Cross Over Is Like #12
2025年1月 好きなクロスオーバー作品をご紹介 愛及屋烏
千里眼 マジシャンの少女
千里眼とニュアージュ
探偵の鑑定
前述
①商業的テコ入れ
各ストーリーのキャラクターの共演によって、話題を呼び、不人気なシリーズに人気キャラクターを登場させて売上げを増やす、多くの巻数を必要とする複雑で雄大なストーリーを短い期間で展開できる、マンネリ防止等のメリットがある。
②オールスター物
巻数が最初から決定された新しいタイトルを作って、そこに既成のシリーズキャラクターを多数投入する「オールスター物」、あるシリーズに他のシリーズのキャラクターが登場するが、ストーリーの受け渡しがないカメオ出演や特別出演もしばしばクロスオーバーと呼ばれる。
③世界観内共演
異なる主人公の物語同士が、同一世界、同一時間軸にあることを、作中で匂わされたり、また明示された場合、これもクロスオーバーと呼ぶことがある。
松岡圭祐の作品では幾度となくクロスオーバー展開がなされ、特に③が多いが、それぞれの主役が立っているので②の要素も強い。
自叙
松岡圭祐の作品に一時期、ド嵌りしていてコラボ好きには堪らない作品を紹介。
近年では多くの作品がマンガ・ドラマ化もされているので作者名がピンと来なくても作品名は知っている、というケースは多そう。
松岡圭祐
松岡圭祐は、『万能鑑定士Q』、『探偵の探偵』や『ミッキーマウスの憂鬱』『千里眼』『催眠』他で知られる、日本の小説家。
1997年10月に、小説デビュー作『催眠』を発表。 ミリオンセラーになったこの作品はシリーズ化される事になった。
同シリーズは、カウンセラーとタレント催眠術師の対立から、催眠現象の実体を浮き彫りにする様な内容で、これ以前の松岡圭祐の持っていた知見を小説の形で描いた物である。
というのも、作家以前に彼は催眠術師としてテレビ出演し、知られた事がある。 学術的とされる催眠誘導法の他、欧米でポピュラーなショー用舞台催眠術を学んでいた事で、業界から声がかかる。
具体的には90年代の後半に、松岡圭祐が3年の期限付きで芸能事務所と契約していた事によって、催眠術師としてのキャラクターで活動。
日本・韓国・台湾等においては、エンターティナー(芸人)としての催眠術師というカテゴリが当時なく、テレビ等での出演依頼は心理カウンセラーか、今で言うメンタルマジック系マジシャンの何れかに対し行われるが、その一例であり本業ではなかった。
『A女E女』(フジテレビ)等に松岡は出演をしていたが、催眠術師として真面目に受け取られる物にしようとしていた訳ではなく「TVで催眠術なんて馬鹿らしい」「とことん馬鹿をやって、この手の番組を鼻で笑えるようにしたい」と当時からコメントしていた。
また『爆笑問題のススメ』(札幌テレビ制作・日本テレビ系)に出演した際も、催眠が人を意のままに操る、というのは幻想で、ショーはその思い込みを利用して見せるものという趣旨の発言をしている。
同時期に上記活動の一環として催眠術に関係する俗学本をいくつか出版。
しかしながら、これらの作品の中身は、扇情的な表題や帯のキャッチコピーとは差異があり「催眠誘導は人為的トランス状態への、言葉による誘導にすぎない」「意のままにはならない」「心理的技法にすぎない」といった、一貫した主張に徹しており、例えや解説が後の小説『催眠』の記述に受け継がれている。
to be next page. 12-2 https://no-value.jp/novel/95645/