トカゲじゃないよ。ヘビでもないよ

さて今回取り上げるのは昆虫ではなく、比較的身近に生息する爬虫類のカナヘビについて、紹介していこうと思います。ちなみにカナ「ヘビ」ですがにょろにょろした蛇とは違いますのでご了承ください。

 

 カナヘビは日本全土に生息しており、徐々に気温が高くなる春先や梅雨入りなどの時期に本格的に活動する爬虫類です。爬虫類である彼らは、変温動物に区分されており、気温の影響を強く受けるため暑すぎず、かといって寒すぎない早朝や夕方に活動します。また、変温動物という性質上気温が低いと動きが鈍くなるため、日当たりがいい石やコンクリートの上で日光浴をする姿もよく見られます。

 彼らの食性は、主に生きている昆虫を主食としますが、まれに地面に落ちた果実や動物の死骸なども食べるため、雑食性の側面とスカベンジャーでもあるため環境の掃除屋の側面も持ちます。補足としてスカベンジャーというのは、主に死んだ動物や枯れた植物などを食料とする生き物が当てはまり、有名な例だと、ダンゴムシやゴミムシや一部の鳥類などが当てはまります。

 次にカナヘビの一生ですが、春先に冬眠から目覚めます。そして、かなり早い段階で雄と雌に交尾が行われ、メスはしっかり卵を産めるように積極的に獲物を食べるようになります。主な産卵場所は、草木の根本や石の下といった、多湿かつ天敵に見つからない場所に卵を産みます。卵は周囲の水分を吸収しながら大きくなり、おおよそ二か月ほどで幼体が誕生します。幼体は非常に小柄であり、天敵も多く蛇やカラスはもちろんのこと、カマキリやキリギリスといった肉食性の昆虫、場合によっては大人のカナヘビに食べられてしまうこともあります。こうして、過酷な生存競争を乗り越えた一部の個体が一年ほどで生体となります。そして、冬場が近い11月ごろに緩やかな傾斜に穴を掘って冬眠して冬を越します。

 余談ですが、トカゲのしっぽ切りと言うのがありますが、実のところ尻尾を切るのはこのカナヘビも同じであって、尻尾を切ることは可能です。カナヘビは自分の尻尾を切り落として、外敵の注意が尻尾に気をそらせているあいだに逃げます。この際、時間がたてば尻尾は再生しますが、最初の尻尾にはちゃんと骨がありますが、再生した尻尾には骨がありません。このため形がいびつだったり、先端が二股になったりした尻尾が生えることがあります。

これにてカナヘビの解説を終了とさせていただきます。森林公園や河原など日当たりがよい場所によくみられ、身近に感じやすいカナヘビのことを、より知ることができたなら幸いです。

 以上カナヘビの解説でした。

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アンドル

初めまして虫とゲームと特撮が好きなアンドルというものです! 私は主に虫や、練習中のイラスト等を投稿しようと活動していきます! 虫といえば苦手な人も多いと思いますが、その点はマイルドな表現かつデフォルメしたイラストで投稿させていただこうと考えているので安心して見てみてください!自分の知らない世界を知ることは良い刺激になるので是非ともよろしくお願いします! 以上アンドルでした!今後ともよろしくお願いします!

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