みなさんはスマートフォンを持っているだろう。そのスマートフォンや携帯電が普及するのに大きく貢献したものはなんだろう?動画サイトやSNSや人気アプリだろうか?
もちろん、それらも貢献したと思うが、個人的にはリチウムイオンバッテリーと考える。薄くて軽量でエネルギー密度の高いリチウムイオンバッテリーが大量生産可能になり携帯電話や携帯ゲーム機やスマートフォンの普及に大きく貢献したと考えている。
もしもリチウムイオンバッテリーが無かったら、今どきスーパーやコンビニで乾電池を買って電池が無くなる度に入れ替えるスマートフォンなんて不便で仕方が無い。しかも継ぎ足し充電ができないから、出かける度に、まだ使える乾電池を外して新品に入れ替えたりしていたら、お金も資源も勿体ない。しかも面倒くさい。そして電池の大きさが制約になりスマートフォンは、とても分厚くて持ち運んだり使い難い物になるはずだ。
それが充電型の乾電池でも、かなり不便なことに変わりはない。いちいち専用の充電器で充電して交換する手間と厚みは変わらない。スマートフォンの普及は大きく妨げられたことだろう。
ところでバッテリーだけではなく半導体やディスプレイの省エネルギー化の技術もどんどん進歩している。しかし省エネルギー化した分、新型は高性能化、高精細化するので結局スマートフォンの電池の持ちは体感的にあまり変わらないのだ。
最初期のデジタルカメラは30万画素で高級車が買えるくらいの金額だったが、今やスマートフォンのカメラは1億画素だの2億画素だの高画素化し、部品コストも下がり数ドルから数十ドル程度になり、最近では4800万画素程度のカメラは普通に感じる。そして同じ製造技術ならば原則、画素数が少ないほうが消費電力は下がる。(頑張って1億画素のセンサーを製造するより800万画素の方が安くて消費電力も少ない)
よって今後はスマートフォンのトレンドは「電池が長持ち」だろう。処理能力はともかくディスプレイやカメラの実用上の必要性能は頭打ちになるが製造技術は着々と進歩する。既に最高の部品を組み合わせた最新型のスマートフォンは高価なので、最近は「普通に使えれば良い」と5万円くらいのスマートフォンの需要が高い。
中には新品で1万5000円程度で買えるスマートフォンも有るが、それは海外では月給数万円で生活している人が多いからだ。そういった人達は10万円以上もする最新の高性能スマートフォンなんて買えない。節約して貯金して、やっと1万円くらいのスマートフォンを買って大事に何年も使う人達だ。そういったスマートフォンが日本市場でも販売されている。
そのスマートフォンだって数年前のスマートフォンに比べたら圧倒的に高性能だ。カメラが5000万画素も有るしバッテリーも大容量だ。
よってスマートフォンは連絡したり時々、動画やニュースが見れれば良い。カメラもメモ代わりに写真を撮れば書類の小さな文字が写れば良い。そもそもあまり写真は撮らない。そういった傾向が強まるだろう。ならば、だんだん改良されるスマートフォンのバッテリーは数日持つようになるだろう。既にそれに近い機種も有る。
更に無線充電技術というものが有る。Wi-Fiやモバイルネットワーク(4Gや5Gなど)の電波も微弱ながら電気エネルギーだ。常に近くの電波からジワジワと充電して事実上、充電要らずのスマートフォンも、やがて発売されるだろう。
そこまで進歩するのは何年もかかるかもしれないが、消費電力を抑えて充電に専念する機能切り替えモードならば割とすぐに出来るだろう。何十年も前から有る太陽光だけで使える電池要らずの電卓のようなものだ。
更に今はスマートフォンと低軌道衛星を直接4G接続してショートメッセージを送受信する実験が成功している。今後は通話や動画の送受信も実験して近々サービスを始めるらしい。他にも翼がソーラーパネルで出来た電気飛行機に携帯電話の基地局を付けて何機も延々と飛ばし続けることで、より低遅延の通信を実現する実験も進んでいる。(移動しながら雲の上を飛び続ければ延々と太陽光発電で稼働する基地局)
なんだか壮大で、お金が掛かりそうだが山間部などにアンテナを建てて光ファイバーを通すのが難しい場所の全てを網羅するより低軌道衛星や燃料要らずの電気飛行機を飛ばした方が圧倒的に安いそうだ。
実現すれば世界から圏外が無くなる。無人島でも大丈夫だ。先日、防水防塵や、落としても割れないどころか、画面で釘を何十回も叩いても割れないスマートフォンも発表された。しかも3万円程度の安価なモデルだった。そういったスマートフォンが普及すれば山や海で遭難する人は劇的に減るだろう。迷子や誘拐も激減するかもしれない。
ちなみに余談だが以前、人と待ち合わせする時に私はスマートフォンでGoogleマップの位置情報をLINEで送ったのに、その人は通話をかけてきて「今そこにいるの?◯◯の看板見える?」と通話で伝えて来た人が居る。正直「あなたのスマートフォンは何のために有るのか?」と問い質したいところだが我慢した。いざ落ち合うと「もしかして、場所を言えばわかった?」と聞かれて「100%わかった」と答えた。その人は当時の最新のiPhoneを持っているのに使い方が携帯電話どころか公衆電話の時代からアップデートされていないのだ。
ちなみに私は元々、方向音痴と言うか建物の名前や、お店の名前を言われても良くわからない。しかし携帯電話にリアルタイムの地図機能がついた瞬間1人で何処にでも行けるようになった。
それが今やスマートフォンになって更に進歩して初めて訪れる場所でも迷いなく行ける。建物の外観から良くわからなくてもGoogleマップで詳細を見れば混雑度や目的地が何階まで正確にわかる。
テクノロジーは人間の苦手なことや能力を補間してくれる存在だ。私は苦手だからこそ便利な最新機能を積極的に使って身についたのだろう。
今後は、ますますテクノロジーが進化して様々な”新しい便利”が生まれるだろうが別に心配することはない。必要ならば使うし、使えば自然と身につく。
新しい技術を使いこなさなければ時代に取り残されるとか、上手に使わなければいけない。と考えているから不安なのだ。
最近は「あらゆる分野で博士号レベルのAIが月額200ドル!」「それと遜色ない高性能AIが無料!」「それに匹敵する我が社の最新AIはオープンソース!商用利用可能!」と、毎日の様に発表されている。
それを使って儲かるWebサービスを作るのか、今までは数百人が数年かけて制作していたクオリティの大作ゲームを少人数で作るのか、それともただの日常の話し相手になってもらうのか、それは個々の人が選ぶことだ。
今後も人類は当たり前のように歯ブラシや洗濯機の様に新たなテクノロジーを必要に応じて使っていくのだろう。