LATER SEQUELS SERIES #12
2024年12月 後年になって続編orリメイクが作られたシリーズ 愛及屋烏
忍者戦隊カクレンジャー(1994)
忍者戦隊カクレンジャー 第三部・中年奮闘編(2024)
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カクレンジャーメンバー
サスケ/ニンジャレッド 演:小川輝晃
猿飛佐助の子孫。 妖怪・カッパに騙されて「封印の扉」を開けてしまった張本人。
スケベで猪突猛進気味な面があるが、戦いの際には冷静な切り込み隊長的存在。 江戸っ子口調で、よく妖怪相手に啖呵を切る。
メンバーのピンチを救うのはいつも彼の役割である。 敵の罠を見抜く鋭い勘の持ち主。 シリーズ初の「リーダーではないレッド」である。
☆中年奮闘編では、体の衰えを感じつつも全国を旅しながら、現代社会に同化し、平和に生活している善良な妖怪達のサポート活動をしている。
演じた小川輝晃は、サスケの他に第22作目の『星獣戦隊ギンガマン』における、黒騎士ヒュウガ/ヒュウガ役で知られる。スーパー戦隊シリーズとは縁が深い。
・第34作目の天装戦隊ゴセイジャーに、カクレンジャーでニンジャホワイト/鶴姫役を演じた広瀬仁美と共にゲスト出演した。
・第35作目の海賊戦隊ゴーカイジャーでは、ヒュウガとしてスーパー戦隊シリーズに再登場を果たした(この際、小川からの「炎の兄弟を復活させよう」と言う誘いをうけて、当時すでに俳優を引退していたギンガレッド/リョウマ役の前原一輝が共演している)。
・第39作目の手裏剣戦隊ニンニンジャーにニンジャレッド/サスケとして同じ忍者戦隊である忍風戦隊ハリケンジャーのハリケンレッド/椎名鷹介役の塩谷瞬と共にゲスト出演した。
⇒春のニンジャ祭り!
星獣戦隊ギンガマンの海外版『パワーレンジャー・ロスト・ギャラクシー』ではレッドレンジャーの変身者レオ・コービットの吹替を担当。異なる形ではあるが原作では実現しなかったヒュウガ版ギンガレッドとなった。
小川氏は吹替について「純粋に作品を楽しんで欲しい、自分達(原作キャラクター)の顔をイメージすると作品が見えなくなってしまう」とコメントしている。
鶴姫/ニンジャホワイト 演:広瀬仁美
『忍者戦隊カクレンジャー』に登場するヒロイン。 ニンジャホワイトに変身する紅一点。
隠流忍法宗家たる鶴姫家の当主である正真正銘の姫であり、事が起きる前から忍としての訓練を積み、メンバー最年少ながらカクレンジャーを束ねるリーダーも務める。
サスケとサイゾウが妖怪・カッパに騙され、封印の扉を開けてしまった事から、現代の子孫達・カクレンジャー招集を決意する。
三太夫に連れられた二人の目の前に現れ、迂闊にも封印を解いた事を叱った後、自分達が忍者の子孫である事を話す。
三人で共に刀を抜き、ご先祖からドロンチェンジャーを受け取りカクレンジャーとなる。
勝ち気で男勝りな性格だが、慈愛深さも併せ持つ。
リーダーだけあって実力も伴い、日頃の生活面でも基本だらけ気味の男メンバーらに対し、一喝して気を引き締めさせている。その為か、ほぼツッコミの立場でもある。
☆中年奮闘編では、本編にも登場した三太夫の弟子で鶴姫家が雇っている妖怪のブンと一緒に児童養護施設を運営している。
演者の広瀬仁美は、放送開始当時13歳の中学2年生であり、戦隊の初期メンバーを演じた俳優では歴代最年少だった。「有言実行三姉妹シュシュトリアン」の山吹花子役でも知られる。
1999年、所属事務所を退所し、一時は芸能活動を休止するが、その後も東映特撮関連のイベント等には出演し、また雑誌などのメディアにも登場している。
2010年「天装戦隊ゴセイジャー」では小川輝晃と夫婦役でゲスト出演。
2012年「海賊戦隊ゴーカイジャー」では小川はギンガマン枠でのゲストだったのもあり、16年ぶりにカクレンジャーのリーダーの鶴姫役として顔見せ程度だが、ゲスト出演している。
2018年では「宇宙戦隊キュウレンジャーVSスペース・スクワッド」にて、鶴菊役として出演した。
また、本編中の鶴姫の幼少期の回想では「キッズ・ウォー」前のガチ子役時代の井上真央が演じた。
サイゾウ/ニンジャブルー 演:土田大
霧隠才蔵の子孫。 サスケとはカクレンジャー結成前からの付き合い。
最初はサスケと同様にツーリングを楽しむ一般の青年だった。 しかし、二人一緒に妖怪・カッパに騙され封印の扉を開けてしまう。
先祖からの宿命と封印解放の責任を取るべく、カクレンジャーとなる。
