・はじめに
私にはかれこれ20年以上推しているゲームシリーズがあります。それがテイルズオブシリーズです。今回は近年のテイルズの中で私が一番面白いシナリオと感じキャラクターも大好きになり、サービス終了時には最後の1秒まで粘り廃人状態になるほどのショックを受け、多くのファンに惜しまれながらサービス終了したアプリ「テイルズオブクレストリア」をマンガ化した【テイルズオブクレストリア咎我人の罪歌】について紹介したいと思います。
・あらすじ
主人公のカナタは修道院を運営する父親と孤児たちの面倒を見ながら暮らしていた。修道院で共に暮らすミゼラに淡い恋心を抱いていたカナタ、ある日ミゼラの里親が決まるが彼女に悲劇が訪れる…父親の正体を知りミゼラを救うために激昂したカナタはその手で父親を殺め咎我人となってしまう。カナタを救おうとしたミゼラも罪を犯しカナタと共に執行者に追われる中、咎我鬼という存在に出会う。彼らの出会いの先にどんな運命が待ち受けているのだろうか。
・キャラクター紹介
【カナタ・ヒューガ】「みんなの笑顔は俺がちゃんと守ってあげるよ」
今作の主人公で純粋すぎるあまり人を怒らせてしまう発言もあるが人の幸せを願える優しい心の持ち主。修道院で共に暮らすミゼラに淡い恋心をいだいている。自分が見たものを素直に信じてしまうところがあり、父親や執行者を正義の存在だと信じ憧れていたが咎我人となったことで世界の在り方に疑問を持つ。
【ミゼラ】「カナタはなにも悪くない、罪人は私!カナタは違うの!」
今作のヒロインでカナタをなによりも尊く正しい存在と思っており、カナタに敵対する者には容赦がなく毒舌。特にカナタに悪影響を与える存在としてヴィシャスを隙あらば亡き者にしようとする。華奢で可愛らしい外見どおりと思いきやカナタの前ではか弱いふりをしてるだけで本当は強い。カナタから貰ったシラヌイの花の髪飾りは彼女の宝物。辛い未来が待っていた彼女にとってカナタは光そのもの。
【ヴィシャス】「だったら最後に選ばせてやるよ、罪に飲まれるか、罪を喰らうか…!」
咎我鬼と呼ばれる世界の敵。咎我人の国を探していたところカナタと出会いカナタにブラッドシンという己の罪を形どった力を与える。全て暴力で解決するような極悪人だが、パーティ内では意外に常識的なツッコミを言ってくるのが面白い。イカした腹筋の持ち主でその腹筋には罪の刻印が刻まれている。
【イージス・アルヴァ】「騎士道精神の元、お前たちに裁きを下すのは、俺という正義だ」
ミダスメグール軍の騎士団長。強い正義感の持ち主で咎我人は絶対悪だと思っている。辛い思いをしていた王妃に親身に接していたことで王妃に思いを寄せられる。PT内では常識人ポジションとしてまとめ役に徹しているが、他のキャラがぶっ飛んでいるのでツッコミ役にまわりがち。演技がド下手。彼のド下手な演技はアプリ版のシナリオをご覧ください。
【ユナ・アゼッタ】「ウソとわかるウソはフィクション言うんやで。よう覚えときや」
ジャーナリストでPTのお色気担当。息をするようにウソをつきカナタやイージスをからかったりするが、ジャーナリストとして真実を伝えたい思いは強い。大女優の親友がおり誰よりも彼女の演劇への想いを理解している。男性から情報を引き出しやすくするため色っぽい衣装とはんなりとした言葉遣いでいるらしい。
【オウレン】「わかってるわかってる。来週こそはちゃんと働くから。ね?」
無職のダメでヒモのおじさんで娘によく叱られている。だらしない彼に似合わないと言われるほどしっかりした妻がおり相思相愛である。PT内ではボケ担当で頼りなさげだが権力者とつながりがあるようだ。アプリ版では参戦して間もなくサービス終了してしまったため、これからのマンガ版での活躍が楽しみなキャラクター。私はアプリ版をプレイしたときオウレンの罪のシーンで一番泣きました。
