こんにちは。`L.I.D:りど`です。今回から紹介する作品をゲームからアニメへ路線を変えて感化された作品を紹介していきたいと思います。内容は人間の精神状態を数値・可視化した社会。潜在的に犯罪者になる可能性をも表す社会で起きる事件を解決していく刑事達の物語。
1.PSYCHO-PASS サイコパス
テレビアニメとして第一期が放送されたのは、2012年10月〜2013年3月。2014年10月~12月に第二期、2019年10月~12月に第三期と他にも劇場版も多数公開され10年以上続いている作品。
「近未来SF」、「警察もの」のジャンルで制作されており、世界観や作中に登場する道具・装置は未来的なものだがその要素に沿ったうえで刑事たちの知能を駆使し自身で犯人を追い詰めるという現代的な手法で描かれているため「泥臭さ」を感じる警察ドラマとなっている。
物語はかなり複雑で一度見ただけでは内容を理解するのは難しい。文学書、哲学書の一文を引用したり登場人物の思想も意味を理解するには見返すことも。ただ内容を理解すると物語の展開と人物の心境を理解でき興味と魅力が増す。
2.あらすじ
※シリーズ作品であるため本記事では「第一期」のみ紹介します。
ー西暦2112年ー。
30年前から導入され「最大多数の最大幸福」「理想的な人生」を掲げ人を導くシステム「シビュラシステム」。性格・精神という見えざるものを表し、シビュラが最適・幸福な人生を送る選択と手段を支援する。
しかしそれは健全な精神と道徳・倫理観を兼ね備えた者だけ。管理社会の中でそれを持たない者はシステムが定めた数値`犯罪係数`により、一定を超えると犯罪を犯さずとも`潜在犯`と呼ばれ犯罪者の烙印を押されると同時に執行される。
ー厚生省公安局ー。
刑事課一係の新任監視官`常守朱‘。学生時代に同期生500人の中から唯一、シビュラに適性判定を受け配属された彼女。配属早々突然起きた事件に巻き込まれ監視官の職務に苦汁を強いられるも一係監視官`宜野座伸元`、潜在犯でありながら事件の捜査を行う部下`執行官`狡噛慎也・征陸智己・縢秀星・六合塚弥生の4人に支えられながら刑事として成長していく。
残忍かつ凄惨な事件を解決していく一係。一見単独犯の犯行と断定していたが、とある事件の犯行と三年前に起きた未解決事件に関連性が浮かぶ。殺害の手口が三年前の事件と酷似していること、当時、監視官だった狡噛と共に未解決事件を追っていた部下`佐々山光留`が掴んだ事件の黒幕。
その黒幕の名は`槙島聖護`。数々の犯罪を幇助しシビュラシステムの正体を暴こうとする凶悪犯。事件を追い続ける一係と対峙し矛盾に満ちた世界で何を善とし、何を悪とするのか、自分の意志すらシビュラに預けてしまった人々に価値はあるのか。
今、人の意志とシステムの<正義>が試される___。
3.作品について
筆者が初めて見たのは高校二年生の時期。とにかく物語が難しい。登場人物が哲学書の一文や達観した持論・思想を持ちかけてくるため意味を理解するのに半月ほどかかった。展開に共通点が見えず関係なく思えるが群像劇で構成されているので物語を見続けると張られた伏線に舌を巻く。
小説、漫画、さらに舞台と幅広い分野で当作品は知れ渡っている。第一期の前日譚や登場人物が如何にして現在に至ったのか、といったアニメでは断片的に描かれている物語が書き下ろされているので登場人物の過去を知りたい方にはおすすめだ。
4.感想
シビュラシステムによって自分で考えることなくシステムに従うだけで幸福な人生を送れる人の理想を具現化したもの。登場人物によってはシビュラの理念と恩恵を肯定する者もいれば否定する者もいる。大概、否定している者は潜在犯だが一部の人間は一時の感情で潜在犯に認定されているためシステムの完全性に疑問を持つさまは、暗に「完璧を求めるほど理不尽は増え続ける」ということを伝えているのかもしれない。
人の考え方がひとつ変わるだけで犯罪者になる社会。既に築き上げられた秩序はこれから先どうあるべきなのか。正義を掲げその言葉の意義を試される刑事たちの物語。
興味があったら是非、刑事たちの正義を最後まで見届けてほしい___。
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