宮城と福島県の県境に住んでいる。福島、相双地区のかかりつけの心療内科から少し離れたところにスーパーがあって、休日はたまに買い物に行くのだけれども、傍に建っているホームセンターは仙台を歩いていても滅多に見かけず、不思議に思ってインターネットで店舗数を調べたところ、全くないわけじゃなかった。ただ、福島が43店舗に対し、宮城は5店舗。岩手や秋田にいたってはどちらも2店舗しかなかった。東北では福島県民にとってだけポピュラーなお店なのだろうなとわかった。
例えば牛タンや、せり鍋を作るためにせりを買い込むとしたら南端であろうと宮城。時と場合によって、特定の地域で高品質かつ品揃えが豊かなところを考慮して選んだりする。
そんな生活を送っていて引っかかるのは、宮城県民ではあるのに、一方の県に完全に所属していない感覚。自分は〇〇県民だ! という誇りが薄く、正直、中途半端。それでも県境は二つの異なる文化に柔軟に受け入れ、魅力を楽しむことができる特等席でもある。二つの世界を行き来して、両方の県の生活スタイルを自然と吸収し、比較しながらそれぞれの良さを味わえるし、福島県民には宮城の、宮城県民には福島の隠れた名所や地元の食材を教えられ、県の個性を広められる。