LATER SEQUELS SERIES #11
2024年11月 後年になって続編orリメイクが作られたシリーズ 愛及屋烏
スーパーマリオRPG (SFC 1996)
スーパーマリオRPG (Switch 2023)
Continuation from last page. 11-2 https://no-value.jp/column/88939/
概要・2
『スーパーマリオRPG』(タイトルはそのまま)はシリーズ初のRPGとして高い評価を得た、SFC版『スーパーマリオRPG』の27年越しのリメイク作品。 2023年11月17日発売。
Switch版の『ゼルダの伝説 夢をみる島』等と同様、2019年以降に散見される原典に忠実なリメイク作品となり、基本的なシナリオやグラフィックはSFC版を踏襲しつつ、Switchに合わせたUIや仕様の改善、快適に遊べる様な追加要素を多数盛り込んでいる。
共同開発のアルテピアッツァはエニックス発売のPCゲーム(『ジーザス』など)のグラフィックデザイナーの眞島真太郎が1989年に設立した会社。 ドラゴンクエストシリーズのPSリメイクやDS、iOSへの移植等を数多く手掛けている会社である。 また、同シリーズのタイトルロゴデザインや、公式ガイドブックで使われているイラスト等にも携わっている。
Switch版での変更点
新規難易度「エンジョイモード」
いわゆるイージーモードに相当し、敵のHP減少、獲得経験値増加、一度に持てるアイテム総数の増加といった支援効果を受けられる。
従来通りのノーマルモードもあり、設定からいつでも変更できる。 なお、逆に難易度が上がるモードは追加されていない。
アイテムに関する仕様変更
SFC版ではアイテムを29枠しか持てず、30個目のアイテムを拾った際は手持ちのアイテムをどれかひとつ破棄しなければならなかった。 例えば、キノコを五個持てば、それで五枠塞がる。 これにはプレイヤー達もかなりの不満が有った要素で、Switch版では同種のアイテムは一纏めに束ねる様になった上、全ての消費アイテムを所持制限まで同時に抱えて冒険する事が可能になり、多様・大量の物資を気兼ねなく持ち歩ける様になった。
それでも所持制限を超えたアイテムも破棄を強要される事はなく、マリオの家に追加された「預かりボックス」へ自動的に送られる。
ただし消費アイテムの所持制限数は、アイテムそれぞれで異なる値が設定されており、ノーマルモードでは強力なアイテムほど制限が厳しい傾向にある。
例えば、5コインという安価で買える割にドラクエの『世界樹の葉』枠な完全蘇生アイテム『ふっかつドリンク』はSFC版の時点で強力過ぎたのでノーマルモードでは所持制限6個、他にも「ケロケロドリンク」は制限3個と、大きく制限をかけられた形になっている。
一品物の装備品やFPの上限を増やすアイテム全般が売却不可になった。
SFC版では通常のアイテム欄に入って枠を圧迫していた一部イベント用アイテムも「だいじなもの」の欄に移動している。
SFC版では終盤入手のため微妙に活かしにくかった「おしらせリング」が序盤入手に変更され、本来SFC版で手に入るはずだった場所では更に上位互換の装備が入手できるようになった。
ノーマルモードの場合、SFC版で表示されない効果が非常に強力だった「セーフティーリング」「ひまんパタこうら」「スーパージャンパー」の一部性能が弱体化(属性攻撃完全無効→ダメージ7割軽減)されている。エンジョイモードでは原作通り無効化性能のまま。
移動時の回復行動の時短化
非戦闘時にHPやFPを回復したい場合、SFC版ではまずメニュー画面を開いてからアイテム欄やスペシャルわざ欄を開く、という一手間を要していた。 これがSwitch版の場合、Xボタンひとつで消費アイテム選択欄が、Yボタンで回復スペシャルわざ選択欄が即座に開き、回復行動が時短化された。
戦闘中のメンバー入れ替え
仲間が4人以上いる場合、戦闘中にマリオ以外の2キャラを控えのメンバーとの交代が出来る様になった。マリオ以外がキノコ、カカシ化等の状態異常による行動不能や戦闘不能になった場合も即座に控えと入れ替える事が可能。
前線に出ている3キャラが戦闘不能になった上で、戦闘不能ではない控えが残っている場合、自動的に控えのメンバーへと入れ替わって、そのまま戦闘が継続する様になっている。
ふっかつドリンクやピーチの「おねがいカムバック」は、控えにいる戦闘不能のキャラには使えないので、戦闘不能状態の控えを前線に出すことも可能。
交代したキャラクターはその時点で行動ができる。
3人技の追加
パーティの3人で力を合わせ、強力な攻撃や補助効果のあるわざを使える。 使用するには画面左下にある「アクションゲージ」を100%まで貯める必要がありアクションコマンドを成功させることで徐々に溜まっていく。
わざの効果や演出はマリオ以外のメンバー構成によって全く別のものに変化する(全6種類)。発動中のムービーは少々長いが、スキップ可能。
初めて仲間が3人揃うユミンパ戦にて解禁される。 SFC版からあるユミンパによるコマンド封じの流れを上手く活用した解禁となっており、違和感なく導入されている。
