルヴァートルモデルと呼ばれる機種に属し、ラスボス枠のマークニヒトとは兄弟機とも云える機体。
名前の「ザイン」は、英語でいうexistence/beingに当たるドイツ語の『Sein(存在)』。
マークザインもマークニヒトも、人類がフェストゥムに勝つために生み出された人類軍の切札的存在であるが、
ニヒトの開発コンセプトが『一体でも多く敵を倒す』ことなのに対し、ザインは『一人でも多く味方を生き残らせる』ことが開発コンセプトと、兄弟機ながら設計思想は真逆。
洋治の思想は真壁紅音の「人類とフェストゥムの融合による共存」と共有しており、後に彼女と融合したミョルニアから皆城乙姫を介して、
「フェストゥムの攻撃から人類を守るパターン」としてアルヴィス内のサーバーに転送されている。
機体色はやや薄緑がかった白→白銀。
ボディデザインは基本的に人類軍のグノーシスモデルや竜宮島のノートゥングモデルなどに近い人型。
肩部にはホーミングレーザー発振器や同化ケーブルなど後のニヒトと同型の装備を有しており、翼を広げたようなシルエットを持っていた。
しかし、初陣時にイドゥンを含めた複数のフェストゥムと同化、全てドロドロに溶けた後にコアが単独再生。
色も光沢のある銀白色と曲線の多い、有機的な細身のシルエットに生まれ変わっている。
再生時に背部のスタビライザーを残し武装を失ったものの、以下の能力が付加されている。
- フェストゥムへの同化耐性
- 自己修復能力
- 形状変化能力
- フェストゥムと同じ同化能力
- フェストゥムの攻撃を片手で弾くほど無効化する
- 武器との同化で(この際手首部分が結晶化する)威力を大幅に高める
- 本来同化される側にあるはずのフェストゥムを逆に同化し返して存在を喰う
……という風に、もはやファフナーの枠を超えた別の存在へと変化しており、
遠見千鶴の分析では乙姫と同様に「同化現象を起こしながら個体としての存在を保ち続ける」と評されている。
操縦方式はノートゥングモデルと同じニーベルング・システム、擬似的なものではないシナジェティック・コードによるものだが、ノートゥングモデルを遥かに上回る性能は単独でも竜宮島を護れるほどの戦闘力を誇る。
同化前のマークザインに初めて一騎が搭乗した際に「(ノートゥングに比べ)体の感覚が全然違う……!」と称しているが、これは従来のファフナーが「違う自分」になる、変性する事で操縦が可能になるのに対し、ザインは自分が「違うモノ」にならないと性能を発揮する以前に操縦すら出来ないからである。
また、ノートゥングモデル以上に搭乗者の同化現象をより加速させるというリスクも秘めている。
この対策として機体には通常の三倍ものフェンリル(自爆装置)が積み込んでおり、搭乗者が完全に同化されると自動的に作動、機体を跡形も残さないほど消滅してしまうと言われている。
一騎以外のコードを受け付けないほど同調しているのに対し、剣司らも一度は自分の機体を新国連に改造させて乗り込もうとしたほどだが、この機体の特異性と危うさを全身で理解した一騎本人から静止されている。
その事実が判明した以降は、本気でザインが暴れると島にも被害が出かねない事と一騎への負担軽減のためにリミッターを付けて運用されることになった。
とはいえ、戦況は苛烈を極め竜宮島からは数々の戦死者を生み出していき、一騎もまた幾度と無く身体を蝕まれ半身不随の状態となり、遂には失明しかけたうえ一年にも及ぶ昏睡状態に陥っている。
一期中はフルスペック状態だが、劇場版では性能にリミッターがかけられている。
ファフナー・ザルヴァートル・モデル マークニヒト
人類軍に所属したミツヒロ・バートランドが日野洋治と共に作り上げたファフナーであり、ザルヴァートルモデルと呼ばれる機種に属する。
同じザルヴァートルモデルであるマークザインとは兄弟機とも云える機体。
名前の「ニヒト」は、英語でいうnotに当たるドイツ語の「nicht(否定)」。
機体色は黒。
ボディデザインは基本的にザインと同じであり、ノートゥングモデルなどに近い構造の人型。
肩部にはホーミングレーザー発振器や同化ケーブルなどザインと同型の装備を有しており、兄弟機としての性質が強い。
しかし、ザインが洋治の「一人でも多くの兵士を生かす」という設計思想に基づいたのに対し、ニヒトはミツヒロの目的である「フェストゥムの殲滅」を反映し「一体でも多くの敵を倒す」という設計思想に基づいて開発されており、そこに込められた思いは真逆の物である。
外観に関しても同型機でありながら装甲色の違いによって、「白い天使」のようなザインと対照的な「黒い悪魔」を思わせる。
竜宮島のファフナー同様、機体の中枢にミールから生み出されるコアの搭載を前提として設計されており、コアの周辺ブロックが永劫伝導回路を形成することで活動制限時間も無くなっている。
ところが肝心のコアについて『DA』時点の人類軍には自力での入手手段が無く、完成させることが出来ずにいた。(先に完成したザインもコアはマークエルフの物を移植している)
そこでミツヒロは戦闘で海中に没していたマークフィアーの機体を勝手にサルベージし、取り出したコアを移植することで完成に漕ぎ着けた。
これに伴い竜宮島のミール由来の因子を持つパイロットにしか操縦出来なくなってしまったため、ミツヒロは当初自分の娘である遠見真矢を島から連れ出し搭乗させるつもりでいたが諸々の事情で失敗。
結果、人類軍側に残っていた狩谷由紀恵をパイロットに据えることになった。
ただしニヒト自体が高いシナジェティック・コードの形成率が要求され、由紀恵たちの世代は真矢や一騎たちの世代よりパイロットとしての適性は低く、由紀恵自身も適性が低いうえに既に成人してしまっているなど、決して好条件ではなかった。
実際調整段階においても同意のうえとはいえ致死量ギリギリの投薬を行っていた。
兎も角、最終作戦ヘヴンズドアの期日も近付く中、由紀恵の献身もあってなんとか最終調整を終え、ミツヒロの理想とする決戦兵器としてマークニヒトは完全な物となった。
……と思われた矢先、基地に潜入していたマスター型フェストゥム・イドゥンが機体に同化。
イドゥンはコクピットにいた由紀恵の意識を残したまま同化して体の自由とニヒトのコントロールを奪ったうえ、基地施設を破壊しミツヒロをその手で殺害。
そしてその光景を由紀恵に見せつけ、彼女を彼女が抱いた強い「憎しみ」の感情ごと完全に同化。
こうしてマークニヒトはイドゥンに乗っ取られ、対フェストゥム用の決戦兵器から憎しみの器へと変貌してしまった。
イドゥンの同化後は、元来の固定武装や同化能力に加えフェストゥム由来のワームスフィアを使用可能。元々ザインより直接的な戦闘能力を重視したパワー型で頑丈に設計されていたうえに、ルガーランスとロングソードで胴体を貫かれ、至近距離でのフェンリルの起爆を受けても致命傷にならないという、驚異的な耐久力を発揮するようになっている。
背面には飛行ユニットを標準装備しており、単独飛行能力も有している。
なお、機体自体がフェストゥムによる同化を受けているものの、再構築されたザインと違い外観に変化は無い。後に味方になっても弱体化しない、稀有なタイプの敵キャラ(機体)として評価されている。
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