みなさん、こんにちは!
毎度おなじみ水鈴です!
水鈴いよいよの話しの「前編」は、いかがでしたでしょうか?
「後編」は、壊れたラジオが織りなす
「恐怖で、狂気に満ちた恐ろしい“幻聴”」について、
書いていこうかと思っています。
事の発端は、3月のとある日曜日に日にちが変わったときのこと。
私の部屋の前にあるトイレからSOSが・・・。
声の主は「母」でした。
眠い目を擦り部屋のドアを開けると目の前には驚きの光景が!
大きくえずき便器に顔を埋める母の姿が!
一気に目が覚めた私は、母に近寄り声を掛けました。
「どうしたの?!大丈夫?!気持ち悪い?吐きそう?
ベッドまで行ける?」
そう聞くと母は、弱弱しい声で
「気持ち悪い・・・。目の前がグルグルする。
目が開けられない。ベッドまで行けない。」
と言い切った瞬間、母は勢いよく起き上がり
便器に顔を埋めました。
その日は、早めに夕食を摂っていたため、
出てくる中身がなく、えずくばかりの母。
3月の寒いトイレに横たわる母に、何をすべきか
呆然とするばかりの私。
とにかく何をして欲しいか聞きたいものの、口を開けたり
身体を触ったりすると盛大にえずく母。
大変困り果てたのを良く覚えています。
その後、母はひたすらえずき続け・・・。
4時間後の午前6時に救急搬送に踏み切りました。
どうして、すぐに救急車を呼ばなかったのか。
それは、母が頑なに救急車の要請を拒んだからなのです。
母自身、1~2時間すれば良くなるだろうと、思っていたからなのです。
しかし、どんどん調子が悪くなっていく母を目の前に、
私は、意を決してスマホを固く握りしめました。
救急に初めて電話をし、事の流れを説明。
「救急車の音が聴こえたら、自宅前まで出てください!」
とのことで、段々大きく鳴り響く救急車のサイレンに
大きく手を振って
「こっちです!こっち!こっち!」と、
大声で叫んでいました。
小雨の降る寒い朝。
トイレに毛布を敷き、只ならぬ異常事態に愛犬ゆっちゃんと
愛猫花鈴が、母の湯たんぽ代わりになってくれていました。
約4時間。
えずき続けて、えずきの声がかすれ始めて、
救急隊員さんが、トイレに横たわる母を見て
「絶句」という、
顔をしているのを見て、
「ただ事ではないこと」
に、気付かされました。
救急隊員が母に質問するもののえずくばかりで話にならず。
後ろから二人の救急隊員が来るも、母の様子を見て
「うわぁ・・・」
という、声を漏らす。
身体に触れられるだけでえずく母だが、ずっとこのままでは救急隊員の意味がない。
男性3人がかりで母を担ぎ、家中に母のえずきが響く。
私は、救急隊員の指示でタオルやティッシュをかき集め
救急車の中に乗り込む。
しかし・・・。
一向に進まない救急車。
なかなか受け入れ先が見つからないのだ。
救急隊員が同じ言葉を何度も何度も繰り返しながら
「受け入れ不可ですか。
はい。はい。ええ。ええ。
分かりました。ありがとうございます。」
私が救急車に乗り込んで30分が経過したとき・・・。
ようやく!ようやく!受け入れ先が見つかったのだ!
のんびりとした速度で発車した救急車。
日曜日の閑静な住宅街にサイレンが鳴り響く。
搬送先に着くや私は、家族専用スペースに移動する。
移動しながらも処置室から母のえずきが聴こえる。
ボーっとする私に看護師が声をかける。
「お母さま、ようやく処置が終わりましたので、観察室に居ます。
こちらにどうぞ。」
そういわれ、母の元へ。
薄暗い観察室に搬送の際に使ったストレッチャーに乗ったまま
点滴に繋がれている母の姿が。
ひたすらえずきまくった母は、穏やかな表情で眠っている。
静かな病院に本当にほかに人間がいるのか?という気持ちになるほど
静かだ。
「フーッ」と、思った瞬間!
今まで、黙っていた
「壊れたラジオ」が、
顔を出したのだ!
確かに、病院に着いた時からずっと“幻聴”が、聴こえていたが・・・
ついに・・・
ついに、お出ましか!
ずっと、ラジオのような声が聴こえ続けていたが、
明るく切り替えて
「ここは、病院だから幽霊の声が聴こえているんだ!」と、
言い聞かせていたが、常識の範囲を超えるような騒がしさが私を包む。
貧乏ゆすりをしながら、右手で額を強く搔きむしる。
段々、呼吸が荒くなり
「フーッ!フーッ!うーッ!うーッ!」
という声が漏れる。
病院に居たんだから私も診てもらえばよかった。と、
のちに気付く。
「は・・・うう・・・」
母が、目覚めたのだ。
私は、勢いよく母の顔を覗き込んだ。
「大丈夫・・・?」
母は、苦しそうに
「んん・・・」と、唸る。
看護師がやって来て、大丈夫そうですね。と言い去っていった。
母は、また眠りについた。
「さて、困ったぞ」と、
額を掻いていた右手の人差し指の爪の間に血がにじむ。
緊急事態で、いつも肌身離さず持っていた薬のケースを忘れてしまった。
一瞬で目の前が真っ暗になる。
そんな中でも、今後のことの為に
忙しく電話をしながら幻聴を振り切ろうと必死だった。
幸いにも、母は入院せずに帰宅でき、
しばらくの間は、茶の間で二人で寝ることになった。
母は、帰宅してから起きることなく寝ている。
私は、これから
「ヤツ」と、
戦わざる終えなかった。
薬は自宅に着いてから服用したのに・・・
初手で「壊れたラジオ」を、グチャグチャに出来なかったのが戦犯だった。
沢山の雑音が聴こえる。
「やめて・・・やめて・・・いやぁぁぁぁ・・・・!」
必死に口元にタオルを当てて悲鳴を押し込む。
苦しい日々がスタートし、私は毎日目が回るような感覚に
「生きる」
事に必死だった。
それから2週間ほどが経過し、母は以前の様に元気を取り戻した。
ここで終わらないのが「壊れたラジオ」。
ここからギアを変えて私に襲い掛かるのだ!
