NEW GAME Ⅰ BOUGHT #02
2024年11月 近年で新作で買ったゲームの紹介 愛及屋烏
ゼルダの伝説 知恵のかりもの
リンクを失ったハイラルで
ゼルダ姫がゆく “カリモノ” の旅
Continuation from last page. 2-2 https://no-value.jp/column/90080/
ゲームシステム
本作は『夢をみる島』同様の見下ろし型のトップビュー、あるいは横スクロールゲームの様なサイドビューの2種類のマップからなる、所謂2Dゼルダ式のゲームシステムとなっている。
ただし、これまでの2Dゼルダとは異なり、コントローラーのZLボタンを押す事で対象をロックオン(ZL注目)したり、過去作にあった『ロック鳥の羽』の様な特別なアイテムがなくとも、自由にジャンプしたりが出来る、3Dゼルダの要素が新たに追加されている。
特に縦横だけでなく、高さ方向に空間が広がった事で、これまでは通行不可能が当たり前だった、木の上や崖の上といった場所にもちゃんと行く事が出来る様になっており、後述するカリモノやシンクという能力が組み合わさる事で、まさにハイラルのどこへでも行ける高い自由さが表れている。
今回の主人公のゼルダ姫は剣士であるリンクとは異なり、剣を始めとする武器を直接、振るう事が出来ない。 一応、ダッシュ手段であるスピン(横回転)をする事で草刈り(ルピー集め)くらいは出来るが、その程度である。後々、アクセサリーを装備する事でスピンにノックバック効果を付与する事も可能。
このため直接的に戦闘を行う事は不向きであり、いかに己の知恵でトリィロッドの力を使いこなし、様々な場面をどう乗り越えていくか?が本作の醍醐味の一つと言える。
カリモノ
ゲーム序盤でトリィから与えられる『トリィロッド』によって使用可能な能力の一つ。
ゼルダがこれまでの冒険で遭遇したモノを「お借り」して、何度でも自由に呼び出してマップ上に配置できる。
一応なんでもかんでもお借り出来る訳ではなく、物品であればマップ上で黄色く光る物品に近づき『覚える』事で初めてカリモノに出来る様になる。 すなわち光らない=覚えられない物品はカリモノに出来ない。
また、魔物の場合は一度倒すとドロップする『光るモノ』を覚える事によって、カリモノとして召喚する事が出来る様になる。 召喚した魔物は、野生の魔物(敵)に対して自動で積極的に攻撃を行ってくれるので、どんどん強い魔物を倒して戦力を上げていくのが戦闘のコツといえる。
ただし、一度呼び出せるカリモノの数にはコストによる制限がかかる。
カリモノにする物品や魔物の種類ごとにコストが存在し、大きなものや高性能なもの、強い魔物であればあるほど大きなコストが掛かる。トリィの後頭部に浮いている、おさげの様な▽が、このコストとして、描写される。召喚したカリモノの上部にも消費した分の▽が浮く。
残りコストを上回るものを召喚しようとすると、古いカリモノから順に消滅し、現段階で一度に使える最大コストを上回るカリモノは表示が暗転していて、そもそも呼び出せない。
なお、冒険を行っていく中でトリィがレベルアップする事により、一度に使える最大コストの量が増えたり、特定のモノのコストが減ったりする。最大コストが増えると▽の数が増え、おさげが伸びる。
カリモノのコストが厳しい場面に行き着いたら、大人しく冒険を進めるのも一つの手である。
トリィのレベルはミニダンジョンを含めた完全攻略した場合で、11レベル。 レベルアップ毎に何かしらの効果が出るが、最大コスト上昇よりも、消費コストダウンの方が多い。
シンク
トリィロッド のもう一つの能力。
モノにトリィを憑りつかせ、ゼルダと連動してモノを動かせる様に完全固定する事ができる。
一言でいえば「2D版ウルトラハンド」。 シンクが発動できるのはZL注目でターゲティングが出来る物のほぼ全て。
高所・水中や地中に埋まった宝箱を引き寄せたり、カリモノに出来ない大岩を脇にどかしたり、一定周期で動く足場を止めて周期をずらしたり、はたまた魔物の動きを強引に止めたり、とその活用法は多岐に渡る。
シンクした魔物ごと穴に落ちて始末する蛮族姫や、同じように水ブロックの中へ引き摺り込む河童姫、回転しているカリモノのピーハットに魔物を引き摺り込む拷問姫は多いはず。
更にこのシンク、少しストーリーが進むと、逆にゼルダを相手に動かして貰う事も出来る様になる。 これが、かなりの無法機能。具体的に言えばRボタンを押している間はプレイヤー操作ではなく、シンクした相手の動きと完全同期してゼルダが動く。
動かないツボや木箱などにシンクしても意味は無いが、動く足場へのシンクや、空を飛ぶキースや大ジャンプをするテクタイトにシンクをすることで大穴や崖を跳び越す、ウォールチュラで壁を延々と登る事も可能なのである。
