さて今回は、昆虫を取り上げていきますが、見たことはあるけど名前はわからない。そんな昆虫について取り上げて行こうと思いますので是非、ご覧になっていただくと幸いです。それでは、どうぞ。
今回はオオスカシバと呼ばれる蛾(ガ)について紹介します。彼らの特徴は、何といってもその飛行能力です。このオオスカシバは様々な花の蜜を主食としており、都会でも見られることも多いので見つけた方もいるかと思います。そして、その花の蜜を吸う際に一般的なチョウやハチは花に止まって蜜や花粉を食べますが、オオスカシバは何とその場でホバリングをしながら花の蜜を吸います。
この方法はハチドリと呼ばれる鳥類と似ていますが、ハチドリを参考にしたわけではなく、ホバリングの際に発せられる羽音とその目立つ色彩を持つ体表から、捕食者に対する警告のためとされています。実際のところは毒などの外敵に対して抵抗する手段はありませんが、身を守る手段としては及第点です。次にオオスカシバの一生についてになります。
彼らは夏から秋にかけて成虫が発生し、その活動時間帯は日中であり、先ほど記述した通り餌とする花の種類は選びません。ですが、大きさがそこまで大きくないため、蜜を花の奥深くにため込む花にはよることは基本的にはないです。幼虫は早い段階で卵からふ化し、クチナシと呼ばれる植物の仲間の葉を主食とします。外見は我々が連想する芋虫のお尻から角のような突起物を生やしています。幼虫は、すぐに冬を迎えることになるためになるので食欲旺盛で、数が多いとはっぱを食べつくしてしまうことも多いです。ガーデニングをしている方は要注意です。
そして、冬が近づくと幼虫は地面に降りて落ち葉で繭を作り、冬に備えます。繭の期間はおよそ五か月から六か月ほどと言われています。十分に繭の期間を過ごすと、六月ごろに成虫として羽化し活動を始めます。成虫の大きな特徴として、ホバリング能力をあげましたが、外見も特徴的です。まずオオスカシバという名の通り、羽が透き通っています。チョウやガは羽に鱗粉を持ちますが、オオスカシバはホバリングという激しく羽を動かす以上、生まれたときに持っていた鱗粉がすぐになくなってしまうからです。また、緑色と黄色の体毛が主体となっている体はモフモフしておりなかなか愛くるしい外見をしています。
以上がオオスカシバの解説となります。また余談ですが、成熟した個体は様々な花をめぐるので、受粉を助ける益虫としても知られています。幼虫は害虫、成虫は益虫。人間の目線から見れば複雑な一面を持つ昆虫の一角であります。
今回はこれにて終了とさせていただきます。次回もお楽しみに。