初めに
今回は看護の世界第一弾として、小さく生まれてきた赤ちゃんの記事を書いていきます。
あまり知らない事もお伝えできたらと思います。
是非最後までお読みください。
NICU、GCUについて
「出生」というのは人生の中で最も尊い瞬間であるとともに、母子ともにリスクの高い瞬間でもあります。その過程の中で赤ちゃんの呼吸や循環状態がままならず、全身管理が必要になることもあります。早産であればなおさらそのリスクが高まります。NICU(新生児集中治療管理室)は医療スタッフ24時間体制で、そのような赤ちゃんの心拍数や血圧、酸素飽和度(血液中の酸素状態)などをモニタリングしながら、人工呼吸管理、輸液管理といった高度な治療が提供出来る場所です。
一方、GCU(回復治療室)はNICUで状態が安定した赤ちゃんが、引き続き治療を受ける場所です。赤ちゃんの体重の状態や状態によって最初からGCUに入院することもあります。GCUでは、看護スタッフ中心にときに多職種のスタッフと協力し合って、ご家族が自宅で育児が進めていけるように、退院に向けて育児環境の提供や育児指導を行っていきます。
保育器の役割
特に早産で小さく生まれた赤ちゃんの全身管理を行う上で、赤ちゃんが過ごす環境を適切な温度・湿度に保ってあげる事はとても重要です。何故なら、早産児は皮膚が未熟なためサポートがなければ適切に体温を維持することが出来ず、皮膚から大量の水分が失われてしまい、低体温や脱水状態になる可能性があるからです。低体温や脱水は手足が冷たくなるという単純なものではなく、呼吸・循環を含めた全身状態の悪化に繋がります。そこで、保育器がお母さんのお腹の代わりとなって赤ちゃんの全身状態を守ってくれるのです。
日本の新生児医療の発展は、..この保育器の進歩によって支えているといって過言ではありません
その他の医療機器の役割
NICUでは保育器以外にも、たくさんの医療機関が赤ちゃんを守ってくれます。
・呼吸・心電図モニター・.パルスオキシメーター
赤ちゃんの心拍数、呼吸数、呼吸の波形、血液中の酸素飽和度を常時モニター画面に表示してくれます。表示される数値を通じて、リアルタイムで赤ちゃんの全身状態を確認することが出来ます。
・人工呼吸器
呼吸機能が未熟な赤ちゃんに用いられます。気管にチューブを挿入をしたり、鼻マスクをしたりして呼吸をサポートします。
・光線治療器
黄疸の症状がみられ治療が必要される場合に用いられます。赤ちゃんに光を当てる事で治療していきます。
・輸液ポンプ・シリンジポンプ
赤ちゃんに水分や電解質、栄養素、薬剤を投与する際に欠かせない医療機能です。それぞれの赤ちゃんに合った速度と量で、精密に投与することが出来ます。
小さく生まれてきた赤ちゃん
赤ちゃんは出生体重や在胎期間(お母さんのお腹の中にいた期間)によって次のように分類されています。出生体重2,500g未満の赤ちゃんを低出生体重児、1,500g未満であれば極低出生体重児、1,000g未満であれば超低出生体重児と言います。超低出生体重児や極低出生体重児は2,500g未満なので低出生体重児に含まれます。
在胎期間で分類すると37週以上42週未満(37週0日~41週6日)で生まれた赤ちゃんを正期産児と言い、37週未満(36週6日まで)であれば早産児、42週以上であれば過期産児と言います。
現在、赤ちゃんの約9%が低出生体重児、約6%が早産児と言われています。出生体重や在胎期間にかかわらず、さまざまなサポートが必要な赤ちゃんはNICUなどで過ごすことになります。
後期早産で生まれた赤ちゃんについて
在胎期間34週0日~36週6日で生まれた赤ちゃん (後期早産児)はある程度体格が大きく産科クリニックで分娩することもあり、一見、正期産児と同じケアで良いと思われがちです。しかし、実は全身は未熟で、授乳がうまくできなくなることや呼吸障害、黄疸(体内にビリルビンという物質が蓄積することで皮膚が黄色くなる症状)、低血糖、低体温などの病気に確率が正期産児と比較して高く、適切な対応をしないと、長期的にみて神経系の発達が悪くなることが報告されています。
元気に生まれたとしても、注意深い観察が必要です。
代表的な病気
小さく生まれた赤ちゃんは、「何かが足りない」あるいは「未熟である」ための何らかのリスクを抱えていることがあります。
NICUやGCUではこれらの対応をするための手助けを行います。
ここでは特に在胎期間34週未満で生まれた赤ちゃんに見られる代表的な症状や疾患についてご紹介します。これは全ての赤ちゃんに起こるわけではないですが、このようなことが起きても特別なことではなく、NICUの医師や看護師はこれらのことを理解していて、適切な治療やケアを行ってくれます。
第一部感想
第一章では、知らない方も多いNICUについて書いてみました。NICUには色々な機械があって、どんな赤ちゃんがいるかなどがわかりました。
第二部では、赤ちゃんの病気についてご紹介します。