『昭和・平成・令和 スイーツ7』
☆生ドーナツなど進化系ドーナツ
2022年、久しぶりに表参道に長蛇の列を登場させたアマムダコタン。
マリトッツォの火付け役と言われる福岡発ベーカリーが、次なるヒット作として展開しているのが生ドーナツ。
生といっても、フワフワ食感のちゃんと火が通っているドーナツです。
東京だと生ドーナツ専門店として「I’m donut?」が中目黒にオープンして、たっぷり入ったクリーム入りなど種類が豊富。
こちらも連日大行列となっています!
クリームをフィリングしたドーナツはトスカーナ地方の「ボンボローニ」とよく似ていて、今後こういった形で他でも販売されていきそうですね。
「第3次ドーナツブーム」と言われる中で、もう一点、進化系ドーナツとして注目されているのが、韓国の「クァベギ」。
もち米のねじってあるドーナツをベースに、形もトッピングもSNS映えしやすくバージョンアップしたものが出回りつつあります!
☆進化系さつまいもスイーツ
さつまいも品種の充実化で、ジワジワと何年もかけて人気が上がっているさつまいもスイーツ。
ヘルシーで素材そのものがスイーツのようなテイストのさつまいもは、和とも洋とも相性が良く、女性ウケがいいのが特徴。
蜜芋バスクチーズケーキや高級芋菓子「しみず」のお芋チーズテリーヌなど、進化系チーズケーキとの組み合わせがホットです。
話題となるスイーツには、熟成系の甘いさつまいもがよく使われています。
☆あんバターサンド
和の心が宿る小豆に、洋風料理のベースにもなるバターの組み合わせ「あんバター」。
「あんマーガリン」などは、東海エリアをはじめとした地域では、昔からあるお馴染みの味。
なぜまたあんバターなのかというと、韓国のインスタで厚切りの角切りバターがパンからはみ出すようにサンドされている様子が、映えると人気になり、日本に逆輸入されてきました。
角切りされたバターをかぶりつくという背徳感も調味料のひとつ。
日本らしい甘塩っぱい系スイーツですので、今後期待される派生スイーツも楽しみです!
☆クロッフル
韓国発のハイブリッドスイーツ「クロッフル」。
クロワッサン生地をワッフルメーカーで焼いたもの。
食事にもなるスイーツで、パンケーキの代わりにもなりうる写真映えするスイーツです。
ワンハンドスタイルで提供しているお店もありますよ。
サクサク食感がたまらないクロッフル、実はワッフルメーカーがあれば、市販のクロワッサンをサンドして焼けば食べられるので、おうちスイーツにも最適なんです。
☆ピスタチオスイーツ
今までもずっとあったのですが、2021年に満を持してピスタチオスイーツが人気に。
「ナッツの女王」と呼ばれるほど栄養素が豊富で、写真映えする鮮やかなグリーン、さらにピスタチオ専門店のオープンが相次ぎ、人気のスイーツ食材となりました。
最近ではコンビニやファミレスでもピスタチオスイーツが見かけられるようになり、そろそろ定番化したかな?
という気配もあります。
☆進化系チーズケーキ
バスクチーズケーキからチーズケーキテリーヌを経て、進化系チーズケーキが注目されています。
進化系チーズケーキは各地、各店で出していて、和風チーズケーキや凍ったまま温めて食べるチーズケーキ、バスクチーズケーキの進化系などなど。
日本人はチーズ大好き!
そんな人が多いので、いろいろな食べ方の提案があるとうれしいですよね。
進化系チーズケーキの一つ、凍ったまま温めて食べるチーズケーキの記事もあるので、どんなものか気になる方は読んでみてくださいね。
☆プヂン(ブラジル風プリン)
昨今のトレンドである、レトロな弾力感が魅力の固めプリンは今後も流行が継続されると予測しています。
そのなかで、特に注目なのがブラジルプリンの「プヂン」。
コンデンスミルク入りの濃厚なプリンで、ホームスイーツとしても話題!
日本では、萌え段と味の深みをねらった、カラメルがしみこんだココアスポンジの上にのっているビジュアルが多めです。
作るのはムリ!
という方には、ココアスポンジがベースになっていないものであれば、シュラスコ専門店「バルバッコア」でテイクアウト販売されています!