※セリフなどは一部公式PV、原作アプリより引用
・考えさせられる世界観
今作最大の魅力は現実の問題をファンタジー要素に落とし込んだ秀逸な設定にあると思います。クレストリアの世界は全ての人間が「ビジョンオーブ」(現実で言うスマホ)を持つことを義務付けられており、ビジョンオーブで撮影したものを街や村の広場にある「ビジョンセントラル」(現実で言うテレビやSNS)に転映することが出来ます。
犯罪の場面を転映すると、映し出された人間を断罪するべきかビジョンオーブを通じて国民により決められます。断罪を願う声が多ければ咎我人とされ、執行者が咎我人を執行しにやってくるシステムです。
このシステムの欠点は悪意を持って転映すれば冤罪をかけることが出来ることです。国民は切り取られた場面だけを信じ、悪だと決めつけ自分たちは正義の側だから良いことに娯楽感覚で誹謗中傷します。これって現実の誹謗中傷の事件に似てませんか?現実でも実際には罪のない人が誹謗中傷され人生を破壊され命を落とすケースが後を絶ちませんよね。
先日ニュースで誹謗中傷をしたことがある人のインタビューで「軽い気持ちで書いた」とか「暇つぶしで書いた」などと言ってるのを見て、人を批判することを娯楽にする性根の腐ったクレストリアのモブみたいだと思いました。クレストリアはしっかり現実に基づいて描かれているんだなと改めて関心しましたし、現実の問題をファンタジー世界に落とし込んだ設定とストーリー…これぞテイルズオブシリーズです!
・アプリ版との違い
アプリ版は歴代テイルズオブシリーズのキャラクターがクレストリア世界の住人として登場するのですが、意外にもメインシナリオに関わってくるせいでテンポが悪いのとクレストリアキャラ達の活躍が少々半減していたように思います。たとえるなら長編アニメで原作に追いつかないようにするために、アニメオリジナルキャラを登場させオリジナル展開で引き伸ばすひと昔前のマンガ原作のアニメのようなテンポの悪さを感じました。
しかしコミカライズでは歴代キャラが登場しないので、テンポが良くカナタ達の活躍に集中できます。しかもアプリ版では基本立ち絵での表現だったため分かりづらかったり、印象が薄いと感じたシーンがマンガではより分かりやすく印象強いシーンへと変わりました。
※アプリ版のシナリオはファンの方がまとめてくれたものがYouTubeにあるので、興味があったらマンガ版とシナリオを比較しながら読むのも良いと思います。
・おわり
実はこの作品、いつ打ち切りになるかも分からない崖っぷちでシナリオライターさんが頭を下げて何とか連載している状態です。だから私はマナビーさんに行くと決めたときから絶対にこのマンガを紹介するコラムを書くと決めていました。これを書いてる今、マンガ版が原作が一番盛り上がっていたシナリオに入ったので「紹介するなら今だ!」と思い書きました。これからのマンガ版のシナリオは原作をプレイした人でも予測がつかないのでアプリ版をしか知らない人にもぜひ読んでほしいです。
もしこのコラムを読んで気になった方はマガポケですべて無料で読めるので、是非マガポケを入れて読んだらいいねボタンを押すようお願いします!
そして余裕があったら紙版の購入をお願いします!予約数と発売後1週間の売り上げで次の巻が出せるか決まるそうです!これを書いている時点では5巻まで出ています。
最後に原作の1章をCGアニメにした動画を載せておきます。13分と短くキャラの顔の雰囲気も違いますが素晴らしいクオリティなので興味のある方は見てみてください!
そしていつの日か家庭用ゲーム機で出ることを強く望みます!テイルズと言えば爽快感ある戦闘と声優さんの熱演から引き込まれる熱いシナリオなので彼らの旅路の結末をゲームで見届けたいです!【テイルズオブクレストリア】をなにとぞよろしくお願いいたします!