初陣ではニンジャレッドとなったサスケと共にニンジャホワイトの戦いを眺めて感心したり、カッパに苦戦したりもしていたが、徐々に忍術と先祖が得意とした剣術が身に付くようになった。
少しナルシストだが、困った人に対しては助けずにはいられない優しい性格。
女と金が好きだが、情に脆く、擬態した妖怪にも騙されてしまう程。 その為か、他のメンバーより災難な目に遭う事も。ただし、その性格や命懸けで戦う姿から子ども達から慕われもする。
「〜のよ」と妙にオカマ臭い女言葉を口にするが、感情が昂ぶると普通に男言葉になる。(これは、霧隠才蔵に女性説が出ていた事から来ている、とされる)
☆中年奮闘編では、本編の頃から引き続いて、妖怪バスの猫丸とクレープ屋台を営んでいる。だが、売り上げには不安があるらしい。
演者の土田大はサイゾウ役でデビューし、多くの人に知られるようになり、舞台俳優としても活動。 またニンジャマンの声を担当した声優の矢尾一樹との出会いをきっかけに、当人も声優としても活動するようになった。既に戦隊俳優が共演した声優に導かれる流れが出来ている。
セイカイ/ニンジャイエロー 演:河合秀
三好清海入道の子孫。
他のメンバーよりも大食らいで、会話の中で自然に女の子の電話番号を聞こうとナンパしたりと、食べ物と女の子に弱い現代っ子。
語り部(講釈師)曰く「一見おっちょこちょいに見えて実は超おっちょこちょいのおっちょこちょい男」、ご先祖からは「性格の悪いところばかり拙者にそっくり」と散々言われる始末。だがここぞとばかりの場面に強く、口癖の「どすこい!」と共に力技を発揮する。
第2話から登場・メンバー加入している。
最初はただの青年と変わらなかったが、ゲーセンで遊んでいる最中に妖怪・ロクロクビ(轆轤首、飛頭蛮)とカッパ(河童)の妖怪夫婦に襲われてしまう。
そこをサスケ達に助けられ、その流れで先祖の遺した刀を抜いて仲間となった。
☆中年奮闘編では本編終了後に始めた古美術商が成功して金持ちになったとの事。自分が着ている高級服をやたら他人に見せびらかすが、本人には嫌味の自覚が無い。養子をとっており、彼が話のキーとなる。
2000年の『仮面ライダークウガ』の『メ・バヂス・バ』役を最後に演者の河合は芸能界を引退し、サラリーマンとして勤務するが時々、カクレンジャーメンバーと交流したりしている。
そして2024年にカクレンジャー30周年記念ファンミーティングイベントに出演し、また30周年記念のスピンオフドラマ『忍者戦隊カクレンジャー 第三部・中年奮闘編』にカクレンジャーメンバーとして出演した。
折角の復帰というのもあってか、シナリオ的にはほぼメインの厚遇である。
ジライヤ/ニンジャブラック 演:ケイン・コスギ
隠流忍者・児雷也の子孫。 レッドの物以外の「隠流巨大獣将之術」の巻物を風雲幻城から奪い、アメリカへ逃亡した妖怪・アズキアライを先祖代々から追っていた。その後、アズキアライが日本へ渡ったと知るや、直ぐに訪日。
生まれも育ちもアメリカで他のメンバーとは異なる戦闘スタイルを取る(例:劇場版ではトライアルバイクに乗ってドロドロを翻弄した)。
特技はローラースケートと射撃。初登場時は巻物の所在を探るべく、カクレンジャーに追い込まれた妖怪をこの特技で救援し、味方の振りをして妖怪のアジトに潜入した。
また、最初は日本語が片言だったり英語交じりな喋り※だった。
日本に来てからドラマにハマりその役になりきって暴れてしまう程夢中になったり、サントリー・ダイナミックのCMのフレーズを口にする一面もある。
☆中年奮闘編では妖怪を含む、超常現象の調査員になっている。 妖怪大魔王封印後はアメリカに戻った、との事。 鍛錬は欠かさず行っていた為か、唯一身体の衰えが描写されていない。 その戦闘力に陰りはなく敵にも「良い年してタフ・強すぎる」と言われ、当人も「舐めるなよ、今がパーフェクトコンディションだ」と言い切った。
演者が演者なので、彼のメイン回での生身アクションはアクション映画さながらの迫力がある(終盤では走行するトラックにしがみついて引き摺られるシーンもある)。
第28・29話にはジライヤの師匠・ガリという役でケインの実父、ショー・コスギがゲスト出演している。
※演者であるケイン氏は『ウルトラマンパワード』にてケンイチ・カイ役を務めたものの、『パワード』の方はは撮影がアメリカだった事もあり、全編英語での演技だった。
その為に『カクレンジャー』では日本語の台本に悪戦苦闘し、読み仮名をローマ字で書く等、少しでも日本語に慣れようと必死だった。