筆者も試しましたが、本場ものほど甘すぎず、日本人になじみやすい優しいミルキー感が楽しめますよ。
☆トゥンカロン(韓国マカロン)
トゥンカロン(韓国マカロン)は今までのマカロンとは違い、もっとポップで形も自由なおもちゃのようなマカロン。
「太ったマカロン」という意味の韓国語なので、「太っちょマカロン」として販売されていることも。
マカロンの進化系であり、写真映えしていたマカロンよりもさらに写真映えします。
やや大きめで食べ応えもあり、若い女性へのプレゼントに人気で、各地に専門店がオープンしていますよ。
☆高級モンブラン/できたてモンブラン
数年前から、オーダーが入ってから作り始める「できたてモンブラン」というのが流行っています。
関東を中心にできたてモンブラン専門店というのもいくつかできており、栗の味を引き立てつつしっとりした味わいのあるモンブランが食べられるように。
その分ちょっとお高めですが、映え高は間違いなし!
たとえば名古屋発「栗りん」では、ソフトクリームの上にふんだんに盛られたモンブランソフトなどが人気。
最近の流行りで、モンブランにメレンゲを掛け合わせた食感の違いを楽しめるものが多いですね。
☆瓶スイーツ/ボトルスイーツ
“萌え段”としての映え感と、手土産でありがちな崩れ防止という機能性を持ち合わせたボトルスイーツ。
従来の“デコレーションはケーキの上にする”という概念を華麗に覆してくれています。
このなかで少し異色なのが、背徳感を楽しめるスイーツとしてSNSや他メディアで話題となっている「なまくり缶」。
瓶の中がほぼ生クリームというとんでもないスイーツで、若年層を中心に人気を博しています。
自動販売機で買えるというところも斬新ですね。
☆アップルサイクルスイーツ&エシカルスイーツ
世はまさにSDGsビジネス戦国時代。
サステナブルスイーツというと高級感のあるイメージで敬遠しがちですが、実は新しい素材のスイーツに出会える楽しい要素も。
ちなみにアップサイクルとは、捨てられるような部分を利用したもので、ethical(倫理的な)消費につながる、というような考え方ですね。
たとえば那須発「バターのいとこ」は、牛乳からバターを作る時に廃棄されてしまうこともある無脂肪乳を使ったお菓子。
新しい商品であるため少し価格帯が高く感じるところはあるのですが、優しい味わいに今では都内の自動販売機で買えるような人気ぶり!
☆クロッフル+ハイブリッドスイーツ
2020年頃から韓国で話題になった「クロワッサン」と「ワッフル」を掛け合わせたハイブリッドスイーツ『クロッフル』
SNSを通じて、日本でも現在ブーム進行中です。
その存在自体が既にハイブリッドなのですが、2023年は焼き立ての『クロッフル』の上にモンブランクリームを大胆にトッピングしたデザートを提供するカフェが増えてくるのでは、と感じています。
☆ネオ和菓子
「和なは」が手掛けるアートなおはぎ「あんこのお花®」を以前ご紹介したこともあるのですが、ネオ(NEO)…「新しい」、「復活した」、「近代の」といった意味を持つ、伝統的な職人技術で生み出される和菓子をベースに、見た目も可愛く、洋風な味わいも取り入れたアートな和菓子『ネオ和菓子』が注目を浴びています。
☆寒氷
※寒氷とは、煮溶かした寒天に砂糖を加えて煮詰め、温かいうちにすり込んで乳白状にしてから色付け・型抜きし、特殊な乾燥技術で干し固めた和菓子です。
外側はしゃりっとしながら、やや練りのあるしっかりした食感を持ち、見た目が氷に似ていることから「寒氷」と名付けられました。
☆「金田屋」が手掛ける『フルーツ大福』は、従来のフルーツ丸ごと白餡と餅で包んだ大福とは異なり、大福を平たく伸ばした上にフルーツを飾り付ける、いわゆる『デコレーションするフルーツ大福』。
インパクトもあり華やかな『ネオ和菓子』は和菓子離れしている若者層にも人気が出てきているので、2023年はもっと販売店も増えてくる予感!