「スーッー・・・。スーーーっ。」
「オェオェェ」
何だ!何だ!と、目を覚ました私は、壁掛け時計を確認すると午前4時を指していた。
その間も、トイレから嘔吐する音がする。
「お母さん!」
勢いよくベッドから起き上がろうとした瞬間!
「おぃ、おぃ・・・嘘だろう・・・?!身体が動かない!」
そう思いながら全身に力を入れるも全く身体が動かない。
今までにないくらいの力を入れるも動かない。
鳴りやまぬ「嘔吐音」。
母の苦しそうな息遣い。
この時、1つだけ分かっていたことが・・・
「母も私も・・・
ヤバいってことだ!」
全身の力を入れ始めて2時間が経過した。
外はとっくに明るくなっていて、変化がないのは、
母の苦しそうな嘔吐音とピクリともしない私の身体だけ。
ずっと全身に力を入れていると自然と涙が頬を伝う。
「ワンワンワンワン!」と、
威勢よく隣の部屋から愛犬ゆずの鳴き声がする。
その合間に
「はい、はい、はい、はい、ゆーずー、うるさいよ!
おねーちゃん起きちゃうでしょ?」
という!母の声が聴こえたのだ!
おかしい・・・おかしいぞ。
だって、今のお母さんの声に被さる様に嘔吐音が聴こえる・・・んだよ。
そうなんだよ・・・
そ・・・う・・・なんだよ・・・。
その後、私は意識が途絶えた。
「お母さん!どこ!?大丈夫?!
ようやく身体が動くように!
お母さん!
お母さん!」
慌ててトイレに駆け出すも、嘔吐しながら苦しむ母の姿はなかった。
すぐさまスマホのLINEで母に電話をしました。
電話に出た、呑気な母の声にマシンガンのように問いかける。
「お母さん!大丈夫?何で仕事に何て行ってるのさ!
病院には行ったの?
ねぇ!!!
大丈夫かどうかって
聴・い・て・ん・の!」
鬼気迫る物言いに驚きだす母。
「どうしたの?どうしたの?
ちょっと落ち着いてよ。具合が悪いの?大丈夫?
今日は、お仕事はおやす・・・」
と言い終わる前に私は、鬼気迫る声で。
「あんなにゲーゲー吐いてて、何で仕事に何て行ってんのよ!
どれだけ心配したことか。
私なんか、ポンコツだと良くわかったよ。
お母さんがピンチの時でさえ、身体が動かなくて・・・
もぉ・・・どぉーしたらいいのかぁ・・・」
言いたいことはいっぱいあるのに、涙が邪魔して言葉に詰まる。
母は、電話先で困り果てて
「落ち着いて。ねぇ。」と、
柔らかい声を出す。
髪をグシャグシャっと掻きむしり、冷静さを取り戻そうとするも、
頭が真っ白に。
「何なんだ・・・?あの音は・・・?
お母さんの声が幻聴?嘔吐音が幻聴?
分からない・・・分からない・・・。
どういうこと?」
理解に苦しむ私。
「?」ばかりが頭を埋め尽くす。
今、思うにあの時は常に母の体調を気にしていて、
耳に残った「えずき」が、幻聴になったのだと。
しかし、幻聴に弄ばれている最中の私には、気付くことは出来なかった。
その後も毎朝「嘔吐音」は続いた。
毎日、毎日続く幻聴。
段々と希死念慮が増していき、本気で命を絶とうかと悩んでいました。
何をしていても
「この食事が終わったら、最期にしよう・・・。」
「仕事が終わったら・・・最期を迎えよう・・・」
など、本当に緊迫した空気が流れていました。
毎日、呆然とする私に母がこんな提案をしてくれました。
「お母さんの姿が見えていれば、“幻聴”が、“幻聴”だってわかるでしょ?
だから、同じ部屋で寝ましょうよ!」と。
今は、母と同じ部屋で寝ています。
それが功を奏したのか「嘔吐音」が、成りを潜めだしたのだ!
全く聴こえなくなったわけではない。
だが、回数が減ることでどれだけ気持ちが楽になることか。
まだまだ「壊れたラジオ」が、治ることはありません。
もう、いっその事「壊れたラジオ」と、
「仲良し」になるしかないのか?!と、
少し本気で思ってしまっています。
「イヤだ!イヤだ!」
と、拒絶し続けるのではなく
「どうか、楽しませてくれよ!」
と、握手するのもいいのかもね。
なーんてね!
みなさん、長いこと読んでいただきまして、
誠にありがとうございます。
壊れたラジオ前編・後編は、水鈴である私本人に実際に起きた事実です。
これからも壊れたラジオには、困らされていくんだろうなーと、
呑気に思っています。
気長に付き合っていくしかないんでしょうね・・・トホホ。
今後の「壊れたラジオ」について、進展がありましたら
また!みなさん!お会いしましょう!