LATER SEQUELS SERIES #11
2024年11月 後年になって続編orリメイクが作られたシリーズ 愛及屋烏
スーパーマリオRPG (SFC 1996)
スーパーマリオRPG (Switch 2023)
Continuation from last page. 11-1 https://no-value.jp/column/88933/
ゲームシステム
マップアクション
マリオらしいアクション性を重視した作りになっており、移動中のフィールド内ではBジャンプやYダッシュなどのアクションが可能である。 とある場面ではシリーズおなじみテクニックの一つ「しゃがみ滑り」もできる。
ジャンプして障害物や段差の上に乗ったり等、お馴染みのアクションを従来通りの感覚で違和感なく出せる。
またフィールド上のギミックもマリオ由来のものに置き換えられている。
例えば本シリーズの宝箱は頭上に浮く?ブロックであり、下からジャンプして叩いて開ける。
アイテム、武器・防具・アクセサリー等の装備、コインの他、本作では体当たりによってエンカウント無しで敵を倒せる(経験値も通常通りに加算される)スター、といったマリオならではの物もある。
戦闘システム
ジャンルはアクションRPGだが、戦闘はコマンド式のターン制バトル。
一方でタイミングを合わせてボタンを押したり連打する事によって、攻撃の威力が強くなったり、敵からのダメージを防げる、という形で若干のアクション性を持たせている(アクションコマンドと呼ばれる)。
武器や技などによってタイミングが異なる為、決して単調な戦闘にはならない。
敵の中には攻撃のコマンドを成功させない限り、一切ダメージを与えられない者もいる(テレサ等)。
また、防御時にボタンを押した時でも、タイミングが概ね合っている場合の普通の防御と、完璧にタイミングが合った場合にダメージを完全に0にする「ジャストガード」の2種類がある。
一部の敵の即死攻撃は普通のガードだとHPが1まで減少するが、ジャストガードだとこれすらもノーダメージで切り抜ける事が可能な為、習熟する意義は非常に大きい。これを利用した『ノーダメージ縛り』を行う剛の者もいる。
このシステムは後続のマリオシリーズのRPG作品は勿論の事、のちの任天堂RPG作品の一部、スクウェア系列の作品でも『FFVIII』、『LRFFXIII』や『キングダム ハーツ Re:コーデッド』等に導入されている。
キノコやハニーシロップ等の消費アイテムを使用した際、一定確率で「当たりが出たのでもう1コ!」と言うメッセージが挿入され、アイテム消費がチャラになる事がある。
種類など制約は無く、消費アイテムであれば全アイテムが対象となる。
特定の敵を倒すと、トドメを刺したキャラを対象に「HP全快(HP MAX)」「攻撃or防御上昇(ATTACK UP!)(DEFENSE UP!)」といった恩恵をもたらすボーナスフラワーが出現する事があり、戦闘を有利に進めることが出来る。
上記以外に「LUCKY!」のボーナスフラワーを取得すると、戦闘終了後に選択次第で『ヨッシーのタマゴあて』のミニゲームが始まり、その結果次第で取得経験値が二倍、等倍、没収と変化する。 (SFC版はシャッフル演出自体はあるのだが当たりの場所はランダムで完全に運。Switch版は当たりのタマゴの行方を追って、目視で当てられる)
エンカウント
シンボルエンカウント方式だが、マリオを積極的に追跡してくる様な敵シンボルは殆どおらず、ジャンプとダッシュによる高い機動力のお陰で他作品のシンボル方式よりは、戦闘自体を回避しやすい。
一定時間無敵になるアイテム「スター」を取って敵のシンボルに体当たりすると敵シンボルを吹き飛ばし、その度に一定の経験値を得られる。 本家のスターの爽快感をシンボルエンカウント式RPGに落とし込んだユニークなシステム。 SFC版ではゲームオーバー時には、獲得した経験値を持越した上でアイテムの入手状態をキャンセルし、セーブポイントへ戻す形式だった。これにより、スターも復活するのを利用する小技が存在した。
育成システム
レベルアップすると、ボーナスとして任意の能力値を更に上昇させられる。
ステータスはHP、物理攻撃/防御、魔法攻撃/防御の3種類から選択できる。
レベルに応じ、時々に伸び率の良い項目があり、それを選んでおけば無難に強くなれる。 1/1しか伸びない項目は選ばずに3/2等の合計で5程度伸びる項目を選び、成長率の高い時に選ばなかった分を回収する感じ。
攻撃系のパラメータは物理・魔法を問わず一度に2~3上がるケースもある。
その気になればレベルアップボーナスを1種類で縛る『極振り』プレイングも可能だが、本作のレベルは最大30までであり、どの値を上げるかの選択は地味に重要なポイントとなる。
評価された点
マリオシリーズならではのアクション性を活かした作り
シリーズを活かすという意味ではこの上なく最適な作りであり、単純にキャラクターをマップで動かしているだけでも楽しい。
シリーズのお約束を覆す意表を突いたシナリオ設定
「いつものように」クッパを倒し、「いつものように」ピーチ姫を助けにゆく……という序盤の展開は、シリーズお約束展開のメタネタ。
そして「いつものように」クッパ城でクッパを懲らしめ、ピーチ姫を救い出してめでたしめでたし……と思いきや、マリオワールドそのものの侵略を目論む強大な敵が姿を現すという、意表を突いた展開になっている。
この序盤の展開は後のRPGシリーズの多くにも新たな「お約束」として概ね引き継がれている。強大な第三勢力の出現で既存の敵味方が共闘する、というのも「お約束」となった。
クッパ城に刺さった巨大な剣をはじめとして、RPGには欠かせない剣や槍と言った武器をモチーフにした敵役もほどよい異物感を持ち、「異世界からの侵略者」という本作の悪役に最適な存在と言える。
丁寧なキャラクターの作り
敵の異質さもまた、いつもとちょっとちがうマリオの冒険を演出しており、後のマリオRPGシリーズの中でも際立って異色な趣を放っている。
後年のペーパーマリオシリーズのオリガミキングにて、彼らカジオ―(鍛冶王)軍団を意識したような敵勢力、ブンボ―(文房具)軍団が誕生している。
そんな敵の異質さとは裏腹に、大半はマリオシリーズならではのほのぼのとした世界観を尊重しており、明るく暖かい雰囲気で綴られるストーリーが高く評価されている。
侵略者であるカジオ―軍団の大半が外見や言動に武器の冷たさ・怖さを感じる所か、非常にユーモラス(例・村丸ごと人質に取るが村長への拷問がくすぐり)で、敵組織の勢力図が完全に製造部門の上下関係そのものだったり、出世に命をかけるサラリーマンの鑑や日アサチックな「この世の悪を守る悪の戦隊」が存在する。
to be next page. 11-3 https://no-value.jp/column/89263/