操作反転中、ふわふわと浮いているゼルダ姫の姿はなかなかキュート。
剣士モード
行方不明になったリンクの落とし物である剣や弓矢、バクダンなどの武器を手に入れると、なんとリンクの姿をおかりして戦うことができるようになる。
ゲーム中好きなタイミングで十字キーの上を押す事により、ゼルダがリンク姿に変身。いつも通りリンクを使う感覚で剣を振るったり弓矢を撃ったりして、魔物相手と戦う事ができる。
剣士モード中はゼルダの通常時に比べて、ジャンプ力が2倍となり、ZL注目時にはハイラルの盾を構えて、敵の攻撃を防ぐ事が出来る様になる。
更にダンジョン内に存在し、通行の邪魔になっている黒い網状の壁(無の力の障壁)を切り裂き、破壊して(弓やバクダンでも可)通行可能にする事も出来る。 また、裂け目から現れる、黒い魔物に対しては与えるダメージが高くなる。
しかし、発動中は常に青いエネルゲージが減り続け、これがゼロになると強制的に剣士モードが解除されてしまう。 ダンジョン内の空中に浮遊する、或いは黒い魔物を倒した時に出るエネルを回収するか、薬やスムージー等の消費アイテムで補給しなければエネルゲージは回復しない。
また、各地にはエネルの結晶である『力のかけら』が散らばって(隠されて)おり、これを集める事によって、エネルゲージの最大値や、各武器(剣・弓・バクダン)の威力を強化する事が出来る。
この『力のかけら』は、無制限に取得が出来る訳では無く、ハートのかけら同様にコレクトアイテムとなっている為、これをコンプリート(全150個)する事も目標の一つに出来るだろう。
カラクリ
今作はカラクリ技師となった、墓守ダンペイが作った魔物を模した機械。
技師の依頼に応えていくと手に入る。
基本的には魔物のカリモノと同様なのだが、魔物に比べ耐久力が高く、また攻撃が爆発したり敵を眠らせたりする強力なものであることが特徴。
半面、ダメージを受けすぎて壊れたら技師に修理してもらわなければならない、ただ設置しただけでは動かず、ゼルダが手動でネジ巻きをしてやらないといけない、ストーリー本編を優先で進めると入手が遅くなり、そもそもの使い処がなくなりがち、といった欠点もある。
その為、魔物とカラクリのどちらを戦闘の主力にするかは、ケースバイケースといったところ。
スムージー
今作におけるお料理・薬ビン要素。 各地に点在するアキンドナッツ達のスムージー屋さんで素材2つと10ルピーを渡す事で、様々な効果のスムージーを作ってくれる。
素材の組み合わせにより体力を大幅回復してくれる物や、潜水時間を伸ばしてくれる物、体が発光する物等、様々な効果のスムージーが作れる為、手持ちに空きがあれば、ぜひ作り溜めしておくとよいだろう。
ちなみに一度作った組み合わせであれば、何が出来るのかを教えてもらえる他、手持ちの素材が無くても多めのルピーを支払う事により、素材なしで作って貰う事も出来る。
裂け目/無の世界
ハイラルのあちこちに発生した裂け目は、地形や建物を完全に呑み込んで完全に通行不可能。カリモノで飛んだり橋をかけたりして裂け目の上を越えようとしても、障壁が発生して阻まれてしまう。
また、裂け目からは無の力で作られた黒い魔物達が無限に召喚される為、裂け目付近の滞在は危険。 なお、黒い魔物は倒してもアイテムやカリモノの素を落とさず、代わりにエネルを落とす事がある。
ただし、裂け目には稀にトリィが入口を開けられる箇所があり、そこを通る事で裂け目の向こうに広がる謎の異空間『無の世界』へと侵入する事が出来る。
無の世界の中は、裂け目に呑まれた地形や物が重力や向きを無視して、浮島の様に浮かぶ構造となっており、その中にトリィの仲間たちが封じられている。 彼らを解放する事が出来れば裂け目が修復され、無の世界に呑まれた地形や人、モノが元の世界に帰ってくる。
無の世界には小規模な物と大規模な物の2種類が存在し、小規模な物はあちこちに散らばるトリィの仲間を救出するのが目的。
大規模な物は無の世界の最深部にダンジョンがあり、そこに控えるボスを倒して捕まったトリィの仲間達を救出し、裂け目を修復する事が目的となり、こちらが従来作におけるメインダンジョンとなる。
後述
これまでのゼルダシリーズは、謎解きの『解法』のバリエーションは少なかったがブレワイ以降、『解けば良かろうなのだ』という、どこぞの吸血鬼じみた流れも出来てきていた。 今回の『知恵かり』で2Dゼルダでありながら、その要素が極まった印象である。
なのでプレイヤー毎に謎の解き方が無数に存在し、そのプレイには新鮮な驚きが満ちている。
最終局面でのリンクとのバディ感は普段、自分で動かすリンクの客観的な強さを堪能する事が出来て実に楽しい。
END.