TSS #14-3

THRILL SHOCK SUSPENSE #14

2024年4月  変わらない評価を受ける名作推理ADVを紹介  愛及屋烏

相棒DS

Continuation from last page. 14-2 https://no-value.jp/column/57105/

ノベルモード

ドラマ相棒を人気エピソードをDSで見れるようにしたのがこのノベルモード。                                 『相棒』シーズン1〜5から、それぞれ1話ずつ収録されている。

このモードでも実写が使われ、ドラマのワンシーンが映し出された状態で原作のBGMを聞きながら文章を読み進めていく。文章は『ノベライズ版相棒』から引用されている。

どれも一定の評価を得ている回であり、ハズレ回の無い良いチョイスになっている。

キャラクターの心理描写が多いのもノベルモードの特徴である。

ドラマの映像だけでは分からなかったことが文字情報で補完されているためドラマ版とは違った見方ができる。

中でも特徴的なのは「ついてない女」で、この話では月本幸子目線での記述が多く、「右京は○○と思った」ではなく「幸子は○○と思った」といった書き方がされている。

「せんみつ」はシーズン5の話だが、シーズン5の小説版が発売されたのは相棒DS発売の約6か月後なので、この話だけ一足早く小説化されたことになる。

ノベル収録シナリオ

シーズン1-8話「仮面の告白」

平成の切り裂きジャック浅倉緑郎や、映画『相棒 劇場版』第1作にも絡んでくる武藤弁護士の初登場回。

シーズン2-18話「ピルイーター」

登場して間もなかった大河内監察官の秘密が明らかになる回。

シーズン3-10話「ありふれた殺人」

殺人事件の時効を迎えた被害者遺族の無念さがひしひしと伝わってくる回。

シーズン4-19話「ついてない女」

後々、花の里の二代目女将としてレギュラーキャラになる月本幸子の初登場回。

シーズン5-4話「せんみつ」

普段あまり目立たない三浦刑事にスポットが当たる回。嘘つきの天才と対峙する右京は見物。

おまけモード

おまけは2つのミニゲームと用語集。

ドラマモードをすべてクリアするとサウンドトラックとスタッフロールが追加される。

用語集では、専門用語や相棒でよく使われる言葉、主要人物の解説が詳しく書いてある。

警察関連の用語を調べられるので勉強になるし、原作を見ていない人はドラマの世界観や人物像を深く知ることができる。

ミニゲーム

ミニゲームの1つ目は「組織犯罪対策5課課長角田六郎のザ・特命係のコーヒーサーバーからコーヒーを頂いちゃおう!ゲーム」である。タイトルが長い。

角田課長を操作して、だるまさんがころんだの要領でこっそり右京と亀山に見られないようにコーヒーを盗んで飲む。

右京は立ち位置的に角田の盗み飲みに気付かないのはおかしいし、そもそも角田は普段から特命係でコーヒーを飲んでいるので盗み飲む必要も無い等ツッコミ所は多いがコミカルで楽しいミニゲーム。

2つ目の「米沢守の鑑定力検定」は間違い探しや瞬間記憶などの単調なものが多い。

サウンドトラック・BGM

BGMはドラマと同じ作曲家、池頼広。

彼の音楽がDSバージョンにアレンジされ随所で流れる。

ドラマでよく流れるBGMはほとんどが収録されている。

中でも人気で、PVでも使われていた「終わりの始まり」はドラマモード中は流れないのでどこで流れるのかと思っていると最後の最後、スタッフロールで流れるようになっている。

ノベルモードでも原作の曲が流れるので、イヤホンを着けると更に雰囲気が良くなる。                                             ただ、DS音源によるアレンジなので、ドラマのサウンドトラック等と聴き比べると、若干チープな感じは否めない。

OPムービーでお馴染みのシーズン3以降のOPテーマが流れるのは勿論の事、モード選択画面にシーズン2、シナリオ選択画面にシーズン1のOPテーマが用いられているのも、初期からのファンを唸らせる演出である。

用語集

相棒の世界観や警察で使う用語集、かなり親切。

人物や用語について以外にも、原作で定番の台詞や小ネタにまで解説が用意されている。

本作から『相棒』に触れるようなユーザーも、これさえ軽く読んでいれば、特にプレイに支障は無く、むしろ『相棒』の面白さを知ることが出来る。

タツミ開発のマスコットキャラ、タッちゃんにヒロコママといった本編中の小ネタは、原作ファンならニヤリと来るかも。

後述

サスペンス系のテレビドラマのゲーム化というと、ドラマ本編自体、本編後、番外・スピンオフ、という形になるが相棒DSの場合は語られなかった本編、といった仕上がりである。任天堂公式サイトのソフト紹介ページでは本ソフトのドラマモードを「Limited Season」と表現している。

ファンなら買って絶対後悔しないものではあり評価も高く、続編を望む声も少なからずある。
また、原作を見たことがない人でも楽しめる出来となっている。
ただしアドベンチャーとしてみると明らかに練りこまれておらず、ゲーム性が著しく低いのが悔やまれる。
「推理アドベンチャー」というよりも、「DSで手軽に見る『相棒』」と考えたほうが良い。

END.

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愛及屋烏

ゲーム好き、小説好き、アニメ好き、三役揃いの物書きの端くれ。 ピンチに陥っても、それはそれで気楽にやるタイプ。 ●好きな言葉:続編・クロスオーバー・オールスター・アンサーソング・データ引継ぎ ●好きなゲーム:DQ・軌跡&イース・スパロボ・ゼルダ・神宮寺・逆裁・ラチェクラ ●好きなサブカル:ロボ全般・特撮全般・少、青年誌系 ●好きなドラマ:科捜研・相棒・CSI・キャッスル・十津川警部・赤い霊柩車 ●利用ソシャゲ:へプバン・ギアスロススト・Dr.STバトクラ・シンフォギアXD・スパロボDD・うたわれLF・ギター少女・勇者の飯 ●経歴:宮城出身、30代、なろう出版経験有 ●現在:脳梗塞療養にともないリハビリ&失業中

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