コウテイペンギンは世界一の赤ちゃん!

コウテイペンギンはエンペラーペンギンとも言いますよね。一番大きいペンギンということでキングペンギン、それより大きいペンギンが発見されてコウテイペンギンの名前がついたのは有名な話です。キングペンギンの赤ちゃんはキウイのような茶色で、大人ペンギンと同じかそれ以上に恰幅がよく、でかいのですが、コウテイペンギンはというと、グレーに頭が黒というカラーリング。赤ちゃんらしく大人より小さいです。このコウテイペンギンの赤ちゃん。世界一の赤ちゃんと言われているのを知っていますか?その理由を考えてみます!

〇たったひとつだけの卵
南極に住むコウテイペンギンは、南極基地を訪問したり人の後をついていったりと、人間に警戒心を持ちません。人間をでかいペンギンだと思っている説なんかもあるくらいです。ですがここで赤ちゃんが生き抜くには、とても壮絶な試練を乗り越えなくてはなりません。
卵を一個だけ産み、お母さんは海に出ます。コウテイペンギンはお父さんが子育てをするので、その間100日以上、絶食して温め続けます。ペンギンは足が長く、短く見えるのは皮膚がたるんでいるから。このたるみの中に卵を抱きます。お母さんが戻ってくると交代で海に出ます。この時点でなくなってしまうお父さんもいます。

〇グレーのむちむちに成長
赤ちゃんが生まれると、お父さんは食道からの分泌物であるペンギンミルクを与えます。何も咥えていないのに口から何か与えているように見えるのはこれのことです。大人は歩くときに足の間にいる子どもを引きずっているので、子どもがバランスを崩したり、踏まれたりしがちです。ある程度成長すると、雪がふぶく氷点下にまでなる南極で、赤ちゃん同士が集まり身を寄せ合います。この群れは、外側にいた子と内側にいた子で交代制です。遠目から見るとグレーの子が固まってむちむちしていますが、これが暖を取っている赤ちゃんたちです。
この赤ちゃんの群れを襲う鳥もいます。赤ちゃんの中でも体が大きい子や勇敢な子が、くちばしでつついて追い払います。小さい子は内側に入ったり、敵から一番遠いところに回ろうとします。ところで、この南極にはもう一種類だけペンギンがいます。目の周りが白くて一見怖い、アデリーペンギンです。コウテイペンギンの子どもより一回り小さいアデリーペンギンの大人が、この赤ちゃんたちを鳥から守ってくれる場面も確認されています。ペンギン同士の絆があるんですね。

〇防水のつるつるに成長
グレーの毛が抜け落ちて、下から防水性のある毛が覗きます。たまにハート型に抜けたりします。大人の毛に生え変われば、もう一人で狩りに出かけられるようになります。
巣も持たず、コロニーで生きる割には、絶対に自分の子ども以外には餌をやりません。勿論親に何かあって、帰ってこない孤児の場合でもです。自分の親・子どもは、鳴き声で聞き分けられるのだとか。

世界一過酷な子育てをするといわれるコウテイペンギン。大人に羽でぺちぺちされようとも、今日も南極では頑張ってよちよち生きています。

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Snow

小説を書くことやハンドメイドが趣味です。動物も勿論大好きです! 小柄なうさぎを飼っています。コーギーのような柄の、立ち耳のネザーランドドワーフです。

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