仲間が3人揃うまでや誰かが行動不能になっている時は、ランダムで何らかの効果をもたらす「おたすけキノピオ」が代わりに使用可能。
チェイン
攻撃・防御のアクションコマンドをジャスト、通常かは問わずに連続で成功させ続けると、画面左の「チェイン」カウントが増加していき、前線に出ている仲間キャラの「仲間ボーナス」に設定されたステータス上昇ボーナスが、仲間全員に発生する。
このボーナスは5チェイン以上で上昇量が最大になり、バトル終了を挟んでも現状のチェイン数は維持されるので、ボス前にザコ戦で溜めておく作戦も有り。 しかし、アクションコマンドを一度でも失敗してしまうと、チェインは途切れ、またゼロからのカウントとなる。
「仲間ボーナス」は仲間一人一人に異なる効能が設定されている。 例えばマロは「魔法攻撃アップ」のボーナスを備えており、チェイン時にマロを前線に出すだけで味方全員のスペシャルわざ威力が強化される。
なお、パーティで固定となるマリオは「ゲージ増加量アップ」のボーナスを備えており、アクションコマンドを成功させるほどゲージが貯まりやすくなる。
また、5チェイン以上に達すると密かに、戦闘BGMが楽曲パート増加という形で少し変化する。
通常攻撃の強化
通常攻撃のアクションコマンドを完璧なタイミングで成功させた時、対象以外の敵全員に余波で少量のダメージを与えられるようになった。
上手く分散させれば敵の全滅も容易になるし、通常攻撃を当てると即死技で反撃してくる敵にも有効。
また、ジャストガードの際もシールドのエフェクトが新たに追加されている。
「かきゅう」や「ウィルオーウィスプ」など、SFC版では不可だった一部の技が、ガード可になっている。
戦闘の仕様変更
敵のHPが後僅かになると、名前の下に「ひんし」と表示され、追い込んでいる事がわかりやすくなった(ただしザコのみ)
敵味方問わず、属性攻撃や状態異常攻撃が耐性で無効化された時に、「むこう」と表示されるようになった。
強化再戦ボス
ストーリークリア後に更に手強くなった一部のボスたちとの再戦が可能。いずれのボスもラスボスを凌駕する戦闘力を誇る高難度コンテンツとなっている。
倒すとSwitch版オリジナルの追加装備品等が入手できる。
「ちず」に新機能追加
SFC版では、ワールドマップの全景と現在地を表示するだけの機能しかなかった「ちず」に、Switch版では新たにファストトラベル機能が追加された。
ワールドマップを介さず町から町へ即座に移動できるのは勿論、この機能はダンジョンの中から町へ直接帰還する緊急脱出手段にも使える。更に一部ダンジョンには、複数のアクセスポイントが設けられている場合がある。
例えば「ちず」で「ちんぼつ船」を選ぶと、最奥を一度でも訪れていれば「ちんぼつ船 入口」の他に「かいぞくのアジト」の選択肢が追加され、即座に最奥部に飛ぶことが可能。
モンスターリスト
倒した事の有るモンスターの情報が記録されていく図鑑。 HPや取得経験値、弱点等の情報はもちろんの事、メタ発言やパロディなど良くも悪くもネタ要素全開の書き下ろしの解説文やマロの技「なにかんがえてるの」で表示される内容も見返す事ができる。
ただし「なにかんがえてるの」の内容はただバトルで倒すだけでは記載されず、実際にバトル中に心を覗く必要がある。
ボス敵などの調査を忘れた場合は、イガ谷の谷間に隠れている謎の人物にカエルコインを払えば未登録の敵の中からランダムでリストへ記載してくれる。冒頭のクッパなど、マロ加入以前にしか戦えない敵は無料で記載してくれる。
ブッキーやドドなど「状況によっては戦うことになる敵」は、戦わなかった場合でもイベントが終わると自動的に記録される。よって一度のプレイで記録漏れが発生することはない。
きょうてき
エンカウントする敵のうち1体がたまに強化個体の「きょうてき」に変化する事がある。
通常個体から各ステータスが大きく強化され危険度が高い上に、モンスター選択時に「きょうてき」と表示される以外に外見の変化も無い。
倒せば確定でカエルコインが手に入るほか、獲得経験値やコインも通常個体より多くなっている。
たびのアルバム
いわゆるあらすじ機能。ストーリー中の一部シーンが日記のように書き綴られている。
任天堂のゲストキャラであるリンクやサムスとの遭遇など、ストーリーとは関係のないミニイベントの一部も記録される。
期間限定のシーンは存在しないが、コンプリートしても特に報酬などはない。
プレイきろく
全体の記録、バトルの記録、ミニゲームの記録、カジノの記録が確認可能。 クリア後に解禁される。
後述
実に27年ぶりに蘇ったマリオのRPGシリーズの「原点」。
多くのファンの想定や願いのとおりSFC版の雰囲気は極力そのままで細かい不満点が解消され、様々な追加要素も違和感なく溶け込んでいる。
また「3人わざ」やエンジョイモードなどの追加は遊び易さの向上にも繋がり、RPGに慣れていない人でも手軽にバトルを楽しめる様になっている。
『ファンが望んだリメイク作品のお手本』といって良い程であり、まさしく SFC版をやった事のない人もOK、SFC版をやり尽くした人も満足させる 、万人が楽しめるリメイク版といったゲームに仕上がっている。
END.