こんにちは。ラーメン君です。「障害を持って生きるということ」第6回目になります。今回のテーマはボッチャです。ボッチャはパラリンピックの正式種目にもなっている競技です。残念ながら来年に延期となってしまいましたが、日本には東京パラリンピックでの金メダル獲得を期待したいですね。私はボッチャを遊び程度ではありますが、何度かやったことがあり、ボッチャについていろいろと知りたいと思ったので、今回この記事を書こうと思いました。
1.ボッチャとは?
赤と青のボールを投げ合い、ジャックボールという白の的玉にどちらが近づけられるかを競うスポーツです。ボッチャは、ヨーロッパが発祥と言われているようです。重度の脳性マヒや同程度の四肢の重度の機能障害を持った人たちのためにヨーロッパで考案されたスポーツで、パラリンピックの正式種目としても採用されています。1988年のソウル大会よりパラリンピックの正式種目となりました。日本では1997年に日本協会が設立されました。その後2014年に般社団法人 日本ユニバーサルボッチャ連盟が設立されました。
2.私が感じたボッチャの魅力
私は多少ではありますが、レクリエーションでボッチャの経験があります。その時に私が感じたボッチャの魅力についてお話したいと思います。
●体力に自信がなくても大丈夫です!
スポーツをする時には、体力が必要だと思います。もちろんボッチャをやるうえでも必要なことではありますが、他のスポーツと比べると、激しい動きなどの必要がないので、体力に自信がない方も楽しめるスポーツだと思います。
●難しいことを考えずに楽しめます!
ボッチャは、難しいルールは少ないと思います。公式戦の場合には、覚えなくてはいけないルールはいろいろあるとは思いますが、レクリエーションでボッチャを楽しむ場合には、ルールを多少アレンジすることも可能です。例えば、ジャックボールまでの距離が遠くてなかなか届かないというときは、少し近づいてボールを投げられるようにすると良いと思います。
●初心者でも勝てるチャンスがあります!
ボッチャは、ジャックボールに近づけるようにして投げることはもちろんですが、状況を考えながら、相手のボールを弾いてジャックボールから遠ざけたり、ジャックボール自体を弾くことで、試合の流れを変えるということもできます。初心者でも一発逆転のチャンスのあるスポーツだと思います。
3.ボッチャのルール
*今回の記事では、レクリエーションでボッチャをすることを想定していきたいと思いますので、公式戦のルールとは異なる部分があります。
①まずは赤チームと青チームに分かれます。
②ボールの数は両チーム6球ずつになります。
*チームの人数は制限はなくても良いと思いますが、6球ということを考えると、1~3人くらいが良いと思います。(1人なら6球、2人なら3球、3人なら2球ずつ投げることができます。)
⓷コートについて
ボッチャで使用されるコートについてお話します。
*公式戦で使用されるコートとは異なる部分があります。
■スローイングゾーン
各選手は自分のスローイングゾーンからボールを投げます。
*ジャックボールまでの距離などにより届かない場合などは、多少移動しても良いと思います。
■ジャックボール無効ゾーンと有効ゾーン
ジャックボール有効ゾーンまである程度の距離がありますが、例えばジャックボールを投げる選手が、あまりにも自分の近くにボールを投げてしまうということを防ぐためのものだと考えられます。
*有効ゾーンに届かない場合には、再度ジャックボールを投げます。
■コート外に出たボールについて
まず赤と青のボールについてですが、ボールを投げる際や、弾かれた際にコートから出てしまったボールはゲームから除外されます。(除外された分のボールは再度投げることはできません。)
ジャックボールについては、最初に投げる際にコートから出てしまった場合には、再度有効ゾーンに入るように投げます。ジャックボールが弾かれてコート外へ出た場合には、審判がジャックボールを投げることになります。
④試合開始です。
上の図を使って説明します。
■今回は両チームともに3人の選手がいるものとします。各選手持ち球は2球ずつです。(図では状況説明のために、赤と青が1球ずつ投げ終えた状況となっています。)
■じゃんけんなどでどちらのチームが先攻を取るかを決めます。
■先攻のチームの選手が白いジャックボールを投げます。
■ジャックボールを投げた選手が続けて自分のボールを投げます。
■次に相手チームの選手がボールを投げます。
