こんにちは。L.I.D:りど です。ゲーム作品紹介その5となります。前回は近未来を舞台とし機械に自我が芽生えた物語でした。今回は現代を舞台にしたSFアドベンチャー作品。
何の変哲もない日常を送る少女にある日、時を巻き戻せる能力を得た運命の物語。その作品を紹介していきます。
1.LIFE IS STRANGE
フランスのゲーム開発事業者 DONTNODが開発し、発売を日本のゲーム会社 株式会社スクウェア・エニックスがグローバル版を2015年に、日本版を2016年3月3日に発売した。
アメリカ・オレゴン州を舞台とし、架空の田舎町「アルカディア・ベイ」で時間を巻き戻せる能力を突如発現した女子学生 マックスの青春物語。その中で苦悩しながらも能力を駆使しながら選び抜いた運命を受け入れていく。
2.あらすじ
2013年 10月7日 アメリカ・オレゴン州
アルカディア・ベイにあるブラックウェル高校の写真科に通う女子学生 マックスはある日、授業中に「巨大な竜巻がアルカディア・ベイを壊滅させる」という白昼夢をみる。
授業が終わった後、女子トイレに行き洗面台で顔を洗い気分を変えたマックス。その時、隅に青い蝶が羽ばたいていたのを見かけたマックスはその蝶を写真に撮り後にしようとすると街で実権を握っているプレスコット財団でその家系の長男 ネイサン・プレスコットが入ってくる。妄言を吐きながら平静を保とうとしている最中、青い髪をした女子が入ってくる。
女子がネイサンの悪事を理由に脅すとネイサンは激昂し銃を取り出す。女子は抵抗するも撃たれてしまうが、隅で隠れていたマックスが手を伸ばすと景色がぼやけていき時間が巻き戻る。巻き戻った先で目にしたのは数分前に終えたはずの授業だった。マックスは混乱しつつも状況を把握するため巻き戻る前の行動を起こすと同じ出来事が起こることを知り「時間を巻き戻す能力」を発現したことに気づいた。
撃たれた女子を助けるために授業後、女子トイレに向かったマックス。同じように女子とネイサンが口論しておりマックスは撃たれる前に非常ベルを鳴らし女子を助ける。その後ネイサンが非常ベルを鳴らしたのがマックスだと気づき絡まれてしまう。そこに先ほど助けた青い髪の女子と鉢合わせ、搭乗していた車に同乗し難を逃れた。
その女子は容姿が変わり気づかなかったが面識があり、マックスが5年前シアトルに引っ越してオレゴンに戻ってくるまで一度も連絡を取らなかった親友 クロエだった。再会してからはギクシャクしていたものの徐々に打ち解けていく中でマックスは自身の能力を打ち明け、6ヶ月前に謎の失踪を遂げたクロエの親友 レイチェルを共に追う。
その先で待つ苦難と時間を巻き戻しても逃れられない運命。その先で待つ未来とは・・・
3.ゲームシステムについて
三人称視点でマックスを操作し親友や同級生・担任の先生などと会話して情報を集めたり、スマホやパスワードが記載されているメモ帳などを調べてストーリーを進めていく。
このゲームはマックスの時間を巻き戻す能力により、一度選んだ選択肢を選びなおすこと・マックスが起こした行動をやり直すことができる。能力を使用して巻き戻せる時間は長くても数分で数時間・前日までは巻き戻せない。
ただし、マックスが手に持ったアイテムや一度手に入れた情報は時間を巻き戻しても保持される。さらにマックス自身が存在する位置も保持されるため「必要なアイテムを奪い時間を巻き戻すことでトラブルを回避する」といった方法や「障害物が行く道を阻んだなら、阻む前まで時間を巻き戻し開いた道を通る」など能力を活用し状況を打開していく。
時間の巻き戻し能力に加えマックスにはもう一つ能力が発現する。それはマックスがいつも持ち歩いているカメラで撮った写真、或いはマックスが写っている写真にピントを合わせ能力を使うとその写真が撮影された時点へタイムリープ出来るというもの。タイムリープした先の時間軸では行動は自由に出来るが範囲が限られており、その世界に居続けることは出来ない。その世界で以前と異なる行動や選択を取るとその影響で未来が変化する。
ただし、過去を変えるという大きな変化を起こしたことにより元の時間軸が激しく変化する可能性がある。このような能力を持つマックスだが多用すると体に負担がかかり最悪の場合、元の時間軸に戻れなくなる。
4.作品について
絵本のようなキャラのデザインは親近感を湧かせており、作品特有の世界観に入り込めるだろう。怒涛の展開が多くあるので「続きが知りたい」「このキャラに違和感がある」といった興味を持つこと・推測を立てるのもアリだ。
本作は「バタフライ・エフェクト」という用語をテーマにしている。一匹の蝶が羽ばたくとどこかで自然災害を引き起こすという理論の一つだ。作中では一つ一つの行動が後に変化をもたらし正解や不正解はない。「自分だったらこうする」・「自分にとって最良の選択」といった自分自身の道徳観を試される。
5.感想
「時間を巻き戻せる」というSFの能力を得たら読者はどう扱うだろうか?自分はもう一度、高校一年生に戻り出来なかったことをしてみたい。例えば文化祭でバンドを結成してステージで歌を披露したり、勉強ばかりしてきた身なのでバイトに挑戦してみたりなどキリがないが、このゲームを通じてそんな想像を掻き立てられた。
「あの時こうしていれば・・・。」「もし違う選択を選んでいたら?」もしもこうだったらと思いをはせる読者にこのゲームは刺さる内容だろう。
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