虐待サバイバーへのサポートを3つ紹介

今回の記事は虐待について扱うので、強い刺激を感じてしまうかもしれません。

まだ心の整理がついていない方や、精神的に落ちてる状態で読むのはしんどいと思うので、もしこの記事を読んでみたいと思ってくださった方がいれば、少し気持ちが落ち着いているときに読むのをおすすめします。

虐待被害にあったことのある大人のサポートについての話ですが、一部虐待の体験談も書いています。

虐待というと、どうしても被虐待児(子ども)に目を向ける方が多いでしょう。

確かに、虐待は心に大きな傷を与えます。

そんな虐待を受けたまま育って、大人になってからどうなってしまうのか。

それを考えたことはありますか?

今回は、私の体験談と虐待体験を克服するためのサポートをしている場所についてご紹介します。

私の虐待体験

物心つくころから、記憶がありました。

私は身体的暴力と精神的暴力を受けて育ってきて、今は30代の年齢です。

一部記憶から抜けてしまうくらいしんどいこともありますが、逆に鮮明に覚えていることもあります。

子どもの頃から「毎日、朝起きてから夜寝るまでずっとこわい」そんな生活をしていました。

私は一人っ子だったので、すべてのつらさは自分だけに向かってきます。

それが重くて苦しいと思うことは、人生のうちに何度もありました。

実際に今も、精神的暴力は続いています。

フラッシュバックを起こしたりもするので、いまだに傷は塞がってはいません。

助けてくれた中学時代の担任の先生の存在

中学時代が一番虐待が酷く、毎日怯えた生活をしていました。

そんな中で仲の良い担任の先生に愚痴るように「家ほんとしんどいんだよね~。〇〇なこと毎日されるし疲れちゃった(笑)」と、へらへらしながら話したのです。

私は当時、つらかったことは表にしっかり出さず、へらへらして話してしまう癖がありました。

そのときは「大変だね~。」くらいの反応だろうな、でも誰かに聞いてもらえてちょっと楽になれたな、そんな気持ちでいました。

ですが、現実が動き始めたのはこのことがきっかけでした。

「次の授業は自習にしておくから、詳しく聞かせて。」

そのまま私と担任の先生は別室へ。

あとから、保健室の先生2人、スクールカウンセラーさんが来ました。

その場で会議が始まります。

あまり聞いたことがないような

【児童養護施設】【虐待】

それまでは過剰なしつけなんだろうなという認識でいましたが、これは普通のことではないのがこのとき理解しました。

結局施設に行くことはありませんでしたが、その後担任の先生が私の母を学校に呼び、話し合いをしたそうです。

「お母さんが帰って来てからなにかあったら、すぐにこの携帯番号に電話かけて」と、担任の先生のプライベートの携帯番号を渡されて、それを握りながらその日は寝ました。

そこからは、私にとって引き金になってしまった虐待の一部はなくなりました。

それでも続く現実

これでやっと終わるんだろうな、と思っていたのは甘かったです。

あれからは身体的暴力はなくなりましたが、精神的暴力はエスカレートしていきました。

当たり所がないから私の精神をサンドバックにしたかったんだろうなと思います。

そんな状態は、正直今でも続いています。

話を聞いてくれる存在ができた

今は、精神科の主治医と仲のいい薬剤師さん、manabyのスタッフさん、恋人、父方の叔父叔叔母に守られています。

守られているというのは、とにかく話を聞いてもらっていることです。

担任の先生が助けてくれるまで、私はずっとひとりで抱え込んでいました。

それがパンクして、双極性障害、パニック障害、PTSDを患ってしまう結果になってしまいました。

ですが、今は味方になってくれる人がたくさんいます。

ひとりきりだと耐えられなかったけど、今はたくさんの方に支えてもらって生きていられました。

「あのときの私、生きててくれてありがとう。」

人とのつながりは人生を変えることもあります。

そんな人たちを私はこれからずっと大切にしていきたいです。

被虐待児が大人になってからのサポート

私のように助けの手を伸ばせる方もいれば、伸ばせない、話したくないと思う方もたくさんいると思います。

そんな方は今もこれからもずっと、傷を負ったまま生きることになってしまいますよね。

もちろん話すことを無理強いはしませんが、大人になってからも虐待体験がつらいと思う方にこういうサポートがあるということをご紹介します。

※刺激を強く受けてしまう可能性もあるので、病状が少し落ち着いてからの取り組みをおすすめします。

自助グループ

虐待サバイバー(虐待を受けて育った人)の方が集まって話を聞きあう自助会というところがあります。

私が参加したことがあるのは、精神疾患全体についての自助会でしたが、そこでのルールは【話してくれたことを否定しない】ということでした。

虐待サバイバーの自助会もあるので、当事者同士で話したい方におすすめです。

ひとりじゃないと安心できる環境だと思います。

私も時間が出来たら虐待サバイバーの自助会に参加してみたいなと思っています。

カウンセリング

プロの臨床心理士の方に話を聞いてもらうのが、カウンセリングです。

アドバイスというより聞いてもらうことに寄っているように感じました。

アドバイスがほしいわけじゃない、ひたすら自分の話を聞いてほしいという方におすすめです。

病院に併設されているところもあれば、個人でカウンセリングをしている場所もあります。

個人の場合は金額が少し高めなので、お財布と相談してみてください。

私が行ったことのあるカウンセリングは1回50分でした。

カウンセリングの場合は、金額と時間と月に何回受けるかを決めてからいってみるのがいいと思います。

虐待サバイバーの方たちのイベント

地域によりますが、虐待サバイバーの方たちのアート作品が展示されているイベントもあります。

自助会やカウンセリングはまだ取り組む自信がない、話すのには抵抗がある、敷居が高いと思ってしまう方は、まずはアート作品などのイベントに参加してみるのがいいと思います。

啓発活動も行われている

虐待サバイバーの方は、大人になってから社会に出ることが困難になってしまうパターンもあります。

そして、それがきっかけで生活保護を受給している方は少なくないのが現実です。

そういった方々を減らしていく啓発活動や、法政策に携わっている方もいます。
(その方も虐待サバイバーです。)

その方は、虐待サバイバーでも生きやすい社会にしたいと言っていました。

「次の世代にはそういうことがないようにしよう」という目的の啓発活動です。

子育てしやすい環境になったら虐待が生まれないような仕組みにどんどん変えたいそうです。

あとは「虐待サバイバーのあなたはひとりじゃないんだよ」ということも伝えていきたいと言っていました。

最後に

私は虐待サバイバーとして生きてきて、人生設計もできずにいましたが、こういったサポートを受けながらもう一度がんばってみようという気持ちになれました。

あとは、受けた傷の大きさは私だけではないという安心感も、この記事を書く上で知りました。

もし虐待サバイバーの方がこの記事をここまで読んでくださっていたら、ひとりじゃないよということを私も伝えたいです。

さまざまなサポートを知れば、心の回復につながっていくこともあるかもしれないので、私はまだ希望を捨てずにがんばろうと思います。

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ねむい

中学二年生の頃に文芸部に所属していたのがきっかけで書くのが好きになりました。私生活では22人のぬいぐるみと一緒に生活しています。基本的にいつも眠いです。

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