「共依存」と「障害者差別」【前編】

・はじめに

私はマナビーさんに来る前は地域活動支援センターのA(以下支援センターAとよびます)に2年半ほど、次に就労支援B型のB事業所(以下B事業所とよびます)に約4年ほどお世話になっていました。そこで友人のT(以下Tと呼びます)が出来たのですが、だんだんとこじれていき気がつくと「共依存」になっており最終的に縁を切ることとなりました。

どうしてこんなことになったのか?自分の気持ちを整理する意味でも今回振り返りながら書いていこうと思います。長くなりますが興味がある方はお付き合いください。

※この記事は私の実体験に基づき、私の観点からその状況や感じたことを1つの解釈としてまとめた記事となります。

・主な登場人物

私(沙鞠)⇒精神病により崩壊した生活リズムとコミュニケーション能力を取り戻すために支援センターAに通い始める。

T⇒支援センターAで出来た統合失調症を持つ友人で積極的にコミュニケーションを取るタイプの女性。言ってはいけないことを言いがち。

古参パートおばさん⇒支援センターAでレザークラフトを担当する古参パートのおばさん。障害者に対して差別的な考えを持っているという疑惑がある。

責任者スタッフZ⇒支援センターAの責任者で30代という若さのせいか立場は上なのに年配の職員に意見できないところがあり頼りない。

女神スタッフさん⇒私の担当職員さんが異動して新しく来た職員さん。精神障害者に理解を示してくれた女神。

・支援センターAでのTとの関係性

支援センターAに通って少し生活リズムが整って1年ほど経ったころ。Tが新しくメンバーとして入りました。初日から積極的に色んな人に話しかける社交的な人で、私とは真逆の人物でした。降りる駅が同じだったので一緒に帰ろうといわれ途中まで一緒に帰ることになり、私は「いきなり距離感近くないか?」と疑問を持ちながらも趣味について楽しく話しながら帰りました。私は支援センターAでは話し相手がほとんどおらず心の底で話し相手を求めていたので、距離感の近さに疑問を持ちつつもつい彼女を受け入れてしまいました。それでも障害のある人だから一線は超えないように壁は作っていましたが…。

支援センターAでは知的障害者の方が多く、どうしても精神障害者の方が作業の負担や我慢を強いられる環境で毎日不満が溜まっており、気がつくと帰りにTの自宅で愚痴りながらお茶会をする関係までになっていました。

※負担を強いられていたことは私やTだけが感じていたことではありません。ほかの精神障害の利用者さんと話し確信したことです。

・支援センターAで受けた「障害者差別」

私は作業の中でレザークラフトと七宝焼きに興味がわいたので積極的にやりたいと毎週のように担当スタッフの古参パートおばさんに言っていたのですが、なぜか「今日はだめなのよ」とか「今週は出来るかどうか分からないわね」とあいまいな返事ばかり、頑張って「なぜダメなのか?」と聞いても「ダメなのよ。他の人にも話さなきゃいけないから」と訳の分からない返事がきてうやむやにされました。私は家に帰って冷静にこの言葉の意味を考えた結果、「精神障害者に話したら知的障害者にも話さなければいけなくて面倒」つまり知的障害者の存在を言い訳に利用したという意味にとらえました。その後もレザークラフトがやりたいことは伝えましたが言ってから2、3ヵ月後というこちらが言ったことを忘れたころに1、2回程度(午後だけなどの半日)しか出来ず、やりかけの作業が長期間中断されることがありどんどんやる気をなくし、やりたい気持ちを伝えることも出来なくなっていきました。

ある日散々私の愚痴を聞かされたTが、私がいない間に私のために革担当の古参パートおばさんに「沙鞠ちゃんに革をやらせてあげてください」と言ってしまったらしく、午後からきた私が「革やれますか?」聞くと「自分で言うのよ」と一言。私は心の中で「このクソババア、私が言わせたと思ってるな。そもそもあなたのせいで言えなくなっていったのですが!」と不愉快になりつつも、社会復帰を目指しているのでそんな黒い心の内は表に出さずにグッと耐えなんとかその日はレザークラフトが出来ました。その後も別の作業の時に職員に初めてでやり方が分からないので聞くと「見れば分かるでしょう」と冷たく言われ結局Tに教えてもらうという出来事もあり、ああここのスタッフは「こっちは知的障害者の世話でいっぱいなの!知的の人より出来るんだから手間かけさせないで!」という考えなんだろうなというのが透けて見えてしまいました。

