土造りのお城に行ってみよう!

皆さんが考えるイメージのお城とは?

    皆さんは、「お城」と聞いてどんなイメージを思い浮かべますか?

重厚な石垣、荘厳な天守閣、鮮やかな金色の鯱、絢爛豪華な御殿や大広間…。いずれのようなイメージが頭の中に湧いてくるのではないでしょうか?確かにそのイメージは「お城」を語るにあたって、外すことのできないものです。わたしも最初の頃はそのような感じでした。

    しかし、それだけが「お城」でしょうか?もし、皆さんのイメージがそこで止まっているとしたら、「お城好き」の私としては、少し悲しくなってしまいます。それじゃつまらないし、もったいないです!

    ここでもし、そうじゃない「お城」があるとしたら…。興味が湧いてきませんか?ここでは、私のような「お城好き」が考え、実際に見学して来た「お城」について、語っていきたいと思います。

実際の「お城」はほとんどが土造り!

    まず、実際に残っている「お城」のほとんどは、実は石垣を使っていない、土で作った「土造り」の城であるということです。

 「えっ!そうなの!?」と驚かれる方々がいるかもしれません。でもこれは厳然たる事実です。日本の戦国時代に作られた城はほとんどが土造りで、石垣で造られている城はむしろ少数なのです。

 「何故、そうなのか」について、これから話していきましょう。

そもそも「お城」とは何なのか?

 「そもそも『お城』とは何なのか?」この点について、敢えて皆さんに誤解のないように言っておきますが、「お城」というものは、武装した勢力が軍事的な優位性を得るために構築して、軍事的な目的のために使用・運用する「軍事施設」であるということです。

 「何だよ、戦争の話かよ!」と、怒ったり、がっかりする人がいるかもしれません。ですが、「お城」というものが軍事的な要素を抜きには語れないものである以上、「戦争という『事象』」から目を背けて「お城」を語ることはできないのです。このことを、読者の皆さんにはご理解とご了承をいただきたいと思っています。

なぜ、「石垣」は少ないのか?

    このような話を踏まえたうえで、本題の「なぜ『お城』のほとんどが土造りで、石垣でできた『お城』は少ないのか?」についてお話ししようと思います。なぜ石垣の「お城」が少ないのか?なぜなら石垣というものは切り出しやすい石場から石を切り出し、積み上げやすいように加工し、その石を運び、積み上げるを延々と繰り返す、極めてコストパフォーマンスの悪い作業だからです。加えてタイムパフォーマンスに関しても、石垣を造るという作業は当時の戦国時代の技術では莫大な時間とそのための職人技術者、人員や期間を要するもので、その間に敵対勢力が力を蓄え、こちらに攻め込んでくるというリスクもはらんでいます。従って、土造りの「お城」が多く、石垣造りの「お城」が少ないというのは決して偶然ではなく、むしろ必然だということなのです。

   それでも戦国時代の後半や江戸時代の前期にかけては、石垣造りの「お城」が多く誕生しました。なぜそうなったのかについては、またの機会に筆を改めてご説明したいと思います。

「どこかにある」が「同じものがない」。それが土のお城の魅力!

   こうして土造りの「お城」が多い理由を紹介しましたが、その土造りの「お城」はどこに、どれくらいあるのか気になりませんか?

 「日本城郭考古学会」という学会の調べによると、土造りの「お城」の数はおおよそ50,000程度存在する、ということです。これはつまり、この記事を見ている読者の皆さんがお住まいの町や村に、最低でも1城以上の「お城」が存在する、ということです。驚きですね。

 「知らなかった!」と思われる方もいるかもしれません。でも、読者の皆さんがお住まいの役所や支所に赴いて、町村誌をお借りして開いてみれば、必ずや「お城」の記録が載っているはずです。そして、その「お城」はどれも千差万別。どれをとっても同じ顔をしていない、まさに「オンリーワン」のものばかりです。あるいはネットで検索して調べてみるのもお勧めです。その中から、読者の皆さんの到来を待ちわびている「お城」があるかもしれませんね。

まとめ

    こうして土造りの「お城」について語ってきましたが、私の意見を敢えて言わせていただけるなら、「百聞は一見に如かず」。話半分でもいいので、ぜひとも現地に足を運んでみるのをお勧めいたします。実は最近の測量技術の進化によって、今後新たな「お城」が発見される可能性が高まってきています。こうなると私はワクワクが止まりません。

   さあ、皆さんも土造りの「お城」にでかけてみましょう!

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ライナス

ライナスと申します。読書や日本の歴史、アイルランドやスコットランドの音楽が好きなので、皆様に紹介して共有できればと思っています。

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