今年も梅雨を感じる前に、食い気味に夏が来たみたいな暑さを感じる。
暑いときは、のどごしのいい冷たいものが食べたくなる。
うーん…ゼリーなんかいいな。
子ども時代は、家に届くお中元の詰め合わせのゼリーが待ち遠しかったなぁ…
そういえば、いつから届かなくなったんだ…
忙しい中にふと時間があいたときは、そう思い出に耽っていないで気分転換に台所に立ってみる。
そして、今、自分が食べたいと思った味のゼリーを作ってみる。
今はSNSで簡単にいろいろな作り方がわかる。ありがたい…
コンビニのスイーツもおいしいけど、自分で作れば費用も安い。ありがたい…
ゼリーなどを固めるときや、冷蔵庫に期限が切れそうな牛乳を見つけて、慌てて寒天にしたりするとき(寒天はゼラチンでもできる)、私たち仙台市民が一番使うゼラチンはピンクのパッケージが目立つ「ゼライス」と思いたい!!
現在「ゼライス」は全国的に販売されているが、正真正銘、1953年(昭和28年)仙台市生まれのゼラチンだ!そのことを知らないでいつも使っている人も多いはず。
※「ゼライス」はゼライス株式会社の商品名なので、お店の製菓材料売り場で「ゼライス」の横に並んでいる他食品メーカーの「ゼラチン」と使い方は全く同じ。安心あれ。
その証拠に、仙台市若林区若林のスーパーマーケット「ヨークベニマル」があるショッピングモールは、通称「ゼライスタウン若林」という。ゼライスが生まれた会社、その名もゼライス株式会社(旧:宮城化学工業所)の若林工場跡地だからだ。

工場ができたのは1941年(昭和16年)、塩釜市の株式会社稲井善八商店がこの地に「宮城化学工業所」を設立した。
ゼライス株式会社の創業者となる稲井善八は、当時、捕鯨が盛んだった宮城県で問題になっていた、捕鯨業者がクジラの頭(使われない部分)だけを海に戻していたことで腐敗したニオイが広がるという”クジラ公害”を、どうにかできないか?と考え、生化学の権威だった東北帝国大学(現・東北大学)の井上嘉都治博士に相談。博士からの『クジラの頭部からコラーゲンが抽出できる』という助言をもとに研究を重ね、世界で初めてクジラを原料とするゼラチンの製造、生産を開始した。
それまでも原料が動物の骨や皮に含まれるコラーゲンで作られていた食用のゼラチンはあったけれど、実はゼラチンは食用以外にも、医薬用、写真用、工業用と分類され、私たちの生活を見えないところでも支えている。いわば、「地盤」のような存在だと言えるのかもしれない。
ゼラチンという、身近な存在が、地盤がある限り何にでもなれると教えてくれた。

そこにもういなくても、一緒にいた、作った、食べた、笑った、教えてもらった、助けてもらった、…
ひとは、やさしくしてもらったことや、楽しかったことはいつまでも忘れない。
私は病気で脳の半分ぐらいがやられていて、数字に弱くなって簡単な計算さえできなくなったり、距離感がわからなくなって、意に反して左肩を壁に思いっきりぶつけてあとで「あれっ、急に左肩が痛い…」となったり、左手がここぞというときに右手の手伝いをしてくれないおかげで袋やひもを固く結べなくなったり、今の時期は目の前に蚊を見つけても「となりのトトロ」のメイちゃんみたいに両手で思いっきり「パンっ!」とやれない、などの地味に日常生活に影響することが多数あるけど、そういう昔経験したことや、たのしかった記憶はだいたい残っている。
前に読んだ本、前に行った場所、夢中で応援した野球中継、ハマったテレビ番組…だからこそ、今、みんなと思い出を共有できている。ちなみに、病気のどさくさにまぎれて忘れてもよかったのに…ってことも残念なことに、ありありと思い出せる。私の脳の構造どうなってるの??誰か教えて~
…あれっ?なんだよかった。「めんどくさい!」と思うことはあげたらキリがないくらいまだまだあるけど、こうやって病気になってからできなくなったことを笑って言えるってことは、やっぱり今でも悲観はしていないな。
深く考えないところも変わっていない。
あのとき、寝たきりにならなくてほんとによかった。
こんな時間を過ごすことができているから。
「書くこと」でこうやって感謝の気持ちを伝えられるから。
今年も暑中見舞いを書こうかな。定禅寺通りに行こうかな。
ついでに、福祉関係の仕事にも携われるかな。
どんどんやりたいことが浮かぶ。
だって、気をつけて動けばだいだいのことは大好きだったおじぃちゃんみたいにできるから。
よく、神さまは試練を乗り越える力があるひとに試練を与えるっていうけれど、本当にそう思う。
…もちろん、ここまでひとりでがんばったわけではない。
みんなが私の周りにいて、私を見ていて、そうやって困っていたら助けてくれたからだ。
あのとき私が病気にならなかったら、今の私が会っているひとたちとも会っていない。
これからも、私が元気で幸せでいることがみんなへの恩返しだと思う。
さあ、そろそろ次に飛び立つ準備を始めるとするか。
ちょっと怖いけど、ここまできたら頑張れるだけ頑張ってみるか。
今の場所も居心地がいいけど、ここにはいつまでもいられない。
きっと、今の場所から外に出たら、すぐにいろいろなことが待っているだろう。
でも、みんながいると思えばどこにだって飛べるはずだ。
現在進行形の楽しい記憶も、きっと別の場所にいても忘れないだろう。
病気に負けずに、忘れない自信がある。
楽しい記憶があれば、さみしくないだろう。
いつでも笑顔になれるだろう。
またひとつ、大切な忘れたくない思い出ができた。

私は私の生き方でこれからも進む。

ありがとうございました!!