TSS #17-3

THRILL SHOCK SUSPENSE #17

2024年7月   変わらない評価を受ける名作推理ADVを紹介   愛及屋烏

東京サイコデミック

~公安調査庁特別事象科学情報分析室 特殊捜査事件簿~

Continuation from last page. 17-2 https://no-value.jp/column/69614/

捜査を操作するゲーム性

本作の捜査では、画像解析、映像解析といった科学捜査ツールを使って証拠物を集め、それらを“エビデンスボード”に貼り付けて事件を整理。

プレイヤーが能動的に事件を解決していく。厳密に決まったルートは存在しない為、自分自身で推理し、仮説を立て、証拠を集めて事件の真相を解明する。

ゲームプレイ中、実写で映し出される歩行者がただ歩いて流れていく監視カメラの映像を何分間もじっと見つめていなければいけないし、何種類もあるビデオを再生する為にデッキからいちいち取り外して交換する手間もあります(自分で換えます)。

音声データを調べるときも同様で、つまみをちまちまといじって、事件と関係ありそうな音を抜き出していく作業はなかなかに根気が必要です。お、おお……リアリティ。

ゲーム的にテンポが良いとは決して言えないですが、恐らくは、これこそがリアルで本格的な捜査。現実世界の刑事さん達も、こうした砂の中から針を探すような作業を経て、証拠をつかんでいるのでしょう。                                      この現実を再現するこだわりと、根気が必要になる程リアルな“ごっこ遊び”感が本作のオリジナリティーを生み出しています。

流石に操作要求が多すぎたのか、プレイヤーからレビューでの要望が多いとの事で早期の改善予定があるらしい。細かいUI修正や動画の倍速可能範囲の拡充等もあるとの事。

【画像解析】

入手した写真や動画を機材にかける事で、細かく調べる事ができます。写真を拡大して、細部を確認したり、動画を一時停止してフレーム毎に確認したり、気になる部分を調べてみましょう。

【エビデンスボード】

刑事・探偵モノで目にする、エビデンスボードには、入手した事件に関する写真や資料などの物証が貼られ、関係のある証拠物同士が線で結ばれ、事件が整理されます。

貼られた物証によって、調査が進展する事もあれば、真相から遠ざかる事もあります。

【音声分析】

音声分析・解析では、音の波形を視覚化して調べられます。

周波数(Hz:ヘルツ)ごとに聞こえてくる音の種類が違うので、音量調節をしながら証拠となる部分を抜き出しましょう。なんとなく聞き逃していた環境音にヒントが隠されていたりする事も。

収録シナリオ

収録された事件は五件。ゲームクリアは進行に詰まらなければ10時間前後といった所。

本筋と関係の無い証拠や情報を精査しているともっと時間はかかるだろう。

case1 人体自然発火現象

東京都新宿区・医療法人三洸製薬ビル地下駐車場にて、男性の遺体が発見される。

しかし、その遺体は両足を残して燃え尽きていたのだ。

周辺に火災の痕跡は無い。まるで被害者が独りでに発火したかの様に。

※1 人体自然発火現象(Spontaneous Human Combustion、SHC)は、状況的に見て人間の体が自然に発火したのだろうと推察されている現象や事件例に対する呼称である。原因については様々な推察がなされている。

case2 東京ファフロッキーズ事件

原宿の交差点にある歩道橋に降ってきた、頭のないバラバラの遺体

なんとそれは護送中に逃走し、行方不明だった異能教団教祖・山野井の物だった。

宿敵とも言える人物の唐突な死に動揺する面々だが、事件の真相を追う。

※2 ファフロツキーズ(英語: fafrotskies)もしくは怪雨(かいう)は、一定範囲に多数の物体が落下する現象のうち、雨・雪・黄砂・隕石の様なよく知られた原因によるものを除く、「その場にあるはずのないもの」が空から降ってくる現象を指す。

case3 赤坂神隠し事件

赤坂の老舗ホテルのエレベーターから、副総理と秘書二名が忽然と姿を消した。

各階の防犯カメラには三人が下りた形跡は残っていない――これは現代の神隠しなのか?

