SYSTEM COLLABO`s GAME #04
2024年9月 他所の土俵で作られた名or迷作ゲーム 愛及屋烏
ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城
ドラゴンクエストヒーローズII 双子の王と予言の終わり
ドラゴンクエスト×無双シリーズ
Continuation from last page. 5-1 https://no-value.jp/column/80477/
評価された点
・『ドラゴンクエスト』と『無双』が自然に融合している点。
無双シリーズのように数多の敵を薙ぎ払う爽快感を持ちつつ、ドラゴンクエストの世界観などは決して損なわれていない。特技や呪文はバリエーションが豊富で無双シリーズとはまた違った新鮮な操作感を提供してくれる。
HPやMP、ダメージなどがゲージではなく、数値として表示されたり、敵の種類が豊富なのも「ドラゴンクエストをやっている」という感覚を与えてくれる。
呪文を発動する時のSEや、ルーラの仕様(移動の時に高速で空を翔ける、天井の有る所で使うと頭をぶつける)等、細かい所まで原作再現が行き届いている。
・巨大戦の醍醐味。
ゲーム中では節目節目でボスの巨大モンスターとの戦いが差し挟まれ、それぞれに弱点や攻略法が存在し、ステージギミックを上手く使った戦いとなる。
これは『討鬼伝』の要素を取り込んだものとの事。 特に原作のドラクエでも巨大なモンスターとして描写されていた、ドラクエⅤの「ブオーン」のデカさは圧倒される事しきり。 DLC専用となるが戦う事もできる。
・原作を活かした多彩なキャラクター性。
片手剣で万能なオリジナル枠のアクト/メーア。 弓による遠距離狙撃型のビアンカ。 慣れると空中と地上で3次元戦闘ができるマーニャ。 溜め攻撃による大ダメージのヤンガス等、各キャラの操作感が全く違う為に飽きが来ない。
操作に多少のコツが必要な場合はあるものの、概ね攻撃ボタンを連打するだけで敵を薙ぎ倒していける所は全キャラで共通している。簡単操作で多彩な差別化が測られている。
シリーズキャラは概ね原作の設定(『4』は会話システムが整備されたリメイク版準拠)を反映しており、イベントシーンや酒場ではシリーズを超越した掛け合いが楽しめる。
・「モンスターコイン」によるモンスターとの共闘システム
『5』で登場した「モンスターを仲間にする」システムを反映させたものであり、本作の目玉システムの一つ。タワーディフェンスゲームの要素も取り込まれている本作では、モンスターの特徴を見極めつつどう配置するか、どのタイミングで使うのかという戦略性を求められる。
ゴーレムやキラーマシンなど原作で強キャラと言われていたモンスターは本作でも頼りになる仲間として戦ってくれる。
仲間になるモンスターにはちゃんと一体一体名前が付けられている。 中には『バトルレックス』の『ドランゴ』(DQ6)、 『ホイミスライム』の『ホイミン』(DQ4)等の懐かしい名前も。
参戦キャラクター・1
他作品からのキャラに関しては「そのキャラの出身世界からいきなりヒーローズの世界に飛ばされてきた」という設定になっており、神鳥レティスがその橋渡し役となっている。
例外はゼシカとヤンガス、ピサロの3名で、前者2人は予め原作8でも協力関係にあるレティス(ラーミア)から、世界の事情を知らされた上の言わば援軍として送り込まれており、後者は同胞(魔物)を操り、利用している輩を懲らしめるべく、自分の意志でやって来ている。
基本的に原作終了後の時系列から飛ばされてきている中、ビアンカとフローラの二人のみ結婚イベントの真っ最中(どちらが選ばれるか決まる日の前夜)という、とんでもないタイミングで飛ばされてきている(ルドマンは違うようだ)。
「ちゃんと 花嫁を 選ぶまでは 旅に出るわけには いかない!」などと主人公が考えている最中に選ばれる花嫁が突如異世界へ飛んでいったのだから本編の世界もビックリだろう。
ドラクエⅣ・アリーナ、クリフト、マーニャ、ピサロ ドラクエⅤ・ビアンカ、フローラ ドラクエⅥ・テリー ドラクエⅧ・ヤンガス、ゼシカ
総評・1
ドラゴンクエストシリーズ初のアクションRPG・外注作でありながら、それなりの完成度を誇っている。コーエーの特徴というべきか、余所の題材を預けられると頑張ってくれる。
シナリオ面やシステム面で課題が残る出来ではあるが、決定的に破綻している様な部分がある訳ではない。
一方で、肝心の戦闘部分が単調な出来であることに加え、プレイする上での快適さの欠如が散見されるなど、全体的な評価としては不満が残る出来となった。
そもそも本家の無双自体が三国志事態に詳しければストーリー面はやがて飽きるし、戦闘も育成が終わってしまえば、最後は単調になるのだが。
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