ここまで読んだ方はそんなとこさっさと辞めればよかったのにと思うことでしょう。ええもちろんステップアップしようと思いましたよ!でも就労支援B型の利用のために責任者職員Zに相談すると「うちで週5で通えるようにならないと厳しい」「就労Bはレベルが高い」「まだ早い」などと言うので私はてっきり就労Bは今の就労Aぐらいのレベルだと勘違いしてしまったんですよね。そんなこんなで私はステップアップ出来る能力があるのに支援センターAでおよそ半年ほど無駄な時間を過ごしました。正直「二度と手に入らない大事な20代の時間返せや!無能職員!」と思わずにはいられないです。

※今にして思えば自分が調べればよかったと思うのですが、当時スタッフや知的障害者とのやり取りにすべての気力を奪われていたので家では休むしか道はなかったです。というかスタッフが正しく就労支援B型のレベルを理解してないの酷すぎませんかね。

・支援センターA卒業!B事業所へ!

怒りのパワーで何とか重だるい体をあげ、責任者職員Zに就労支援B型事業所の見学に行きたいということを話しました。すると意外にも肯定的で驚きました。いくつか見学と体験をし、近場で通いやすいB事業所に出会い支援センターAに通いながら徐々にB事業所に慣らしながら通うというスタイルになりました。2ヵ月くらいでB事業所には慣れてきたのですが、コロナが重なり支援センターAが2か月ほど休みになってしまい、やり残したことがまだ終わってはいませんでした。新しく支援センターAに来た女神スタッフさんが休み中の利用者の様子を聞くために電話をかけてきました。私は今まであったこと、自分がやり残したことを終えて気持ちよく卒業したいことを話しました。女神スタッフさんは理解してくれたのですが、結局新人スタッフさんの言葉は届かずレザークラフトもやりかけの七宝焼きもやらせてはもらえなかったのでついに強行手段に出ることにしました。

朝通所して出来ないと言われた私は速攻「帰ります!」と一言。慌てて引き留めるスタッフさんをよそに帰り支度をする私。すると責任者職員Zが私を呼び出し私のやりかけの作業をまとめたカゴを持ってきて「これが沙鞠さんのやりかけの物ですね?」と確認され、これらは古参パートおばさんがいなければ出来ないということを言われました。私は内心呆れましたが耐えて、その後私がこれを終えたら卒業するということもキッチリ伝えました。

するとどうでしょう!次の通所日から古参パートおばさんが七宝焼きやレザークラフトをやらせてくれるようになりました。今までの対応は何だったんだ?というレベルで違いました!正直私は「もっと早くやって!」と思いました…。たぶん問題児の私を追い出したかったんでしょうね!支援センターA側は私の事を「なんか態度悪くてステップアップ決まってるのになぜかグダグダ居座ってるめんどくさい問題児」ぐらいに思っていたみたいですが、なんで私の態度が悪くなったかはきちんと考えてほしいと思いました。

・前編おわり

私が思うにこの支援センターAの問題点は「スタッフの知識不足」「勤務歴の長いパート職員が幅をきかせている」この2点につきます。だから見当違いな支援しかできない…いや支援なんて呼べない、もはや「妨害」しかしてなかったと思います。知的障害の人を出来ないと決めつけ教える努力を怠り、精神障害者に負担をしいって自分たちが楽をするために引き留める。スタッフ同士の連携も取れてないし、時間という決して取り戻せないものを奪われて最悪でした!

それでも私は家族仲が悪かったので、こんなのでも家に引きこもってるよりは何倍もマシなので最初の1年半ぐらいは行って良かったとは思いますが、精神障害者にとっては本当に行って生活リズムを整えるためだけの施設でした。おまけにやりたい作業は出来ず、ボランティアあつかいで知的障害者の尻拭いをやらされる…そしてこんな散々な扱いをされたものだからTとの友情もより強固なものになっていきました。

予定では1つのコラムで終わると思いましたが支援センターAでの体験が濃すぎて、予想を上回る長さになりました。本当はまだ酷い出来事がありますがキリがないのでこの辺で終わります。私は支援センターA時点ではTのことを親友と呼べる仲になるだろうと思っていましたが、B事業所で彼女との関係性はどんどん悪い方へ変わっていくことになります。

次回は彼女との関係性の変化とB事業所での出来事について話します。

このコラムが福祉関係者の人が精神障害者の人について真剣に考えるきっかけになることを願います…!

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沙鞠

ゲーム、漫画、アニメ、カラオケ好きなのでそれらに関するコラムや、ハンドメイドで作ったレザークラフト、レジン、ビーズなど投稿したり、精神病や事業所で体験したことを伝えられれば良いと思います。

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