なぜ、私たちは新しいものを買い続けるのか?。服であれ、食物であれ、流れてゆくSNSのタイムラインであれ。
私たちの脳は新しいことに注意を払う。わずかではあるが、新しさは神経系に活性化をもたらす。生存競争の観点から想像できるでしょう、先史時代では新しいブルーベリーの群生は吉、牙を持つトラは凶と、神経系はよく知っているものより、新しいことに注意を払い、報酬が出る。
この報酬系が発達したことで、ヒトは多くの新しさを求める。
そこには、もう1つの報酬系が存在する。CFOや株主が、物を売りつけ新しい物を買うよう選択を迫ることだ。CEOや役員がボーナスをもらうためだとは彼らは言わない。マーケティング担当者向けに、そうした神経系を分析した論文がある程だ。
「多ければ多いほどよい」という精神構造の原因は、1つはファストファッションであるが、もう1つは私たちの神経にある。私たちの脳は時間とともに、新しいものを知るために、古いことの報酬価値を小さくしてしまう。
進化論的には、常に同じ機会を利用していたら、決して新しい機会を模索することはないでしょう。新しさは、世界の探求に有用です。
更に、何かを買おうと決断する時には、神経系だけではなく、感情・欲求・ニーズ・社会的圧力も働きます。支払いの痛みは、身体的痛みではなく、不快や悲しい気持ちに対する心の痛みも感じるでしょう。
現代的な、新しい商品、新しい情報に対するネガティブな側面。
しかし、生物学的に脳が追い求めるものは必ずしも「新品」ではなく「新しさ」である。「新しさ」は絶対的なものではなく、多くの力の1つにすぎない。社会的報酬には大きな力があり、同じ志を持つ仲間が一緒に行動を起こし変化が広がっていく。古着を買うことや修理をすることで、必ずしも新品を買わなくても、人は創造性やプライド、自信さえ、見つけることができる。
もう十分に持ってるし、既にあるものをもっと生かすことは、単なるファッションへの意思表示だけではなく、より良い未来のために必要なことなのだ。
世捨て人になる必要はありません。消費を減らし、生き方を変える。人生の喜びをあきらめずに。
参照 Patagonia Stories なぜ、私たちは新しいものを買い続けるのか?