LATER SEQUELS SERIES #12
2024年12月 後年になって続編orリメイクが作られたシリーズ 愛及屋烏
忍者戦隊カクレンジャー(1994)
忍者戦隊カクレンジャー 第三部・中年奮闘編(2024)
Continuation from last page. 12-4 https://no-value.jp/column/91663/
新時代妖怪軍団
ガーベラ 演:木下彩音
かつて妖怪軍団に仕えていた、花のくノ一組を連想させる容姿をした新時代妖怪の花忍者。花のくノ一組メンバーの名前の法則性に則って、彼女も花に由来する名前を持つが、何故か洋花の「ガーベラ」になっている。
新時代の妖怪大魔王に仕えるべく誕生した近衛兵的存在で、中年奮闘編における一連の騒動の黒幕。
決戦時はレッド&ホワイトと戦闘。 ホワイトの変わり身の術、レッドの分け身(5人ver)術に攪乱されてからのレッドの満月斬りを喰らい、レッドスライサーとホワイトビークを立て続けに受けた後、五人全員のカクレンジャーボールによって止めを刺された。
スノウ(ユキオンナ) 演:青島心
過去にカクレンジャーと戦ったユキオンナより更に人間に近い容姿をしており、黒い長髪にヘソだしルック、現代でいうY2Kファッションに身を包む。
一人称は「ウチ」、少し古い2010年代頃のギャル語を交えた明るい口調で喋る為社交的…と思いきや、敵対者には冷たくドスの効いた声で敵意をむき出しにする排他的な性格。
妖怪としての姿は、髪が銀のショートカットに、服装が白いワンピースになり、胸元の雪の結晶に似た六角形のレリーフが目を引くが、余り妖怪らしさはない。 ちなみにレリーフは本編のユキオンナがつけていたブローチと同デザイン。
決戦ではニンジャイエローとニンジャブルーの二人をまとめて相手にし、冷気で追い詰めるも、30年ぶりの新忍法「熱血おじさん戦法」による暑苦しいおじさん言葉に耐えられず全身を真っ赤にし発熱。
その隙にイエロークローとブルーショットの二連撃を受け「やばたにえん〜!」と叫びながら爆散した。
ウィーゼル(カマイタチ) 演/CV:橋渡竜馬
過去にカクレンジャーと戦ったカマイタチとは容姿が大きく異なり、人間態では真紅のシャツとスーツに身を包んだホスト風の身なりをした青年。
傲慢で性格が悪く、カクレンジャーを「老害忍者」、同族の先人たる妖怪達を「古い妖怪」と蔑む等、悪い意味で現代人風。
妖怪としての姿は怪人系で頭部が大きく変わり、髪の代わりに鎌をテクノカット状に垂らした紫のイタチへと変化する。
この鎌には一房(一本?)ごとに一文字英字が刻まれ、英単語を成している。 正面左から繋げて読むとSICKLE・WEASEL、つまり「カマイタチ」の英訳となる。
原典の「かまいたち」は風に乗り、見えない速さで人間を切り裂く妖怪だったがウィーゼルはその出自がネットワーク社会という特殊な環境の為か、風ではなくマトリックス・コード的緑の数列に乗って逃げ隠れする特異な性質を有する。
ロサンゼルスにて人間を襲っていた所をジライヤに嗅ぎつけられるも、人間態のまま華麗な足技で彼を翻弄し逃走。
その後日本に渡来し、現代社会に同化していた蛇五右衛門と蛇骨婆を「不要」と判断、始末にかかるもサスケと自身を追ってきたジライヤに阻止される。
決戦では因縁深いニンジャブラックと対峙。
「いい歳してタフだね、オッサン」と軽口を叩くも、今がPERFECT CONDITIONなニンジャブラックの高速切りには防御もできず滅多斬りにされ、ブラックボウの一矢に貫かれ爆散した。他の対戦とは異なり、真っ向から実力差で破った形になった。
復活の貴公子ジュニア(ガシャドクロ)
物語中盤より登場する、「妖怪世界にその人あり」とも謳われる妖怪の一人。
妖怪大魔王の実の息子に当たり、それまで各々が散発的に活動していた妖怪達を、未だ封印されている父に代わって配下に置くとともに組織化、「妖怪軍団」の実質的な統率者としてカクレンジャー抹殺を目論む。
パンクファッションを意識した黒ずくめの出で立ちが特徴で、そのなりに違わず自身もピアノやギター、歌を得意とする。持ち歌として『黒の貴公子』があり、大魔王復活の儀式に際してはこの曲を熱唱、その歌声は人々を石に変える効果を発揮する。また作中では、移動の足としてフェラーリを活用する事もあった。
本編での敗北時に転生の秘術を使って、人間に生まれ変わっていた。 妖怪のプリンスとしての記憶を失って、ただの一人の人間として、伴侶と子息を得ており、ほぼ普通にエンケンしてたと言ってもいい。
演者である遠藤憲一氏は、この当時『特捜エクシードラフト』など東映特撮へも度々ゲスト出演をしており、スーパー戦隊シリーズへは、デビュー間もない頃にゲスト出演した『バトルフィーバーJ』以来の出演となった。
特撮作品で顔出しで出演した敵役の役者が風評被害に遭う、というケースはよく聞かれる物であるが、遠藤氏もその例外ではなく、初めの頃は近所の子供達から遠慮がちに「カクレンジャーをいじめないでね」とお願いされる事が多かったそうだが、回を重ねて作中におけるジュニアの悪行が重なるにつれて、子供達からの嫌われ具合が酷くなっていき、遠巻きに睨まれながら「死ねー!」と言われた際は、「すっごいへこんだ」と後に明かしている。
このエピソードは、TV番組等でエンケンが本作への出演時を振り返る際の十八番となっており、エンケンは自らの体験を踏まえて「子供番組に悪役として出るという事は、このくらい(の目に遭うことは)覚悟しとかなきゃダメ」とも語っている。
他方で、2010年代に入ってからは名脇役として注目されるようになり、今では様々なドラマや映画、CM等で大活躍している遠藤だが、役者デビュー初期の代表的な役柄だった貴公子ジュニア役にも思い入れが強く、トーク番組などで共演者から「カクレンジャー観てました」と言われたり、自身もカクレンジャー当時のエピソードを語る事もある。
今回の中年奮闘編のラストシーンは、ジュニアと遠藤氏の汚名返上を計るような胸熱展開だった。 ただ、撮影が真夏の廃工場だったので何度かシーンを撮っている間に熱中症になったとの事。
後述
アラフィフで集結した、カクレンジャーの中年感というよりも、それ以外の制作側の中年奮闘感の方が出ている作品。 SNS・ネット由来の妖怪というのも既に最新と言うには厳しいネタだし、新時代妖怪軍のキャラ付けも中年から見た若者像であって、実際の最新とは離れた姿である。それでも陳腐になっていないのは流石という所か。
帰ってきた系としては最高の出来だったので、今後も昭和勢でもやって欲しい所ではあるのだが、厳しいのも事実なので今回のは奇跡の様な作品だと言える。
END.