※3 人間がある日忽然と消え失せる現象。神域である山や森で、人が行方不明になったり、街や里からなんの前触れも無く失踪することを、神の仕業としてとらえた概念。古来から用いられていた表現だが、現代でも唐突な失踪のことをこの名称で呼ぶことがある。

case4 魔の三角海域事件 

総理が搭乗予定だった飛行機がロシア人の過激派の自爆テロによって墜落した。

空港までの渋滞によって、難を逃れた総理を除き、生存者は居ない

テロに対抗する為、大々的な改革を推し進める総理であったが……

ある日、杵島の元に一つのUSBメモリが届けられ、そこには飛行機内の音声が。

※4 バミューダトライアングル。通過中の船舶や飛行機が突如何の痕跡も残さず消息を絶つ海域であり、地球上のどこよりも多くの消息不明事件が起きており、多くの事件は原因が解明されているが、解明されなかったケースも多く存在するとされる。

case5 東京〇〇〇事件

ネタバレになるので事件名には伏字を使う。過去の全ての事件がひっくり返ってしまう事件。

これまで影すら見せなかった存在が表に出てくる事でそもそもの前提が崩れてしまう。

過去の事件を振り返り、再検証を行い、潜んでいた存在、そして黒幕に挑む。

発売日に案件配信×2

新作発売に際し、プロモーションの為に配信者に案件を振る、というのも増えてきたが、東京サイコデミックも手堅い所を突いている。

最近、探偵ものの実況も増えてきた個人Ⅴの『名取さな』がまず一人。(よく、にじさんじ等の大手所属Ⅴだと誤解される系の有力個人勢である)

【東京サイコデミック】名取探偵事務所、本格的科学捜査導入!

ゲームの出来に大はしゃぎ、場面場面で芸達者な演技を披露。視聴者を喜ばしてくれた。

初手でいきなり、過去に興味から人体自然発火現象を調べたエピソードを披露し、それが何と本件の解答ドンピシャ、というウルトラCをかました。

他には仲間のメカニックにときめいたコメントを残したリスナーを発見し、話を膨らました為に若干のカオスに。

収監された所長に会いに行く場面では、解像度高めのツンデレ探偵キャラが爆誕した。

解決パートでは設問の一箇所に苦戦し、満点解答は断念し、視聴者達に後を託すというプロモーション的には満点のオチで配信を終えた。

科学捜査で超常現象に立ち向かえ!

【東京サイコデミック ~公安調査庁特別事象科学情報分析室 特殊捜査事件簿~】

もう一人は私のコラムで前に紹介した事のある推理ADV好きの実況者『のら猫』氏である。                       それこそ案件じゃなくても、そのうち実況配信してたのは確実だが、初案件なので微妙に緊張の様子だった。

細かい操作には苦戦気味だったが、最後の回答パートは流石の実力。

ノーセーブでストレートに正答に辿り着き、完全勝利で配信を終え、個人的(案件は一章のみ)に続きを配信すると予告し、続きの2、3章も配信してくれた。(一応、四章まで配信は許諾されている)

その続きの方でも、やはり回答パートに苦戦していないのは流石である。

発売日以降、ちらほらと案件で配信している実況者やⅤもいるが、初日に有力所を持ってくる辺り、中々の戦略眼を感じる。

後述

久しぶりの新作だったが、かなり楽しめた。                                                      トロコンまで満喫後、即売って3000円だったので、実質1900円で楽しんでしまった。

明らかに2を見越したドラマの終わり方だったのは不安だが、続編があるなら期待したい。

黒幕は最初から隠していないというか、此奴だろうな感は凄い。                                               訓練されたプレイヤーなら、冒頭の世界観の説明の時点で疑うレベルだろう。

異能力を扱う探偵物自体を忌避する層もいるだろうが、本作は使い方が上手い。                                   異能力自体はオカルトの範疇だが、それを追う手法は科学技術オンリーである。                                                  しかも、言及する割には異能の気配は見えてこない。

1~4章までを踏まえての5章のカタルシスは実に気持ちが良い。

END.

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愛及屋烏

ゲーム好き、小説好き、アニメ好き、三役揃いの物書きの端くれ。 ピンチに陥っても、それはそれで気楽にやるタイプ。 ●好きな言葉:続編・クロスオーバー・オールスター・アンサーソング・データ引継ぎ ●好きなゲーム:DQ・軌跡&イース・スパロボ・ゼルダ・神宮寺・逆裁・ラチェクラ ●好きなサブカル:ロボ全般・特撮全般・少、青年誌系 ●好きなドラマ:科捜研・相棒・CSI・キャッスル・十津川警部・赤い霊柩車 ●利用ソシャゲ:へプバン・ギアスロススト・Dr.STバトクラ・シンフォギアXD・スパロボDD・うたわれLF・ギター少女・勇者の飯 ●経歴:宮城出身、30代、なろう出版経験有 ●現在:脳梗塞療養にともないリハビリ&失業中

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