THRILL SHOCK SUSPENSE #11
2024年1月 変わらない評価を受ける名作推理ADVを紹介 愛及屋烏
AGAIN FBI超心理捜査官
Continuation from last page. 11-2 https://no-value.jp/column/52833/
過去再現からの犯人特定
パストヴィジョンで手がかりを集めてヴィジョンパネルをすべて埋めた後は、いよいよ現在の事件現場で過去の再現に移り、さらなる真実を探る事になる。
19年前と今では当然ながら現場の状況が大きく異なっている。
その為、左画面に映し出された過去の現場を参考に、アイテムやタッチペンを使って、過去の状況を再現していく。
事件現場の再現に成功すると、過去の映像が「ヴィジョン」として映し出される。
これにより、過去に起こった出来事が判明する。
同時にヴィジョンパネルに記録されていた手がかりが、このヴィジョンの映像へと変化する。映像をすべて集めたら、いよいよ最後の仕上げ。
右画面にヴィジョンパネルが映し出されるので、そこにあるヴィジョンを時系列順にタッチしていこう。
すべてのヴィジョンをタッチし終わると、さらに鮮明な映像とともに過去が見えてくる。
ついに事件の真実へと近づく瞬間だ。
シルエットだった被害者と犯人の顔がハッキリと映り、その正体が判明する。
過去の事件の連鎖性と現代の事件の再現性
ジェイがヴィジョンで垣間見た事件の真実は第一の事件の犯人が第二の事件の被害者である、という事だった。そして、捜査を続ける内に過去のプロヴィデンス事件ではドミノ倒しの様に犯人と被害者が連鎖している事を突き止める。
つまり、犯人による追究の阻止の意味合いが強いジェイの両親の事件は別にして、過去の被害者達には互いに殺し合う様な当時の捜査陣には見えてない『繋がり』があったのだ。
そして、事件が循環しない以上は、第四の事件を起こし、ジェイの両親を殺害した人物――
『一連の事件が連鎖する様に絵図を描いた真のプロヴィデンス』が居るのだ。
一方、過去の事件をなぞる様な現代のプロヴィデンス事件。
かつての犯人か、当時の関係者しか知らない様な点まで再現された模倣殺人は、果たして何の目的で引き起こされるのか。 かつての事件関係者達を巻き込み、かつて以上の狂気を持って、新たなプロヴィデンス事件は続いていく。
後述
シナリオは間違いなく良いが、その形態は遊べる『海外ドラマ』に終始していて、単純にADVとしてのテンポが良いか?と言われるとスピード感には欠ける。
話への没入感はあるのでリアルの時間経過のスピード感はあるが。
よほど自信があったのか、次作へのフラグを残す『海外ドラマのシーズン終わり』的な〆方をするが、製作会社のシングは「王様物語」の開発が長引き開発費がかさんだ事や、2009年後半に持ち込みの自社企画が相次いで不採用となる等、受注量が減少したことで経営が悪化、破産しているので続編は絶望的である。
過去・現在、両方のプロヴィデンス事件は本作でキッチリ解決するので、間違いなく傑作ADVソフトだとは思うのだが……。
END.