☆米粉スイーツ(グルテンフリースイーツ)
私たちが普段よく口にするパンやケーキなどは、小麦粉が主原料です。
小麦粉には、食品をふっくらさせたり弾力を持たせる性質をもつ「グルテン」(※小麦粉には「グルテニン」と「グリアジン」というたんぱく質が含まれているのですが、小麦粉に水を加えてこねることで、この2つが絡み合い「グルテン」になります。)という成分があります。
しかし、グルテンアレルギーの症状が出てしまう方もいます。
そのような理由から食べるのを我慢している方が選ぶ選択肢の一つとして、小麦粉を使っていない米粉スイーツ(グルテンフリースイーツ)が存在しました。
しかし最近では、ウクライナ情勢などの影響により、輸入小麦の価格が高騰しています。
それを受け、小麦粉の値上げをきっかけに米粉を使うスイーツが増えています。
そもそもグルテンフリー(※グルテンを含む食品を摂取しないようにするライフスタイルのこと。)は、セリアック病患者の食事療法として開発されたのですが、「低GI食品な米粉スイーツに変えたら、体質が改善したり、肌がきれいになった!」という声をあげる人もいたことから、食や健康意識の高い人に支持され、広がっているのです。
※低GI食品とは、GI値の目安として、一般的に55以下が低GI食品として分類されます。
(70以上を高GI食品、56~69が中GI食品)
このGIは、Glycemic Index(グリセミック・インデックス)の略で、食後血糖値の上昇度を示す指標のことです。
食品ごとにGI値が設けられており、GI値が低い食品は糖質の消化吸収がゆるやかな性質を活かして、エネルギーの消費に対するエネルギー源の供給ペースをコントロールしたい際に有効な食品と人気です。
☆ヴィーガンスイーツ
牛乳・卵などの動物性食品を使用しないヴィーガン対応のギルティフリーなスイーツを取り扱う専門店・カフェが増えてきました。
それだけでなく、各大手百貨店も2022年クリスマスケーキのひと枠に『ヴィーガンスイーツ』を採用するなど、”自然由来の素材で美味しく甘いのにヘルシーなスイーツ”を楽しみたい需要は高まっています。
動物愛護・環境保護の観点から「ヴィーガン」という思想が広がっていきましたが、
〇食物繊維が多く含まれている
〇卵や牛乳、バターなどを使わないので脂質を抑えられてヘルシー
〇卵や牛乳、動物性タンパク質を含まないためアレルギー配慮スイーツ
として子供にも安心して食べてもらえるためママ目線にも嬉しい
といった理由から、ヴィーガンの思想を持たない人たちにも『ヴィーガンスイーツ』が広まってきています。
一世を風靡した愛らしいクッキー缶にも、国産米粉やココナッツオイルを使用した”ヴィーガン・グルテンフリー”のクッキー缶が登場したり、チョコレート業界にもヴィーガン専門店が登場するなど、その勢いは2023年も増していくこと間違いなし!!
☆原点回帰・伝統菓子の進化系
ティラミス、カヌレ、チーズケーキ、フォンダンショコラ、プリン。
それぞれ各世界で歴史のあるこれらのスイーツは、定番として愛されながらも過去の日本スイーツトレンドで2〜3度ブレイクの波が来ていました。
2023年には、ティラミスの冷凍配送、カヌレをアラモード化させた進化系がブームの予感。
その他にも、フランスでの”温めるスイーツ流行”からチーズケーキやフォンダンショコラ、クレームブリュレなどの体験型が増えていくと言われています。
『最後のひと手間は自分で温めて食べる』スイーツはコンビニでも気軽に取り入れやすいことから身近な存在としてヒットしそうです。
☆アニマルスイーツ
くまの形をしたケーキや、「ルワンジュ東京」でご紹介したチョコレートで作った小さく可愛い「ヌーミー(クマ)」をアフタヌーンティーやデザートプレートで一緒に楽しむことができたり、北青山にある大人の女性に向けたカフェのドリンクに添えられたチョコでできた本物そっくりなテディーベアが可愛い!!
と東京だけでなく、日本各地で話題になっています。
エピソード
昭和・平成・令和 スイーツには、時代に歴史が
ありました。
こんなにスイーツが流行ったことが分かりました。
まとめ
今回は、昭和・平成・令和 スイーツのことを深堀していきました。
調べてみると懐かしいスイーツばかりでした。
これからも新しいスイーツが出るのが楽しみです。