毎年、秋になると物悲しい気分になり、それが冬を越えて春にさしかかるまで続くという人がたくさんいます。
それは、季節性うつかもしれません。
季節性うつとは
季節性うつとは、文字通り季節の移り変わりによりうつの症状が発生するものです。
秋から冬にかけて発症し、春になると寛解する傾向があります。
まだ原因は詳しく解明されてはいません。
しかし、秋から冬にかけて症状を訴える人が多いことから、日照時間が短くなることが要因の一つではないかとされています。
症状が発生する傾向として、北海道・東北・北陸といった秋冬の日照時間が短い地域、年齢は20代前半、また女性に多く発生する傾向があるようです。
一般的なうつ病と違い、性格や職場環境といったものの関係は低いようです。
季節性うつの特徴
季節性うつの特徴として、
・無気力になる
・たくさん寝ても眠くなる
・過食する(とりわけ、炭水化物や甘いものを食べてしまう)
・体重が増える
といったものがあげられます。
こうした症状が例年発生すると、季節性うつ病、季節性感情障害と呼ばれます。
これは心療内科でも取り組んでいる症状のひとつです。
医者は、次の指標から季節性うつにあたるか判断します。
医者の判断条件
・うつ病における抑うつエピソードの発症と、冬という時期(または特定の季節)に時間的関係がある
・うつの症状が、春(または特定の季節)に寛解する
・直近の2年間に、そのエピソードが2回起こっており、その期間に非季節性抑うつエピソードが起きていない
・生涯を通して、冬季(季節性)抑うつエピソードは、非季節性エピソードよりも十分数が多い
症状を軽減する方法
こうした季節性うつを心療内科で受診すると、抗うつ薬を処方されます。
これを服用することで症状の軽減を図ることがあります。
季節性のうつですので、秋冬のみ薬を服用し、症状が寛解した春になると服用をやめるのが一般的です。
また、他にも症状の軽減が期待できる方法があります。
それは高照度光療法とよばれるものです。
毎朝1~2時間程度2500〜10000ルクスの光を浴びることで、春や夏と同じ程度の日照を浴びたような効果が得られます。
高照度光療法を積極的に取り入れているクリニックも多くあります。
ただし高照度光療法は健康保険がききません。
また、クリニックを利用しなくても自身の判断で取り入れることができます。
高照度光療法の機器は医療機器ではないため、高度な取り扱いの注意はありません。
そして、自分の症状や予算に合わせて自分で機器を選べる利点もあります。
副作用は軽度とされていますが、頭痛、眼精疲労、倦怠感・イライラ感、嘔気、めまい、不眠といった症状が出てくる場合があります。
まとめ
このように、季節性うつには薬で症状の軽減を図る方法や、高照度光療法による人工的な光を浴びる方法があります。
クリニックで処方される薬は、市販薬より効果の強いものが処方される場合もあります。
なので市販薬で不安に効く薬を試すのもいいでしょう。
また、高照度光療法は、導入しているクリニックもありますし、自身の判断で機器を購入することも可能です。
季節性うつと違ったメカニズムのうつ症状がある場合は、一般的な鬱かもしれません。
心療内科を受診するのがいいでしょう。