■次にジャックボールから遠いチームの選手がボールを投げます。
■ボールを投げた時、またはボールが弾かれた時に、コートから出てしまったボールはゲームから除外されます。ジャックボールがコートから出てしまった場合には、審判が改めてジャックボールを投げます。
■両チームが6球ずつ投げ終えたら試合終了です。
④試合終了後の得点について
■全てのボールを投げ終えた状況の図を用意してみました。
■わかりやすく説明するために極端な状況になっています。
■得点は勝利チームにのみ入ります。(何度か試合を行って、合計得点の高いチームの勝利となります。)
■まずはジャックボールに一番近いボールを探します。(図の場合には赤になります。)この時点でこの試合の勝利チームは赤になります。
■それでは、今回の赤チームの得点は何点になるのかを見ていきます。一番近い青いボールよりも赤いボールが何個近いのかにより得点が決まります。
■ジャックボールに一番近い青いボールよりも、近い赤いボールがもう1つありますので、2-0で赤チームの勝利になります。
4.戦況を変えるテクニック
ボッチャの基本は、ジャックボールに近づけるように投げることです。しかし、既に相手のボールが近くにある場合には、それが難しくなってしまうことがあります。そういう時には、そのボールを弾いて戦況を変えるという方法があります。うまくボールを弾いた時には何とも言えない気持ちよさがあります(笑)
例1
1つ目の例になります。ジャックボールには青いボールが一番近い状況になっています。再生していただくとわかると思いますが、上から3番目の赤いボールを転がして、青いボールを弾きます。更に弾かれた青いボールがジャックボールを弾いて、奥にある赤いボールに近づいて赤チームが有利な状況に変わりました。
例2
続いて2つ目の例になります。こちらは多少難しいかもしれません。赤いボールが2つジャックボールに近い状況になっています。上から6番目の青いボールを斜めに転がします。ジャックボールと、その左側の赤いボールの間に割って入るような形でボールを弾きます。赤いボール2つを遠ざけるとともに、ジャックボールが右に弾かれて、青いボールに近づきました。転がした青いボールと合わせて、逆に青いボールが2つジャックボールに近いという状況を作り出すことに成功です!
5.ボッチャで使用される用具
ボッチャで使用される主な用具を紹介します。
まずはボールです。白いボール(ジャックボール)が1球、赤と青のボールが6球ずつ必要になります。購入する場合には、2万円~7万円くらいかかるものがあるようです。
一般財団法人日本ボッチャ協会より画像引用
http://www.japan-boccia.net/goods.html
●ボールがない時は?
ボッチャのボールはとても高額なため、なかなか購入するということは難しいかもしれません。そのような場合には、テニスボールを代用品として使用したり、新聞紙でボールを作ることで代用している場合もあるようです。しかし代用品は当然公式の試合に使用することはできません。そして代用品は実際のボールとは使用感なども異なるため、公式の大会などを目指して練習する場合には、本物のボールを用意したほうが良いと思います。
こちらはランプという用具です。ボールを投げることが難しい方は、これを利用してボールを転がすことができます。いろいろなタイプのランプがあるようで、値段は3万円以上かかる可能性があるようです。レクリエーションなどでボッチャを楽しむ場合には、段ボールなどでランプを手作りしていることもあるようです。
一般財団法人日本ボッチャ協会より画像引用
http://www.japan-boccia.net/goods.html
こちらは、ヘッドポインタ―という用具です。手を使ってボールを投げることができない方のための用具です。頭の部分でボールを固定しながら、ランプでボールを転がすことができます。
株式会社アポワテックより画像引用
http://www.apowatec.com/contents2/
ヘッドポインターの使用方法はこちらをご覧ください。
https://sports.nhk.or.jp/paralympic/article/note/293509/
以上で今回の記事を終わります。いかがでしたか?ボッチャは障害のある方のために考案されたスポーツではありますが、誰でも楽しむことができるスポーツです。これからもっとボッチャが広まって、誰でも知っているようなメジャーなスポーツになってほしいと思います。