それを見た制作側が「ケイン氏のキャラを活かした方が良いのでは?」と考えた結果、上記の設定となり、演者であるケイン氏の成長をそのまま反映して、普段から片言ではあったが後半につれて流暢になっていった。
ニンジャマン cv.矢尾一樹
第36話から登場する三神将の弟子にして、カクレンジャーの協力者の一人。
スーパー戦隊シリーズとしては初の「人間態を持たない追加戦士(番外戦士)」でもある。
紺色を基調とした装甲、それに目鼻口を持たないヘルメットのような顔等、その見てくれはロボットのような人間離れしたものであるが、これは師匠達と同様の理由※による。
その為、食事を摂ったり寝たり、更には寒さのあまりくしゃみをしたりと、普段の行動もまた普通の人間と大差はない。
物語開始から遡ること1,000年前、老婆に化けた妖怪大魔王の「ニンジャマン~! 妖怪達が~人間に化けて攻めてくるぅ~!」という嘘に騙され、大勢の人間を傷付けてしまったことがあり、その罰として三神将によって封印の壺に閉じ込められ、長い間宇宙をさまよっていた。
三神将の弟子なだけあって、火炎放射のように手の平から炎を飛ばす「火遁の術」、冷たくない雪だるまに変身する「忍法雪だるま変化」、そして觔斗雲に乗っての飛行術など、色々な忍術を駆使することができる。
また、第37話での「俺の身体は伸縮自在だぜ」という台詞の通り、ミクロから60m近くまでその大きさを変えることが可能で、普段はサスケ達と同じ位の身長で過ごしているが、巨大戦に際しては二人の師匠と同じ位にまで巨大化、これをサポートする。
※純粋なメカではなく、人の魂が昇華した自我を持つ生命体に近い存在。
サムライマン
「青二才・・・誰が青二才だとぉ!? 怒り爆発!!」
「サムライマン、見参!」
本作の番外戦士・ニンジャマンの真の姿。
彼の怒りが爆発する事により、頭部が反転して胸部の中に収まっていた真の顔が姿を現し、更に両肩・両腿の装甲が変形する事により、超変化を完了する。
ニンジャマンが怒りを爆発させる際には、大抵の場合彼にとっての禁句である「青二才」を敵から投げ付けられるのが引き金となるが、ダイダラボッチに対峙した際の様に、青二才と言われない場合でもサムライマンに変化する事は可能となっている。
またオオムカデ戦では、例によって騙された上に青二才と言われて、その怒りを爆発させかけるも、ニンジャホワイトから「騙されるあなたが悪いの!」と怒られてしまい、不発に終わった事もある。
TVシリーズ最終回にて、妖怪大魔王が封印された後、ニンジャマンも師の三神将達と共に地上から去っており、後日談に当たるシリーズ初のVS系のOV『超力戦隊オーレンジャー オーレVSカクレンジャー』にも登場する事はなく、このまま客演の機会はないかに思われていた。
……のだが、後年思わぬ形でシリーズへの再登場を果たす事となる。
それが、2011年放送のシリーズ35作品目『海賊戦隊ゴーカイジャー』である。
同作では当初、物語の発端となったレジェンド大戦(宇宙帝国ザンギャックによる地球侵攻の全戦隊での迎撃)には姿を見せておらず、ゴーカイジャーが他の戦隊に変身するキーアイテムであるレンジャーキーにすらなっていない、という居るのか居ないのかも判然としない扱いであった。
そんなニンジャマンの存在が、俄かに劇中でクローズアップされたのは、物語も第4クールに差し掛かっての事となる。
第40話にて、タイムイエローことドモン(『未来戦隊タイムレンジャー』)が、ゴーカイジャーに大いなる力を得る為のヒントを与える、との名目で寝隠神社を守らせているのだが……実はこの神社の中にあった物こそ、かつてニンジャマンが閉じ込められていたのと同じ「封印の壺」だったのである。
この回でゴーカイジャーがタイムスリップした、2010年10月2日という日付は、劇場版『天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー』の戦いが起こっている日、とされており、総勢12名のゴセイジャーとシンケンジャーが揃い踏みするシーンがある。
劇中でゴーカイジャーが敵の別動隊を迎撃している謎(ライダー映画やVSシリーズで次のライダー・戦隊の顔見せを行うのは後年の恒例だったが、ゴーカイジャーの能力的に奇妙な事象)の解答編であると同時に後のカクレンジャー回への布石でもあった。
タイムイエロー・ドモンからの妙な指令も、本来の歴史では戦火に巻き込まれて失われる筈だった、ニンジャマンを守る為のものだったのである。
to be next page. 12-3 https://no-value.jp/column/54070/