2024年10月 メモ書きコラムSS編 愛及屋烏
azuraiiru / イスラーフィール
Continuation from last page. 5-2 https://no-value.jp/column/74994/
淡海乃海 水面が揺れる時
概要
『淡海乃海 水面が揺れる時』は、著:イスラーフィールの「小説家になろう」発の人気作品。なろうでの連載開始は2016年。現在の最終更新は2024-6/6。
出版に際し、お約束なのか「~三英傑に嫌われた不運な男、朽木基綱の逆襲~」の副題が付いている。
キャラクターデザイン・イラストは碧風羽、文庫版に短編漫画を寄せていた、もとむらえりが「comicコロナ(コロナEX))」にてコミカライズをweb連載中。ニコニコ漫画や他でも読める。 SSR級の画力なので俗に言うコミカライズガチャは成功している。人気作で2021年に舞台化もされた。
前コラムでイスラフィール(azuraiiru)が銀英伝の二次創作をしていたのは前ページで記したが、面白いのがコミカライズ版のもとむらえりは銀英伝の田中芳樹の時代小説『風よ、万里を翔けよ』の漫画化もしているのである。
あらすじ
一五五〇年。 足利将軍家が三好家に追放され、室町幕府の崩壊が始まった歴史的な年。
近江にある小領地・朽木にわずか二歳にして当主へ就任した少年がいた。
その名は朽木基綱【竹若丸】。
実は竹若丸は歴史好きな現代日本人の生まれ変わりであった。
天下布武に想いを馳せる彼の前には、財政難、人材不足、狡猾な他領の計略など数々の試練が襲いかかる。
だが、歴史を知る基綱は屈しない。圧倒的な知識と交渉術、豪胆さを武器に乱世を駆け抜けていくのだった。
朽木基綱(史実)
朽木 元綱(くつき もとつな)は、戦国時代から江戸時代前期にかけて、朽木谷を支配した土豪、寄合旗本。 信長の『朽木越え』や『関ヶ原の寝返り』で有名。 父は朽木晴綱、母は飛鳥井雅綱の娘。子に宣綱、友綱、稙綱、娘(堀直政室)。
天文19年(1550年)に父・晴綱が戦死したため、わずか2歳で家督を継承した。 天文22年(1553年)より三好長慶に京都を追われた、13代将軍・足利義輝を父に引き続き、朽木谷に匿った。
戦国時代の天下統一者、織田・豊臣・徳川の全てに関わるも、その関係には恵まれず、厚遇とはいかなかった。
羽林、乱世を翔る(異伝 淡海乃海 水面が揺れる時)
二歳に当主は無理だろう、というある意味真っ当な『余計な真似』に加えて、変わり者の竹若丸では幕府を見限るのではないか?と室町幕府が危惧した(既に見限っていた)結果、体良く干渉が出来そうな叔父が当主に推され、家を割る危険を避ける為、母方の飛鳥井家--つまり、公家に養子に行く羽目になった、基綱の公家ifルート。
公家という立場なので、ある意味では当主ルートよりも好き勝手している。公家なので『おじゃる』言葉。
キャラクターデザインは同じで碧風羽、こちらの漫画化は戦国系の書籍の作画などを多くしている、藤科遥市。
著者の二次創作のココア閣下のブランシュバイク婿入りルートに比較的、近い。 公家の立場から信長を助ける流れなので、逆にラインハルトは信長枠だったという事になるのか。
あらすじ
一五五〇年。足利将軍家が三好家に追放され、室町幕府の崩壊が始まった歴史的な年。近江の小領地、朽木の次期当主・竹若丸(二歳)には、領地を豊かにし民を笑顔にする夢があった。 実は「歴史好きな現代日本人の転生者」である彼にはその為の知識もある。
だが、父晴綱の戦死によってその願いは脆くも崩れ去る。 次期当主の座を叔父に譲り、公家へと養子に出たからだ。
生きる意味を失った諦念の中、彼に怖いものなどない。 大家に啖呵を切り、関白の懐刀として名を轟かせていく。
その折、竹若丸はとある男と出会う。 ──天下人の夢半ばで散った武将、織田信長。
この邂逅が新たな天下布武を作り出す。最強の武将と異端の軍師の誕生の瞬間を刮目せよ!
大人気戦国サバイバル「淡海乃海 水面が揺れる時」の外伝、開幕!!
後述
azuraiiruの作品群からは、歴史を俯瞰する視点を持った主人公達の時に見せる絶対零度の振る舞いを楽しめる。ある種のツッコミ所になりかねない軍事・政治的な失点や失着を容赦なく攻撃する様は痺れる。
彼の様に二次創作界隈の架空戦記作者が「なろう」等で商業デビュー、というのは昨今では割とあるケース。考えてみれば、自分も出版前に二次もAAを使ってのSSもやっていたが。
兎に角、二次でも良いのでとりあえず何か書いてみるのは物書きの始まりとしては多いようだ。
END.